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俺には魔力があるらしい。
ようやくそれを飲み込めたのは、兄さんが俺の腹目がけて多少荒々しく石を投げつけて来た後だ。
勢いよく飛んできた石を始めは避けて、2度目は弾いたんだけど、大丈夫だからといわれてノーガードで受け入れた3度目、石は俺に当たる前に勢いを失くして足元に転がった。
4度目も、5度目も、6度目も。
「分かった?この程度の攻撃なら、避ける必要すらないんだ」
それは知らなかった……いや!それもっと早く教えてくれよ!これなら弱い魔物しか出ない昼間にも神経とがらせて寝る時間削ってた意味がないじゃん!
兄さんの全力投球の石を無傷でやり過ごせるんなら、森の中で熟睡しても安全だっただろうさ。
いや、まだ打撃しか試してないから斬撃も試してみるか。
「次は短剣投げてきて」
溜息を吐いた兄さんは投げナイフを投げてきたが、それも石と同じく足元にカランと落ちた。
「次は魔力」
スクロールで起こせる程度の威力の魔法、全属性分の魔法攻撃を受けてみても、特にダメージを感じない。
「精神系の魔法もアインにはきかないから、ホーンドオウル家にある罠もアインには無駄だった。ここまでは良い?」
良くは分からないけど、実際に攻撃がきいていない自分の身体が答えになっているので、飲み込むしかない。
それに、何故かジョーが俺よりも深く理解できているらしく頷いているんだから、話題を次に進めようじゃないか。
実際オレの頭がどこまで理解できているのかと言えば、第15王女がジョーのお兄さんだったって所までだ。
しっかりと兄弟だと分かる容姿で2人共“王女”と名乗るんだから、なにか色々と厄介なことにはなっているんだろうな。
そうだ、父さんが反逆を企ててるんだっけ。
難しいな……何が良いことで何が悪いのか全然分からないから、俺は、まぁ……兄さんが思う方について行けば良いのか。
じゃあさっさと作戦を聞こう。
「分かった。作戦を言ってくれ」
防御に特化している俺は先陣を切るのに適しているから、どこに向かってどう進めばいいのかを先に聞いておかなきゃならない。
ジョーとジークベルトの2人は多分戦闘に適していないから、何処に逃がせば良い?領民の避難場所は何処なのかも知らないと。
「お前は日に何度的外れなことを言えば気が済むんだ?10分ごとにボケないと気が済まない呪いにでもかかってるのか?」
ジークベルトが前髪をかき上げながら、心底面倒くさそうに言ってきた。
なにその呪い。
「俺には神経系の魔法もきかないって……そうだよな?」
と兄さんに同意を求めてみると、笑顔で頷いてくれて、続いてジョーの方を見れば軽く首を振っている。
え、どっち?
「カインはこの戦争のどっち側につくのかを、お前に託している。さぁ答えろ。お前は誰に味方して、どんな作戦を立てるんだ?」
え……?
え?
なんで、俺……。
ようやくそれを飲み込めたのは、兄さんが俺の腹目がけて多少荒々しく石を投げつけて来た後だ。
勢いよく飛んできた石を始めは避けて、2度目は弾いたんだけど、大丈夫だからといわれてノーガードで受け入れた3度目、石は俺に当たる前に勢いを失くして足元に転がった。
4度目も、5度目も、6度目も。
「分かった?この程度の攻撃なら、避ける必要すらないんだ」
それは知らなかった……いや!それもっと早く教えてくれよ!これなら弱い魔物しか出ない昼間にも神経とがらせて寝る時間削ってた意味がないじゃん!
兄さんの全力投球の石を無傷でやり過ごせるんなら、森の中で熟睡しても安全だっただろうさ。
いや、まだ打撃しか試してないから斬撃も試してみるか。
「次は短剣投げてきて」
溜息を吐いた兄さんは投げナイフを投げてきたが、それも石と同じく足元にカランと落ちた。
「次は魔力」
スクロールで起こせる程度の威力の魔法、全属性分の魔法攻撃を受けてみても、特にダメージを感じない。
「精神系の魔法もアインにはきかないから、ホーンドオウル家にある罠もアインには無駄だった。ここまでは良い?」
良くは分からないけど、実際に攻撃がきいていない自分の身体が答えになっているので、飲み込むしかない。
それに、何故かジョーが俺よりも深く理解できているらしく頷いているんだから、話題を次に進めようじゃないか。
実際オレの頭がどこまで理解できているのかと言えば、第15王女がジョーのお兄さんだったって所までだ。
しっかりと兄弟だと分かる容姿で2人共“王女”と名乗るんだから、なにか色々と厄介なことにはなっているんだろうな。
そうだ、父さんが反逆を企ててるんだっけ。
難しいな……何が良いことで何が悪いのか全然分からないから、俺は、まぁ……兄さんが思う方について行けば良いのか。
じゃあさっさと作戦を聞こう。
「分かった。作戦を言ってくれ」
防御に特化している俺は先陣を切るのに適しているから、どこに向かってどう進めばいいのかを先に聞いておかなきゃならない。
ジョーとジークベルトの2人は多分戦闘に適していないから、何処に逃がせば良い?領民の避難場所は何処なのかも知らないと。
「お前は日に何度的外れなことを言えば気が済むんだ?10分ごとにボケないと気が済まない呪いにでもかかってるのか?」
ジークベルトが前髪をかき上げながら、心底面倒くさそうに言ってきた。
なにその呪い。
「俺には神経系の魔法もきかないって……そうだよな?」
と兄さんに同意を求めてみると、笑顔で頷いてくれて、続いてジョーの方を見れば軽く首を振っている。
え、どっち?
「カインはこの戦争のどっち側につくのかを、お前に託している。さぁ答えろ。お前は誰に味方して、どんな作戦を立てるんだ?」
え……?
え?
なんで、俺……。
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