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43、番外編 政略結婚から2年過ぎた頃のお話 完
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*ディオ視点*
私は悩んでいるのかどうかもわからなかった。
ただ毎日、眠れない毎日が続いていた。
政略結婚をしてからは特にもどかしい毎日だった。
眠ろうとしたが眠気はこないので
仕事を続けた。終わりのない仕事。
終わりが来るかもしれない、なにか。
リアンジュの事を考えると、当てはまる
言葉がわからない。
わからないから、リアンジュにかける言葉は
最低限のあいさつ以外何もなかった。
大切、愛しい、愛してる、心配、
モヤモヤ、不安、うれしいのに悲しい?
さみしいのにうれしい?
拒否されるかもしれない恐怖感、
表情がない人形のようだと揶揄された。
王族として確定ではないが王太子の立場に
1番近い位置にいる私。
周りの機微やあからさまな態度などに
自分の感情を出すわけにもいかないので
幼少の頃から厳しい教育を受け、
無表情の仮面を手に入れた。
わからないから、言葉に出来ない。
今までなら話さなくとも、周りが動き、
簡単な指示を出しただけで結果が出た。
私はそれに甘えていた。
周りが優秀な者ばかりで気づかなかっただけ。
思わしくない結果なら、なぜそうなったのか
考え、自分自身で動いた。
そうしているうちに、家族なのに違和感があった。
よくわからない違和感。
いつしか、リアンジュと子どもたちとの
時間は少なくなり、せめてもと思い
眠ってるリアンジュを抱いた。
少し満たされた様な感じがしたが
すぐに罪悪感を感じた。そして
抱いてるのに物足りなかった。
激しく揺さぶると目を覚ました
リアンジュは驚きながらも
反応をかえしてくれた。
何かが込み上げるような温かさを感じた。
オレはリアンジュと言葉を交わさずとも
心が通じ合ってると思いあがっていた。
異母弟のルークはよく誤解されるが
そんなに悪いものではない。
今ではルークはトールを溺愛している。
溺愛しすぎて愛が重いからか
一見トールがルークを嫌がって
いるように見える時がある。
言いたい事を言い合いながら
思い合ってる2人だった。
「ディオ兄上、話し合いですよ。」
「何を?」
「たとえばここに可愛い花が咲いてるとして、
その花が私の可愛いトールには及ばない
としても、花をキッカケにするんです。
可愛い私のトール、可愛いトールに
似合いそうな花がありましたよ。
しかも私の可愛いトールが好きそうな
小さな花を見つけたから一緒に見に行こう。
ほら、こんな感じで言って2人で一緒に
出掛けるとかしたらきっと会話とかも
かなり増えると思いますよ。」
「……。」
私にははるかに高い会話術だ。
トールは確かに変わった。
情報収集の為女受けする顔を活かし
巧みな会話でわざと好意をもたせ
情報を吐き出させたあと、後腐れのないよう
わざとダブルブッキングしたり
気を持たせないように、恋多き男として
相手から別れを切り出させていた。
ルークの会話術は素直にすごいと思う。
私には出来ないと思ってしまった。
リアンジュ。私は私自身のこの不安を
とり除くためにも君との会話が
必要だと思った。だから考えた。
ルークとトールが婚姻の儀式をすませてからは
以前より仲睦まじい2人だったからだ。
私たちも仲睦まじい家族になりたい。
ルークとトールは新婚旅行とやらに行った。
新婚旅行。リアンジュも興味を示していた。
旅行?軍の遠征とはちがうのか?
その新婚旅行とやらに私たちも行けたなら
ルークたちのように仲睦まじい夫婦になれるのか?
