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純平、少女と出会う
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純平side
気が付くと純平は森にいた。
「あれぇ?丘people!?なんでこうなるのぉ!?」
余りの興奮に「おかしいぞ」を噛んでしまった。
「ここは…どこだで?」
前を見ても木、左右を見ても後ろを見ても木。
上を見ても生い茂った木々のせいで太陽の光もほとんど届かない。
純平はとりあえず森を抜けるために歩き出した。
6時間後
「あれぇ?ここさっきも通ったで」
ずっと歩き続けたせいで純平の体力は着実に減っていた。
「もう駄目だで…お腹へったスゥゥゥ…」
純平は地べたに座り込む。
あたりを見渡してみると某有名ゲームに出てくる食べれば大きくなれるような赤と白の気色悪いキノコが目に入った。
明らかに有害な色をしているが純平は気にせずそれに手を伸ばした。
「食べる俺も主人公なんで」
自分に言い聞かせるようにして、キノコを口に運ぶ。
「なんだ、結構美味いじゃん」
少し苦いがなかなかに美味しい。
純平は目につくキノコを粗方食べ終えると立ち上がった。
「とりあえずこの森を抜けよう」
そう言って歩くこと数十分、純平は体の変化に気が付いた。
(なんか…体中がすごくかゆい。さっきのキノコのせいか?)
アトピーを掻きながら彼はどんどん歩いていった。
???side
「遅くなっちゃったな…」
少女は森で採った山菜を背負いながら歩いていた。
(でもこんなにたくさん採ったんだし、きっとお父さんもお母さんも喜んでくれるはず!)
そう思うと早く両親に今日の成果を見せたくなってきた。
「よ~し!家まで走ろ!」
少女が走り出そうとするのと同時にその後ろでガサッという音が聞こえた。
(まさか…魔物!?)
この森にはあまり魔物は出ないが全くいないわけではない。
万が一、魔物だった場合すぐに逃げられるようにしながら音の方向をじっと見つめる。
音はどんどん近づいてきて、その姿が見えた。
身に着けている衣類は見たことのないようなものだが人間…に見える。
一瞬亜人に見えないこともなかったが、近くで見ると土竜顔のただの中年だった。
しかし、様子がおかしい。
はっきり聞こえないがぶつぶつ何か言っているし、体を掻き、目はうつろで何かを探してるようにそわそわしている。
少女は恐る恐る中年に話しかける。
「あの、大丈夫ですか…?」
その声が聞こえたのか中年はいきなり少女の方へ走って来て、
そのまま
少女の足元にダイブした。
「きゃっ!」
あまりの驚きに少女は尻もちをついた。
そして足元を見ると中年が毒キノコに噛り付いていた。
中年はよだれをたらし、体を掻きながらうわごとの様に
「かゆ うま」
と言っている。
少女はしばらく呆けていたが、すぐに中年からキノコを取り上げ放り投げる。
「何してるんですか!毒キノコなんか食べて!死にたいんですか!?」
森にいることも忘れて叫ぶが中年は
「かゆ うま」
としか言わない。
(だめね…毒が体に回ってる)
少女はすぐにバッグから毒消しを取り出し中年に飲ませる。
「大丈夫ですか?私の言葉わかりますか?」
「かゆ う……………あれぇ?」
中年の目に光が戻った。
「よかった。気が付いたんですね」
少女は胸をなでおろす。
「あなたは毒キノコを食べてたんですよ。あのキノコは食べると酷いかゆみに襲われて、さらに中毒性もあるので運が悪いと死ぬこともあるんですよ?」
「き、きみが助けてくれたのか?」
中年はおどおどした様子で聞いてくる。
「はい、私はカリンと言います。あなたは?」
少女が味方と分かって安心したのか中年は大声で自己紹介する。
「ウイイイイイイイイイイ↑ッス!どうも、純平で~す!!!」
気が付くと純平は森にいた。
「あれぇ?丘people!?なんでこうなるのぉ!?」
余りの興奮に「おかしいぞ」を噛んでしまった。
「ここは…どこだで?」
前を見ても木、左右を見ても後ろを見ても木。
上を見ても生い茂った木々のせいで太陽の光もほとんど届かない。
純平はとりあえず森を抜けるために歩き出した。
6時間後
「あれぇ?ここさっきも通ったで」
ずっと歩き続けたせいで純平の体力は着実に減っていた。
「もう駄目だで…お腹へったスゥゥゥ…」
純平は地べたに座り込む。
あたりを見渡してみると某有名ゲームに出てくる食べれば大きくなれるような赤と白の気色悪いキノコが目に入った。
明らかに有害な色をしているが純平は気にせずそれに手を伸ばした。
「食べる俺も主人公なんで」
自分に言い聞かせるようにして、キノコを口に運ぶ。
「なんだ、結構美味いじゃん」
少し苦いがなかなかに美味しい。
純平は目につくキノコを粗方食べ終えると立ち上がった。
「とりあえずこの森を抜けよう」
そう言って歩くこと数十分、純平は体の変化に気が付いた。
(なんか…体中がすごくかゆい。さっきのキノコのせいか?)
アトピーを掻きながら彼はどんどん歩いていった。
???side
「遅くなっちゃったな…」
少女は森で採った山菜を背負いながら歩いていた。
(でもこんなにたくさん採ったんだし、きっとお父さんもお母さんも喜んでくれるはず!)
そう思うと早く両親に今日の成果を見せたくなってきた。
「よ~し!家まで走ろ!」
少女が走り出そうとするのと同時にその後ろでガサッという音が聞こえた。
(まさか…魔物!?)
この森にはあまり魔物は出ないが全くいないわけではない。
万が一、魔物だった場合すぐに逃げられるようにしながら音の方向をじっと見つめる。
音はどんどん近づいてきて、その姿が見えた。
身に着けている衣類は見たことのないようなものだが人間…に見える。
一瞬亜人に見えないこともなかったが、近くで見ると土竜顔のただの中年だった。
しかし、様子がおかしい。
はっきり聞こえないがぶつぶつ何か言っているし、体を掻き、目はうつろで何かを探してるようにそわそわしている。
少女は恐る恐る中年に話しかける。
「あの、大丈夫ですか…?」
その声が聞こえたのか中年はいきなり少女の方へ走って来て、
そのまま
少女の足元にダイブした。
「きゃっ!」
あまりの驚きに少女は尻もちをついた。
そして足元を見ると中年が毒キノコに噛り付いていた。
中年はよだれをたらし、体を掻きながらうわごとの様に
「かゆ うま」
と言っている。
少女はしばらく呆けていたが、すぐに中年からキノコを取り上げ放り投げる。
「何してるんですか!毒キノコなんか食べて!死にたいんですか!?」
森にいることも忘れて叫ぶが中年は
「かゆ うま」
としか言わない。
(だめね…毒が体に回ってる)
少女はすぐにバッグから毒消しを取り出し中年に飲ませる。
「大丈夫ですか?私の言葉わかりますか?」
「かゆ う……………あれぇ?」
中年の目に光が戻った。
「よかった。気が付いたんですね」
少女は胸をなでおろす。
「あなたは毒キノコを食べてたんですよ。あのキノコは食べると酷いかゆみに襲われて、さらに中毒性もあるので運が悪いと死ぬこともあるんですよ?」
「き、きみが助けてくれたのか?」
中年はおどおどした様子で聞いてくる。
「はい、私はカリンと言います。あなたは?」
少女が味方と分かって安心したのか中年は大声で自己紹介する。
「ウイイイイイイイイイイ↑ッス!どうも、純平で~す!!!」
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