『R18・完結』イベント好きの恋人と××

カヨワイさつき

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経費では落とせません

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「改めてお疲れ様、てぃーてぃ。」
「……。」
「てぃーてぃ?たつみ?」
疲れ切った俺に話しかけてきたのは、同期で企画に勝ち抜いた佐藤 幸平(さとう ゆきひら)。
高校で3年間一緒のクラス。
1クラス35人前後で5クラスもあったのに、なぜか3年も同じクラス。
佐藤と田中だから出席番号も近いわけでもない。
高校時代はそれぞれの友達と遊んでたし、佐藤と一緒に遊びに出かけたり、同じ班行動すらした覚えはない。
それなのに……。
ビジネスホテルでの打ち上げ後、手を引かれるまま移動した。
「ど、どこに?」
受付カウンターから自分の荷物を受け取ろうとしたら、なぜか佐藤が俺の荷物を受け取り、一言二言受付に何かを言うとカードキーを受け取っていた。
「……?」
俺の頭にはハテナマークがたくさん浮かんでいた。
「さぁ行こう。」
いや、だからどこに?
「疲れたぁぁ。」

カチャン
無機質な音。
そこそこの部屋。
いちサラリーマンにとっては、このビジネスホテルは会社の取引きなどでよく使用するとこだけど、そこそこイイお値段のビジネスホテル。
ビジネスホテルだけど、もう普通にホテルって言っていいんじゃないかと素人ながら思ってしまうホテルだ。
お部屋もそれなりだけど、初めて入ったこの"ビジネス"ホテルのお部屋。
んっ?なぜベッドが一つなの?
本来なら男2人ならシングル二つか、ダブルじゃなくてツインを頼むだろう?
予算不足か?
「……。」
俺は佐藤をみた。
んっ?あれ?ホテル、ダブルベット!!
イヤイヤ、なんでコイツと俺はここに泊まらなきゃあかんのや!(関西弁)
思考停止。
腕を引かれるままベッドに半ば倒れ込むように腰を下ろし、無言のままアゴをとらえられると、バカな俺はなぜかそっと目を閉じていた。
なぜ?
うぉぉぉ~と声に出して叫ばなかった俺自身を褒めたい、褒めて遣わそう……。
そのまま柔らかな何かが触れてきた。
う、うん?

コイツのせいで俺は今、舞妓になっていた。
重いカツラと重い豪華な着物に押しつぶされるかのように、ベッドに沈み込む俺とコイツ。
舞妓に変身途中の口紅の筆の感触とは違い、意外にも柔らかなコイツの唇。
佐藤だから砂糖のように甘いわけじゃないが…って、オヤジギャグもどきの事を、頭の中でよくわからないノリツッコミをしていた。
最初は、唇だけを触れ合わせていたが、お互いの感触をじっくりと味わう……ううっ!!
ちゃうやんけぇ~!!(関西弁)
いつのまにか手を押さえられ、舌を口腔(こうくう)中ぬちゃぬちゃとヤラシくからませられていた。
何だか頭がボーっとしてきた。
口の中をまさぐられキスがだんだん深く激しくなっていった。息が続かず、コイツから逃れたがったが、カツラと着物とコイツが重すぎて無理だった。
あまりの息苦しさに首をふり、身体をよじろうとしたが、このアホバカ佐藤はさらに、キツく俺を抱き寄せてきたのだった。
舌は縦横無尽とばかりに口の中で動いていたから、叫びたくても叫べず、代わりに出る声や音はAVの効果音よりは静かだが、やたらとコイツに吸われた気がした。
エロい小説(男女もの)を何冊か読んでいたので、こういう時は鼻呼吸だ。
鼻からすっすっすぅぅー、そしてまた鼻からふっふっふぅぅー、それを繰り返した。
ふと俺はスになった。
俺、何でコイツにキスされてるのかと。
女子社員の一部が好きそうだ。
腐女子→貴腐人→汚超腐人→腐ェニックス、こういうことにはとあるランクがあると聞いていたが、どこまでがBLになるんだろうか?
BL談義、社員食堂で聞き耳立てていたら……。
いや、なぜか女子社員3人と俺1人、4人で昼ごはんを食べていた。そしたら、いつのまにか堂々と同性愛について語り合っていた。
同性愛についてどう思うかと言う内容に、俺は断然女性が好きで恋愛して愛し合う行為は、もちろん男女であり…男同士のゴニョゴニョは、色々思うとこもあったが嫌われたくないし偏見や差別とかとかとか…ほら、色々考えた結果
「好きになった相手が好きなんだから性別って関係あるもんなの?」って言ったら、俺の言葉にさらに喜んでいた仕事仲間たち。
その時、佐藤も聞いていたのは知らなかった。