私たちは長い長い婚約期間を終えた。
そして政略結婚した。最初から義務としての
夫婦だが、もう少し踏み込みたかった。
義務の為、子どもを産んでくれたリアンジュに
感謝しかないが、子どもに向ける笑顔の
一部を私にも向けて欲しいと願ってしまった。
「ココおすすめですよ。あの時の
トールは、生まれたままの可愛い姿で
本当に生まれたばかりの子羊の様に、
ワラのベットに埋もれ、私の愛に
すごく乱れながら喜んでくれました。」
ルークは、長々とトールとの
たわむれを聞き流しながら場所と周辺の
様子などが細かく書いてくれた。
スケジュールを調整しとれた時間は1日。
1日もとれただけでも、ありがたかったが
ルークが話を通したのか
オリヴァーも協力してくれたのだった。
騎士団との合同で近場での
遠征練習と護衛の練習と称して
2日間の猶予。馬車で2刻(約4時間)
徒歩で半刻(1時間)の行程。
近場だが、なんでもその湖を
恋人や婚姻した者が2人で見ると
末永く幸せになるそうだ。
いかにもルークとトールが好きそうな
謳い文句付きの場所だ。
普段ならスルーしてしまうような事だか
私たちも、もっと……。
自分がいかに狭量(きょうりょう)か
思いしらされた。
ずっとアンジュ中に挿れたまま離したくないし
仕事などせず、私の部屋に閉じ込め
誰の目にも触れさせたくない。
生まれたままの姿でベットに縛り付けたい。
可哀想ではあるが、少々私が頑張れば
アンジュはベットから出れずにいた。
私の手から逃れられないと知って欲しい。
逃げないで欲しい。
だが、それも長く続かなかった。
リアンジュは、両性具有。
"神の御使(みつか)い"や"神の代行者"
かなりの昔は無駄に崇められ
あらゆる魔法や現在失わられた。
閉じ込められたからこその弊害。
気の病。足腰の筋力低下。
両生具有は短命だったが
古代魔法も使えたと記された
両生具有についての書物もある。
だからリアンジュもまだ私が知らない
何か持っているかもと不安でたまらない。
もし、失わられた古代魔法のひとつ
転移魔法など使われたら、私は
捨てられてしまう。
2人の子宝に恵まれたが、抱けば抱くほど
不安になり、杭を何度も打ち付けても
不安は消えなかった。
いつしか、回復魔法をかけいつもなら
ベットにいる時間に、ドレスを着て
キッチンに立っていた。
ドレスを脱がして、恥ずかしさで
どこにも行けないようにしたい、
愚かな思いがよぎった。
***
新婚旅行に出かけたが、未だに
会話が続かなかった。
モヤモヤしたままだった。
そんな時、村長の息子が湖の館まで
案内してくれることになった。
私の腕の中にいる"アンジュ"は
子どもを2人も産んだのに。
体型は細いままで、胸は大きくなり
女体化が進んだ。性別は関係ないが
ますます愛しくなった。
そんな愛しく思う"アンジュ"が
他の男、村長の息子に笑顔を向けたのだった。
私の中の何かが弾けた。
ドロドロとした何か……。
これ以上、村長の息子と"アンジュ"を
同じ空間にいさせたくなかった。
"アンジュ"君はもう私の妻なんだよ。
他の男を好きになったとしても
私の妻なんだから、一緒にはなれないんだ。
私と政略結婚したんだから。私の……。
「私のものだ。他には触れさせない。」
「!!!」
「一層のこと、閉じ込めたい。誰の目にも
触れさせたくない。」
私の気持ちを言葉に出来た。
言葉を出したが、気持ちがおさまるどこらか
私の醜い内面がさらに出そうになっていた。
私の腕の中に"アンジュ"を閉じ込めながら
無理にでも繋がる事しか思い浮かばなかった。
逃がさない。たてなくなるまで抱き潰して
私のそばにずっと居させよう。
そう思っていた時、"アンジュ"は
私を指さししながらまっすぐ目を見てきた。
目があっただけでも私自身喜んでいたら
"アンジュ"が私に更なるうれしい言葉をくれた。
「ディ、ディオ様。ディオ様が
オ(オレって言いそうだったヤバイヤバイ)
お、男らしくて、かっこよくて
たくましくて、冷たく見える鋭い目も
キラキラしたどんな宝石よりもきれいだし、
あとは、髪、長い髪の毛なのに、
枝毛も見つからなくてムカつく…じゃない、
え~とキラキラ、サラサラで手触りが、イイ
髪の毛も好きだし、しつこくて
ねちっこくて長いキスや、さわられるのも
気持ち良すぎて、挿れられたら
抜かずの3発は当たり前だし、絶倫だし
気持ち良すぎて、体力ないから
気絶するのはいつも……(オレだけ)。
今日だって、ここに来る目的も
いつ着くのかとか、気持ち良いことされたのに
肝心なモノ挿れてくれないし、
なんか悪いことしたのか?とか不安だし、
男がどうのこうのとか、言葉たりないし、
不安だし、こわいし、なんで、
怒ってるのかわかんないし、
ディオ様が好きなのに恥ずかしくて
素直に言えないし、嫌いな人と
エッチな事するわけないのに
ディオ様わかってくれないし、
好きなのになんかムカつくし、
やられたら気持ち良いし、
なんも言えないし、今日、1回もココに
挿れてくんないし、腹立つしムカつく!!」
"アンジュ"が私を好き?!
