301 / 531
第12章 臨時会談編
第296話 新国家の名称が決定!
しおりを挟む
「クリスティン、以前選出をお願いした各国へ派遣する大使は決まった?」
「はい、私がそのうちの一人で、他はヴォーレイ、サクラノ、ヴィクスター、バーバライアの四人です」
クリスティン以外は聞いたことない名前ばかりだわ。
「選出ありがとう。じゃあ後日面談して問題無さそうなら、大使として他国へ行ってもらうことになると思う。クリスティン、あなたはもうほぼ決まりかな。私としてはあなたがここから離れるのは残念だけど、他国のことを勉強してきてほしいと思う。立派に務めを果たして来てね」
「はい!」
「それと、これはみんなに言っておくことなんだけど、この中立地帯に新しい国の名前を付けなければならなくなった」
「新しい国の名前を? アルトレリアではダメなのですか?」
リーヴァントが異を唱える。
初めて正式にこの町に付いた名前だから思い入れもあるのかもしれない。
「今まで町の名前だったアルトレリアを国の名前に格上げすると、必然的に町の名前を変えなきゃならないから、“アルトレリア”で慣れた町民からはややこしいと感じると思う」
「ということは新たに名前を付けなきゃならないんですね」
「また投票にしますか?」
「どうしようか? ここだけで決めてしまえるならそれもありかもしれないけど。じゃあみんなで案を出し合ってみましょうか」
……
…………
………………
◇
しばらく経って――
「思いついた人いる?」
「はい!」
「じゃあリーヴァントから」
「『アルトレリアス』」
「ん? どこか変わった?」
「後ろに“ス”を付け足しました」
「う~ん……そうするとこの町を答える時は『ここはアルトレリアスのアルトレリアです』になるの? 紛らわしくない?」
「すみません、中々思い浮かばなかったもので……」
まあ『ここは静岡県の静岡市です』ってのと同じかな? そう考えると別に変ではない? ……いや県名と市名の関係じゃなくて国名と町名の関係だから大分事情が違うか。
「ルークは?」
「『アルトレリウス』なんてどうですか?」
「リーヴァントとあまり変わらないね。これも字面が紛らわしいかも」
「そうですか……」
「イチトスは?」
「『アルトラの国』はどうでしょう!」
「モロに私の名前だけど……」
私が支配する独裁国家みたいだ……
それに日本出身の私が聞くと何だかM87星雲にある星を連想するくらい語感が似ている……
「アルトラ様が打ち建てた国ということで、分かり易くて良いのではないかと!」
「う~ん……却下ね、直接的過ぎて私が恥ずかしい」
「そうですか……」
「クリスティンは?」
「『アルトアンヘル』なんてどうでしょうか?」
「どういう意味があるの?」
「昔カイベルさんに聞いたことがあるんですけど、アンヘルは天使の別の言い方だそうですね。アルトラ様は天使のような特徴をお持ちですし、ピッタリなんじゃないかと」
「そんな意味があるの? カイベル」
「アンヘルは、エンジェルのスペイン語の言い方です」
「へぇ~、そうなんだ」
「アン (否定)ヘル (地獄)でダブルミーニングでもあります」
おぉ……流石勉強してるだけある。他のトロルより頭一つ抜けてる。
でも――
「凄く良い名前だし、出来ることならこれにしたいところなんだけど、ちょっと採用は難しいかな……」
「どうしてですか?」
「七大国会談で私自身が“天使”に連なる者ではないかと目を付けられちゃってね。 (第230話参照)この名前付けると町の人を危険に曝してしまうかもしれない」
「そうなんですか……残念です……」
「キャンフィールドは?」
「おう、自信作だ。『アルトレリーヴァ』」
「これはどういう意味が込められてるの?」
「アルトラ様とリーヴァントさんが作り上げたようなものだから二人の名前を足した」