しゅるしゅるしゅるしゅるしゅる←脱がされてます
じゅぷ、ジュルル←ご想像にお任せします
「あぁ、うぅっ……。」
するするするするするするするする←もう…う腐腐腐
ふわっと身体が浮いた気がした。
いやいや物理的に浮くはずがない。
犯人はおまえだ!!
佐藤が俺の身体を立ち上げ、紐やら帯やを手慣れているのか俺の身体から解き放していた。
呼吸困難が少し治ってきた。
思わず深いため息をついてしまった。
そっかコイツは、俺の着物を脱がしてくれているのかぁ。はあぁぁ、疲れたし、舞妓用の化粧してるからってストローで飲み物飲んでたからなぁ。
ぐぅぅぅ、ぎゅるるるるるるる
お腹の音が響いた。
お互いの動きが止まった。

俺はなぜか介助されながら、ベッドからゆっくり立ち上がっていた。
「そういえば、てぃーてぃーほとんど食べれてなかったよね。」
「ああ。」
だから、同期たちの自腹で俺の超高級なお持ち帰り、お高いお弁当を買って貰ったのだ。
打ち上げの食事、俺だけ拷問器具のような衣装とカツラをつけられ締め付けられていたから、ほとんど食べれなかったのだ。俺は頑張ったはずだし、悪ノリした奴らに俺のお弁当代を出してもらっただけ。だからといって、個人的な物だったし、経費で落とす訳にはいかないし……ゴニョゴニョ。
はっ!!!
「佐藤!!ここの部屋代は経費で落とせないぞ!!」
鳩が豆鉄砲を食らったような表情のあと、ぷふっと笑った。
「もちろん、記念する日にそんなケチくさい事しないよ。俺がちゃんと払ってるから、安心して任してね。」
ホッとした俺のお財布の中身はほどほどの寂しい額しか入ってない。
一応クレジットカードはあるが、現金にこにこ払いが好きだからちょっと不安だった。

「それにしても赤い肌襦袢ってお店の人もサービス精神ありありだね。煽(あお)られてヤバい。」

腹が減りすぎてる俺は、超高級なお弁当をゆっくり味わっていた。
佐藤は何かぶつくさ呟いていたが、ホテルの備品を確認したりポットでお湯を沸かしたりしていた。
チラチラ視線を感じたが、煮物もお造りも素晴らしく美味しい。天ぷらも最高。さすがホテルの高級弁当、米つぶ一粒すら残さず綺麗に食べ切った。
ご馳走様でした。ホントすんごい美味しかった。
満足満足。
すっ、と俺好みの濃いお茶を出してくれた佐藤。
「おっ、サンキュ。美味かった。」
「そ、そっか…良かった。」
ごくっ。
んっ?お弁当は綺麗さっぱりないし、お腹すいたからってもう食べるものないぞ?
「佐藤?もう食べる(ものないぞぉぉ!!)」
最後まで言えず、近づいてきた佐藤の言葉に俺はまた無意識に目を閉じてしまった。

何でじゃぁぁぁ~。
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