枝毛?私はしつこくて、ねちっこいのか……。
しかも、言われた事のない褒め言葉に
愛しいリアンジュに言われ舞い上がった。
えっち?好きなのにむかつく、
私が、アンジュに最後までしなかったから
腹を立てムカついてくれたのか?
私との行為に気持ちよくなってくれているんだ。
初夜には、1番キツイ媚薬入りのオイルが
用意されていた。
周りからも私たちは仲の良い夫婦には
見えなかったのだろう。義務としての
初夜の為に、媚薬で気持ちよくさせ
子種を吐き出す儀式をしなければいけなかった。
最高級の効果の高い媚薬オイル……。
私は君の事好ましく思っている。
好きだから、媚薬入りのオイルを
使わず君との行為を感じたかったんだ。
私は"アンジュ"を愛してる。
"アンジュ"は私を好き。
「愛してる。」
アンジュの耳元でささやいた。
丸太小屋で、ワラの束にシーツをかぶせただけの
粗末なベットに寝たいと、アンジュが言った。
ある程度、ルークとトールから
アドバイスをもらっていたので
遠征とは違う食事スタイル、なんでも
キズナが生まれるそうだ。
バーベキューと言う調理法。
騎士団が、外で準備していたのか
食べれる魔物肉を大量にさばき串に刺していた。
そういえば、以前出かけた時
串焼きのお肉にかぶりついていた。
アレには正直なところ、かなり驚いた。
しかし、今回のバーベキューでも
そうした方が美味しいと聞いていた。
大きな肉は切ってあげようと思い
ナイフを持っていたが、
「このまま食べたいです。」
と可愛くお願いされた。
2人でかぶりついた串焼きの食事法は
マナーなど皆無だったが、
今まで食べた中で楽しくて、そして、
"幸せ"という言葉がなんとなくわかった気がした。
食事が終わり、夜も深まった頃
湖に出かけた。
今夜は満月だった。
湖に満月が映り込み2つの月の光が
真夜中の暗闇を照らしていた。
しばらく無言で見つめていた。
ふわぁ。
何が起きているのかわからなかった。
一斉に白い大きな花が咲き乱れ
花の蜜を吸うた為なのか、どこともなく
現れた飛ぶ虫たちに月の光があたり
幻想的な景色が目の前に広がった。
「みんなで、幸せになろう。」
「はい。」
「また、休みがとれたら今回のような
新婚旅行に行こう。」
「はっ、えっ?……はい?」
なぜか驚いている"アンジュ"に
たくさんの口づけをした。
可愛い、愛しい、私の"アンジュ"
君との距離をこれからもっと
無くしたいと思っている。
愛してる、永遠に。
番外編 終
その後、ハネムーンベビーが……
とか色々、仲睦まじい夫婦になっていく
2人ですが、今回の番外編、どうだったでしょうか?