「それは何か畏れ多いのでダメです!」
リーヴァントは私が神様か何かに見えてるんだろうか? 『畏れ多い』って……
名前としては中々カッコイイ名前だと思ったのだけど……
前回『リーヴァント村』に二票投票があったけど、一人は息子さんで、もう一人は奥さんじゃなくてキャンフィールドだったんじゃ……? (第172話参照)
「他にある? リナさんとかどう?」
「『アルトバエルン』」
何か聞いたことあるな……地球でも似た名前の食品があったけど……アクアリヴィアの商店でもこんな感じの食品を見た気が……
「え!? リナも? 私もだよ!」
ヤポーニャさんも同じ名前を考えたらしい。
「何で二人が同じに? 何でそれになったの?」
「アクアリヴィアに美味しいソーセージ売ってるんですよ~」
「私もアルトレリアの名前の前半部分が似てるなと……」
二人ともテヘヘという感じでしゃべる。
「……つまりソーセージの名前ってわけね……もちろん却下で」
「実は俺も……」
「ハハハ……私もです」
フィンツさんとトーマスが後出しで名乗り出る。
フィンツさんを睨んだところ言い訳のように――
「さ、酒の肴に合うもんだからつい……」
………………
まあ、中にはこういう悪ふざけも出てくるだろうと想定はしていた。
「他に考えた人いる?」
「『中立地帯“国”』じゃいかんのか?」
ダイクーがそのままの名前を言った。
「私も中立地帯で良いんじゃないかと思って七大国会談運営に聞いた時に却下されたから、“国”を後ろに付け足した程度じゃ多分却下されると思う」
「そうか」
「他にある?」
残りの者は顔をフルフルと横に振って否定の合図。
「名前考えるの結構難しいですね……」
「そう言うアルトラ様はどんなの考えたんですか?」
「え゛?」
「『え?』って考えたんですよね?」
「わ、私は……『トロル国ん』」
「アルトラ様がふざけてるじゃないですか! それにまた『くん付け』って……」
「ごめん……考え付かなかったもんだから……」
「じゃあまた町民に投票してもらいますか?」
「それが良いかもね」
と言うわけで、第二回名前投票と相成った。
◇
そして、およそ一週間後。投票を締め切りいくつかの候補が挙がった。――
「『サンライズ』、『ライジングサン』、『シャインライズ』、『アルトラルサンズ』、『サンアルトライズ』。何だか太陽関係ばっか残したね」
「太陽が昇る国なので、相応しいかと思い」
日本人の私としては、この名前を残されたのは少々感慨深い。
「他にどんなのがあったの?」
「『アルトラの国』と『アルトラ王国』がダントツで多かったですよ、合計で六十票」
イチトスと同じものか。
みんな安易に名付けてる気がするわ……
「他には『七色の国セブンス』、『ヘルニアー』、『ヘルヘル』、『レッドアルトレリア』、『グリーンアルトレリア』、『アルトロール』、『ドラゴンガード』、『緑の国』」
う~ん、確かに太陽が含まれてた方がインパクトがある気がする。
『ヘルニアー』って何だよ……腰とか首の病気みたいじゃないか……多分『地獄』、『近い』って言いたいんだろうけど……文法逆でしょ。まあどっちも地獄の苦しみなのは認めるけど……私もデスクワーク多かったから、二十七の若さだったにも関わらず、何度か経験してる……
『ヘルヘル』はちょっと可愛いわね。
『七色の国セブンス』と『ドラゴンガード』は多分ナナトス・フレハルね。今回は多少主張弱めだけど、含まれてる単語で何となく分かる。
『アルトロール』は結構良い感じだけど、リーヴァントとしては無しだったのね。
『グリーン』とか『レッド』とか付いてるアルトレリアは何のことだかわからないけど……あと『緑の国』も。これらはこの地に草木が生い茂るようになったことと関係あるのかしら?