作者のつたいない物語を読んでいただき
誠にありがとうございます。
1文字も書けない時期もありましたが
なんとか完結作品が出来ました。
男女の恋愛を書いたつもりが、いつのまにか
作者が好きなBLの作品となりました。
番外編などまた、追加するかもしれませんが、
その時はまた、読んでいただけたら
すごくうれしいです。
ここまで、読んでいただき重ね重ね
お礼申し上げます。ありがとうございます。
皆様に感謝を込めて
みんな皆、幸せになアレ~。
さつき
私は悩んでいるのかどうかもわからなかった。
ただ毎日、眠れない毎日が続いていた。
政略結婚をしてからは特にもどかしい毎日だった。
眠ろうとしたが眠気はこないので
仕事を続けた。終わりのない仕事。
終わりが来るかもしれない、なにか。
リアンジュの事を考えると、当てはまる
言葉がわからない。
わからないから、リアンジュにかける言葉は
最低限のあいさつ以外何もなかった。
大切、愛しい、愛してる、心配、
モヤモヤ、不安、うれしいのに悲しい?
さみしいのにうれしい?
拒否されるかもしれない恐怖感、
表情がない人形のようだと揶揄された。
王族として確定ではないが王太子の立場に
1番近い位置にいる私。
周りの機微やあからさまな態度などに
自分の感情を出すわけにもいかないので
幼少の頃から厳しい教育を受け、
無表情の仮面を手に入れた。
わからないから、言葉に出来ない。
今までなら話さなくとも、周りが動き、
簡単な指示を出しただけで結果が出た。
私はそれに甘えていた。
周りが優秀な者ばかりで気づかなかっただけ。
思わしくない結果なら、なぜそうなったのか
考え、自分自身で動いた。
そうしているうちに、家族なのに違和感があった。
よくわからない違和感。
いつしか、リアンジュと子どもたちとの
時間は少なくなり、せめてもと思い
眠ってるリアンジュを抱いた。
少し満たされた様な感じがしたが
すぐに罪悪感を感じた。そして
抱いてるのに物足りなかった。
激しく揺さぶると目を覚ました
リアンジュは驚きながらも
反応をかえしてくれた。
何かが込み上げるような温かさを感じた。
オレはリアンジュと言葉を交わさずとも
心が通じ合ってると思いあがっていた。
異母弟のルークはよく誤解されるが
そんなに悪いものではない。
今ではルークはトールを溺愛している。
溺愛しすぎて愛が重いからか
一見トールがルークを嫌がって
いるように見える時がある。
言いたい事を言い合いながら
思い合ってる2人だった。
「ディオ兄上、話し合いですよ。」
「何を?」
「たとえばここに可愛い花が咲いてるとして、
その花が私の可愛いトールには及ばない
としても、花をキッカケにするんです。
可愛い私のトール、可愛いトールに
似合いそうな花がありましたよ。
しかも私の可愛いトールが好きそうな
小さな花を見つけたから一緒に見に行こう。
ほら、こんな感じで言って2人で一緒に
出掛けるとかしたらきっと会話とかも
かなり増えると思いますよ。」
「……。」
私にははるかに高い会話術だ。
トールは確かに変わった。
情報収集の為女受けする顔を活かし
巧みな会話でわざと好意をもたせ
情報を吐き出させたあと、後腐れのないよう
わざとダブルブッキングしたり
気を持たせないように、恋多き男として
相手から別れを切り出させていた。
ルークの会話術は素直にすごいと思う。
私には出来ないと思ってしまった。
リアンジュ。私は私自身のこの不安を
とり除くためにも君との会話が
必要だと思った。だから考えた。
ルークとトールが婚姻の儀式をすませてからは
以前より仲睦まじい2人だったからだ。
私たちも仲睦まじい家族になりたい。
ルークとトールは新婚旅行とやらに行った。
新婚旅行。リアンジュも興味を示していた。
旅行?軍の遠征とはちがうのか?
その新婚旅行とやらに私たちも行けたなら
ルークたちのように仲睦まじい夫婦になれるのか?
私たちは長い長い婚約期間を終えた。
そして政略結婚した。最初から義務としての
夫婦だが、もう少し踏み込みたかった。
義務の為、子どもを産んでくれたリアンジュに
感謝しかないが、子どもに向ける笑顔の
一部を私にも向けて欲しいと願ってしまった。
「ココおすすめですよ。あの時の
トールは、生まれたままの可愛い姿で
本当に生まれたばかりの子羊の様に、
ワラのベットに埋もれ、私の愛に
すごく乱れながら喜んでくれました。」
ルークは、長々とトールとの
たわむれを聞き流しながら場所と周辺の
様子などが細かく書いてくれた。
スケジュールを調整しとれた時間は1日。
1日もとれただけでも、ありがたかったが
ルークが話を通したのか
オリヴァーも協力してくれたのだった。
騎士団との合同で近場での
遠征練習と護衛の練習と称して
2日間の猶予。馬車で2刻(約4時間)
徒歩で半刻(1時間)の行程。
近場だが、なんでもその湖を
恋人や婚姻した者が2人で見ると
末永く幸せになるそうだ。
いかにもルークとトールが好きそうな
謳い文句付きの場所だ。
普段ならスルーしてしまうような事だか
私たちも、もっと……。
自分がいかに狭量(きょうりょう)か
思いしらされた。
ずっとアンジュ中に挿れたまま離したくないし
仕事などせず、私の部屋に閉じ込め
誰の目にも触れさせたくない。
生まれたままの姿でベットに縛り付けたい。
可哀想ではあるが、少々私が頑張れば
アンジュはベットから出れずにいた。
私の手から逃れられないと知って欲しい。
逃げないで欲しい。
だが、それも長く続かなかった。
リアンジュは、両性具有。
"神の御使(みつか)い"や"神の代行者"
かなりの昔は無駄に崇められ
あらゆる魔法や現在失わられた。
閉じ込められたからこその弊害。
気の病。足腰の筋力低下。
両生具有は短命だったが
古代魔法も使えたと記された
両生具有についての書物もある。
だからリアンジュもまだ私が知らない
何か持っているかもと不安でたまらない。
もし、失わられた古代魔法のひとつ
転移魔法など使われたら、私は
捨てられてしまう。
2人の子宝に恵まれたが、抱けば抱くほど
不安になり、杭を何度も打ち付けても
不安は消えなかった。
いつしか、回復魔法をかけいつもなら
ベットにいる時間に、ドレスを着て
キッチンに立っていた。
ドレスを脱がして、恥ずかしさで
どこにも行けないようにしたい、
愚かな思いがよぎった。
***
新婚旅行に出かけたが、未だに
会話が続かなかった。
モヤモヤしたままだった。
そんな時、村長の息子が湖の館まで
案内してくれることになった。
私の腕の中にいる"アンジュ"は
子どもを2人も産んだのに。
体型は細いままで、胸は大きくなり
女体化が進んだ。性別は関係ないが
ますます愛しくなった。
そんな愛しく思う"アンジュ"が
他の男、村長の息子に笑顔を向けたのだった。
私の中の何かが弾けた。
ドロドロとした何か……。
これ以上、村長の息子と"アンジュ"を
同じ空間にいさせたくなかった。
"アンジュ"君はもう私の妻なんだよ。
他の男を好きになったとしても
私の妻なんだから、一緒にはなれないんだ。
私と政略結婚したんだから。私の……。
「私のものだ。他には触れさせない。」
「!!!」
「一層のこと、閉じ込めたい。誰の目にも
触れさせたくない。」
私の気持ちを言葉に出来た。
言葉を出したが、気持ちがおさまるどこらか
私の醜い内面がさらに出そうになっていた。
私の腕の中に"アンジュ"を閉じ込めながら
無理にでも繋がる事しか思い浮かばなかった。
逃がさない。たてなくなるまで抱き潰して
私のそばにずっと居させよう。
そう思っていた時、"アンジュ"は
私を指さししながらまっすぐ目を見てきた。
目があっただけでも私自身喜んでいたら
"アンジュ"が私に更なるうれしい言葉をくれた。
「ディ、ディオ様。ディオ様が
オ(オレって言いそうだったヤバイヤバイ)
お、男らしくて、かっこよくて
たくましくて、冷たく見える鋭い目も
キラキラしたどんな宝石よりもきれいだし、
あとは、髪、長い髪の毛なのに、
枝毛も見つからなくてムカつく…じゃない、
え~とキラキラ、サラサラで手触りが、イイ
髪の毛も好きだし、しつこくて
ねちっこくて長いキスや、さわられるのも
気持ち良すぎて、挿れられたら
抜かずの3発は当たり前だし、絶倫だし
気持ち良すぎて、体力ないから
気絶するのはいつも……(オレだけ)。
今日だって、ここに来る目的も
いつ着くのかとか、気持ち良いことされたのに
肝心なモノ挿れてくれないし、
なんか悪いことしたのか?とか不安だし、
男がどうのこうのとか、言葉たりないし、
不安だし、こわいし、なんで、
怒ってるのかわかんないし、
ディオ様が好きなのに恥ずかしくて
素直に言えないし、嫌いな人と
エッチな事するわけないのに
ディオ様わかってくれないし、
好きなのになんかムカつくし、
やられたら気持ち良いし、
なんも言えないし、今日、1回もココに
挿れてくんないし、腹立つしムカつく!!」
"アンジュ"が私を好き?!