まあ、こっちはリーヴァントが弾いたものだから、別に考えなくて良いか。
「じゃあ、この五候補の中でどれが良いか挙手をお願い。『サンライズ』が良い人――」
◇
会議に集まったメンバーに挙手で投票してもらったところ、
サンライズ・・・・・・一票
ライジングサン・・・・一票
シャインライズ・・・・一票
アルトラルサンズ・・・九票
サンアルトライズ・・・三票
で、『アルトラルサンズ』に決まった。
「それぞれの魔王は自分の国に自身の名前を冠していると聞いています。今後アルトラ様が魔王になるのに相応しい国名になりましたね」
「今のところ魔王になる予定は無いけどね……」
とすると、これって名前負けしてるのでは? 少し恥ずかしくなってきた。
リーヴァントは私が魔王になるのを期待しているかのようだ。確かに前々世の私が持っていた『暴食』が行方不明の所為で、風の魔王の席が空席だから、私が魔王になる可能性も無くはないけど……
でも、それを継承してしまうと風の国の王に祀り上げられるだろうから、こことお別れって可能性も……
リーヴァントの魔王を見据えている話を聞いてたリナさんが、それに迎合する。
「アクアリヴィアでは、この中立地帯が最初に太陽が出現した国と言われてます。『太陽昇る国・アルトラルサンズ』、良い名前になったのではないでしょうか?」
『太陽昇る国』なんて仰々しいけど、一応事実は事実なのよね……
最初に疑似太陽作った時には、こんな国を作るなんて大ごとになるとは思ってなかったけど……
「そうだね、みんながこの名前を誇れるような国にしていこう」
この次の日、最近町に出来た新聞社によって、国の名前が周知されることになる。
「はい、私がそのうちの一人で、他はヴォーレイ、サクラノ、ヴィクスター、バーバライアの四人です」
クリスティン以外は聞いたことない名前ばかりだわ。
「選出ありがとう。じゃあ後日面談して問題無さそうなら、大使として他国へ行ってもらうことになると思う。クリスティン、あなたはもうほぼ決まりかな。私としてはあなたがここから離れるのは残念だけど、他国のことを勉強してきてほしいと思う。立派に務めを果たして来てね」
「はい!」
「それと、これはみんなに言っておくことなんだけど、この中立地帯に新しい国の名前を付けなければならなくなった」
「新しい国の名前を? アルトレリアではダメなのですか?」
リーヴァントが異を唱える。
初めて正式にこの町に付いた名前だから思い入れもあるのかもしれない。
「今まで町の名前だったアルトレリアを国の名前に格上げすると、必然的に町の名前を変えなきゃならないから、“アルトレリア”で慣れた町民からはややこしいと感じると思う」
「ということは新たに名前を付けなきゃならないんですね」
「また投票にしますか?」
「どうしようか? ここだけで決めてしまえるならそれもありかもしれないけど。じゃあみんなで案を出し合ってみましょうか」
……
…………
………………
◇
しばらく経って――
「思いついた人いる?」
「はい!」
「じゃあリーヴァントから」
「『アルトレリアス』」
「ん? どこか変わった?」
「後ろに“ス”を付け足しました」
「う~ん……そうするとこの町を答える時は『ここはアルトレリアスのアルトレリアです』になるの? 紛らわしくない?」
「すみません、中々思い浮かばなかったもので……」
まあ『ここは静岡県の静岡市です』ってのと同じかな? そう考えると別に変ではない? ……いや県名と市名の関係じゃなくて国名と町名の関係だから大分事情が違うか。
「ルークは?」
「『アルトレリウス』なんてどうですか?」
「リーヴァントとあまり変わらないね。これも字面が紛らわしいかも」
「そうですか……」
「イチトスは?」
「『アルトラの国』はどうでしょう!」
「モロに私の名前だけど……」
私が支配する独裁国家みたいだ……
それに日本出身の私が聞くと何だかM87星雲にある星を連想するくらい語感が似ている……
「アルトラ様が打ち建てた国ということで、分かり易くて良いのではないかと!」
「う~ん……却下ね、直接的過ぎて私が恥ずかしい」
「そうですか……」