枝毛?私はしつこくて、ねちっこいのか……。
しかも、言われた事のない褒め言葉に
愛しいリアンジュに言われ舞い上がった。
えっち?好きなのにむかつく、
私が、アンジュに最後までしなかったから
腹を立てムカついてくれたのか?
私との行為に気持ちよくなってくれているんだ。
初夜には、1番キツイ媚薬入りのオイルが
用意されていた。
周りからも私たちは仲の良い夫婦には
見えなかったのだろう。義務としての
初夜の為に、媚薬で気持ちよくさせ
子種を吐き出す儀式をしなければいけなかった。
最高級の効果の高い媚薬オイル……。
私は君の事好ましく思っている。
好きだから、媚薬入りのオイルを
使わず君との行為を感じたかったんだ。
私は"アンジュ"を愛してる。
"アンジュ"は私を好き。
「愛してる。」
アンジュの耳元でささやいた。
丸太小屋で、ワラの束にシーツをかぶせただけの
粗末なベットに寝たいと、アンジュが言った。
ある程度、ルークとトールから
アドバイスをもらっていたので
遠征とは違う食事スタイル、なんでも
キズナが生まれるそうだ。
バーベキューと言う調理法。
騎士団が、外で準備していたのか
食べれる魔物肉を大量にさばき串に刺していた。
そういえば、以前出かけた時
串焼きのお肉にかぶりついていた。
アレには正直なところ、かなり驚いた。
しかし、今回のバーベキューでも
そうした方が美味しいと聞いていた。
大きな肉は切ってあげようと思い
ナイフを持っていたが、
「このまま食べたいです。」
と可愛くお願いされた。
2人でかぶりついた串焼きの食事法は
マナーなど皆無だったが、
今まで食べた中で楽しくて、そして、
"幸せ"という言葉がなんとなくわかった気がした。
食事が終わり、夜も深まった頃
湖に出かけた。
今夜は満月だった。
湖に満月が映り込み2つの月の光が
真夜中の暗闇を照らしていた。
しばらく無言で見つめていた。
ふわぁ。
何が起きているのかわからなかった。
一斉に白い大きな花が咲き乱れ
花の蜜を吸うた為なのか、どこともなく
現れた飛ぶ虫たちに月の光があたり
幻想的な景色が目の前に広がった。
「みんなで、幸せになろう。」
「はい。」
「また、休みがとれたら今回のような
新婚旅行に行こう。」
「はっ、えっ?……はい?」
なぜか驚いている"アンジュ"に
たくさんの口づけをした。
可愛い、愛しい、私の"アンジュ"
君との距離をこれからもっと
無くしたいと思っている。
愛してる、永遠に。
番外編 終
その後、ハネムーンベビーが……
とか色々、仲睦まじい夫婦になっていく
2人ですが、今回の番外編、どうだったでしょうか?
作者のつたいない物語を読んでいただき
誠にありがとうございます。
1文字も書けない時期もありましたが
なんとか完結作品が出来ました。
男女の恋愛を書いたつもりが、いつのまにか
作者が好きなBLの作品となりました。
番外編などまた、追加するかもしれませんが、
その時はまた、読んでいただけたら
すごくうれしいです。
ここまで、読んでいただき重ね重ね
お礼申し上げます。ありがとうございます。
皆様に感謝を込めて
みんな皆、幸せになアレ~。
さつき
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