「クリスティンは?」
「『アルトアンヘル』なんてどうでしょうか?」
「どういう意味があるの?」
「昔カイベルさんに聞いたことがあるんですけど、アンヘルは天使の別の言い方だそうですね。アルトラ様は天使のような特徴をお持ちですし、ピッタリなんじゃないかと」
「そんな意味があるの? カイベル」
「アンヘルは、エンジェルのスペイン語の言い方です」
「へぇ~、そうなんだ」
「アン (否定)ヘル (地獄)でダブルミーニングでもあります」
おぉ……流石勉強してるだけある。他のトロルより頭一つ抜けてる。
でも――
「凄く良い名前だし、出来ることならこれにしたいところなんだけど、ちょっと採用は難しいかな……」
「どうしてですか?」
「七大国会談で私自身が“天使”に連なる者ではないかと目を付けられちゃってね。 (第230話参照)この名前付けると町の人を危険に曝してしまうかもしれない」
「そうなんですか……残念です……」
「キャンフィールドは?」
「おう、自信作だ。『アルトレリーヴァ』」
「これはどういう意味が込められてるの?」
「アルトラ様とリーヴァントさんが作り上げたようなものだから二人の名前を足した」
「それは何か畏れ多いのでダメです!」
リーヴァントは私が神様か何かに見えてるんだろうか? 『畏れ多い』って……
名前としては中々カッコイイ名前だと思ったのだけど……
前回『リーヴァント村』に二票投票があったけど、一人は息子さんで、もう一人は奥さんじゃなくてキャンフィールドだったんじゃ……? (第172話参照)
「他にある? リナさんとかどう?」
「『アルトバエルン』」
何か聞いたことあるな……地球でも似た名前の食品があったけど……アクアリヴィアの商店でもこんな感じの食品を見た気が……
「え!? リナも? 私もだよ!」
ヤポーニャさんも同じ名前を考えたらしい。
「何で二人が同じに? 何でそれになったの?」
「アクアリヴィアに美味しいソーセージ売ってるんですよ~」
「私もアルトレリアの名前の前半部分が似てるなと……」
二人ともテヘヘという感じでしゃべる。
「……つまりソーセージの名前ってわけね……もちろん却下で」
「実は俺も……」
「ハハハ……私もです」
フィンツさんとトーマスが後出しで名乗り出る。
フィンツさんを睨んだところ言い訳のように――
「さ、酒の肴に合うもんだからつい……」
………………
まあ、中にはこういう悪ふざけも出てくるだろうと想定はしていた。
「他に考えた人いる?」
「『中立地帯“国”』じゃいかんのか?」
ダイクーがそのままの名前を言った。
「私も中立地帯で良いんじゃないかと思って七大国会談運営に聞いた時に却下されたから、“国”を後ろに付け足した程度じゃ多分却下されると思う」
「そうか」
「他にある?」
残りの者は顔をフルフルと横に振って否定の合図。
「名前考えるの結構難しいですね……」
「そう言うアルトラ様はどんなの考えたんですか?」
「え゛?」
「『え?』って考えたんですよね?」
「わ、私は……『トロル国ん』」
「アルトラ様がふざけてるじゃないですか! それにまた『くん付け』って……」
「ごめん……考え付かなかったもんだから……」
「じゃあまた町民に投票してもらいますか?」
「それが良いかもね」
と言うわけで、第二回名前投票と相成った。
◇
そして、およそ一週間後。投票を締め切りいくつかの候補が挙がった。――
「『サンライズ』、『ライジングサン』、『シャインライズ』、『アルトラルサンズ』、『サンアルトライズ』。何だか太陽関係ばっか残したね」
「太陽が昇る国なので、相応しいかと思い」
日本人の私としては、この名前を残されたのは少々感慨深い。
「他にどんなのがあったの?」
「『アルトラの国』と『アルトラ王国』がダントツで多かったですよ、合計で六十票」
イチトスと同じものか。
みんな安易に名付けてる気がするわ……
「他には『七色の国セブンス』、『ヘルニアー』、『ヘルヘル』、『レッドアルトレリア』、『グリーンアルトレリア』、『アルトロール』、『ドラゴンガード』、『緑の国』」
う~ん、確かに太陽が含まれてた方がインパクトがある気がする。
『ヘルニアー』って何だよ……腰とか首の病気みたいじゃないか……多分『地獄』、『近い』って言いたいんだろうけど……文法逆でしょ。まあどっちも地獄の苦しみなのは認めるけど……私もデスクワーク多かったから、二十七の若さだったにも関わらず、何度か経験してる……
『ヘルヘル』はちょっと可愛いわね。
『七色の国セブンス』と『ドラゴンガード』は多分ナナトス・フレハルね。今回は多少主張弱めだけど、含まれてる単語で何となく分かる。
『アルトロール』は結構良い感じだけど、リーヴァントとしては無しだったのね。
『グリーン』とか『レッド』とか付いてるアルトレリアは何のことだかわからないけど……あと『緑の国』も。これらはこの地に草木が生い茂るようになったことと関係あるのかしら?
まあ、こっちはリーヴァントが弾いたものだから、別に考えなくて良いか。
「じゃあ、この五候補の中でどれが良いか挙手をお願い。『サンライズ』が良い人――」
◇
会議に集まったメンバーに挙手で投票してもらったところ、
サンライズ・・・・・・一票
ライジングサン・・・・一票
シャインライズ・・・・一票
アルトラルサンズ・・・九票
サンアルトライズ・・・三票
で、『アルトラルサンズ』に決まった。
「それぞれの魔王は自分の国に自身の名前を冠していると聞いています。今後アルトラ様が魔王になるのに相応しい国名になりましたね」
「今のところ魔王になる予定は無いけどね……」
とすると、これって名前負けしてるのでは? 少し恥ずかしくなってきた。
リーヴァントは私が魔王になるのを期待しているかのようだ。確かに前々世の私が持っていた『暴食』が行方不明の所為で、風の魔王の席が空席だから、私が魔王になる可能性も無くはないけど……
でも、それを継承してしまうと風の国の王に祀り上げられるだろうから、こことお別れって可能性も……
リーヴァントの魔王を見据えている話を聞いてたリナさんが、それに迎合する。
「アクアリヴィアでは、この中立地帯が最初に太陽が出現した国と言われてます。『太陽昇る国・アルトラルサンズ』、良い名前になったのではないでしょうか?」
『太陽昇る国』なんて仰々しいけど、一応事実は事実なのよね……
最初に疑似太陽作った時には、こんな国を作るなんて大ごとになるとは思ってなかったけど……
「そうだね、みんながこの名前を誇れるような国にしていこう」
この次の日、最近町に出来た新聞社によって、国の名前が周知されることになる。
1
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
私は、忠告を致しましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私マリエスは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢ロマーヌ様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
ロマーヌ様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は常に最愛の方に護っていただいているので、貴方様には悪意があると気付けるのですよ。
ロマーヌ様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
大好きな母と縁を切りました。
むう子
ファンタジー
7歳までは家族円満愛情たっぷりの幸せな家庭で育ったナーシャ。
領地争いで父が戦死。
それを聞いたお母様は寝込み支えてくれたカルノス・シャンドラに親子共々心を開き再婚。
けれど妹が生まれて義父からの虐待を受けることに。
毎日母を想い部屋に閉じこもるナーシャに2年後の政略結婚が決定した。
けれどこの婚約はとても酷いものだった。
そんな時、ナーシャの生まれる前に亡くなった父方のおばあさまと契約していた精霊と出会う。
そこで今までずっと近くに居てくれたメイドの裏切りを知り……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる