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17、第二夫人のチェリカ様
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第二夫人チェリカは毎日苛立ちを隠せなかった。
小さな頃から一見、何の不自由もない
"お嬢様"として育てられた。
爵位は侯爵の長女として生まれたチェリカ。
万年新婚のような両親。
侯爵家にしては政略ではなく
恋愛結婚だった。
チェリカの母は"特別"だった。
特別な母から産まれた初の女児の私も
特別だったわ。私の母は、
侯爵家に長年仕えている家令の養女だった。
その昔、前侯爵様とその当時
執事見習いだった現家令(義お爺様)の彼は
とある地方に視察に行った時、
人身売買の組織を一つ潰したのだった。
攫われた人や子どものほとんどは
親元や元の村や町に戻り、
戻れない者は領地の教会
(孤児院をかねている。)に預けたのだった。
見習いだった執事に抱っこされ
安心している赤子(母)。
他の者が抱っこしたりするとすぐに泣いていた。
泣き続けるままに、仕方なく
孤児院に預けたのだった。
だが一晩たった翌日、教会から
侯爵家に連絡が入った。
"助けて欲しい"と。
赤子は不思議な事に、一晩中
声が枯れるまで声を張り上げ
泣いていたそうだ。
ミルクも全く飲まなかったそうだ。
声が出なくなってからは
涙を流れるまま泣いていたそうだ。
執事見習いの彼は声を出さず泣く
不思議な赤子を抱き上げると
ピタリと泣き止み、にっこり笑ったあと
安定した呼吸をしながら眠ったのだった。
それを見た教会の者と前侯爵様は
その赤子を育てる事を執事見習いに
勧めたのだった。
もちろん前侯爵様のバックアップや
フォローも手厚く、執事見習いの傍ら
子育てに勤しんだらしい。
侯爵の長男として生まれた父は
その当時3歳、不思議な赤子である
母は生まれて間もないころだった。
やがて2人は成長し、執事見習いだった彼
(チェリカの母の養父)は執事になった。
すくすく成長した父は成人前
チェリカの母に求婚したのだった。
やがて2人は恋愛結婚をし、
たくさんの子宝に恵まれたのだった。
母は"特別"なのだ。
黒目黒髪だったその母に顔だけは
そっくりな美人の私も"特別"。
髪の色と眼は父親似だった。
チェリカには兄が5人いた。
そして6番目の末っ子だった。
念願の女児で色は違うが母親似の
美しいチェリカに侯爵家の皆は夢中になった。
小さな頃から両親はもちろん
兄までチェリカを甘やかしたのだった。
外に嫁に出す気はなかった。
侯爵家はチェリカを外に出さないまま
半ば軟禁状態で育てていた。
社交会にもデビューする事なく
深層の令嬢として育てられたのだった。
チェリカの楽しみといえば、
兄の体験談、学校、冒険や領地の話
家庭教師の外の世界の話などだった。
"侯爵の領地に美しい深層の令嬢がいる。"
兄たちも家庭教師もチェリカの事が
可愛かった。
どこに行こうともチェリカが可愛いとか
美しく優しい妹の自慢を無意識に
していたのだった。
貪欲な王は、そんなチェリカに
目をつけたのだった。
身分の高い王に逆らえず、
チェリカは強制的に、第二夫人として
無理矢理嫁がされたのだった。
すでにマリーチェ王妃がいたのに……。
私が2番手?
王妃はマリーチェ。
2番目の自分はチェリカ。
名前も似ているからか、王に
無理矢理されていた時、
名前を間違えられたのだった。
"特別"な私の名前を間違えた
愚かな王は私の身体どころか
心まで犯したのだった。
許せない!
負けず嫌いでプライドが高い
チェリカは行き場のない感情を
発散させる事は出来なかったのだ。
性癖酷い王に心身共に乱暴され、
何も知らなかったチェリカは
数日間ベッドの住人となり
やがて懐妊したのだった。
初の懐妊に城はお祝いムードになった。
お祝いムードとは別にチェリカの
心は冷たくなっていた。
壊れかけたのかもしれない……。
チェリカの妊娠中に第3、第4の妻をむかえた王。
毎日異なる者と交わる王に愛情すらわかなかった。
顔もわからない王の妻たち。
王妃の名前だけは知る機会も多く
身体がか弱い国思いの賢姫マリーチェ王妃。
儚げな美しいマリーチェ王妃。
子どもが授からないからという理由で
自分が犠牲になったんだと
思うようになってしまった2番目のチェリカ。
名前まで間違えられた2番目……。
プライドはズダズダだった。
チェリカの身分だけはさらに高くなり
外への憧れも今まで以上に強くなった。
逃げ出したい。
ここでは私は"1番の特別"にはなれない。
現実逃避をし外の事への興味は
ますます募りっていった。
王城内の事から目を背けるように
外への勉強し、寝食を忘れるくらい
うちこんでいったのだ。
壊れかけの精神の穴埋めのように
知識欲を満たそうとしたチェリカ。
自分に振り当てられる王族としての
民の血税で痩せた安い土地を少しずつ買い
"不毛の地"を増やしていったのだった。
思い通りにならない身体
指先と口だけで自分の言葉に
動いてくれる者がいることに
いつしか慣れてしまった。
自分の逃げる場所として、
民が痛めつけられず幸せに暮らせる
場所を作り続けた。
王都から離れた海の側に
人を王には秘密裏に、侯爵家を
利用しながら少しずつ開発したのだった。
気高く王族は王位継承権2位と4位。
第三夫人の子は3位。
最初に産んだのが私なのに
王妃は"特別"。
ここでは、私は"特別"にはなれない。
王妃の子は3番目にうまれた第三王子だが
王位継承権は1位。
クロード・アッベツ・ルーモイ。
王妃に似た美しい顔立ちに高身長。
鍛えられた身体は筋肉質で
バランスがいい身体だった。
心変わりしやすい王は身体を動かすのは
ベッドや自分がいたしたい時に
男女構わずするケダモノだった。
お手付きの者は基本城に閉じ込められる。
秘密を守るために。
王のオシモは緩く、醜く肥えた
身体のお肉を揺らしながら
お風呂係の者で慰めたり
目についた城の者を食いものにしていた。
酷いものは精神をやられ
特殊な性癖を持つ王に縛られたまま命を経つ者、
孕まされ悩んだ末お腹の者ともに自害する者……。
もともと女性が少ないこの国は
生き物の数が減り続け、
生き物にとっては長い年月をかけ、
この国は堕落していた。
成人前のクロード王子はちょっとした
揉め事でこの国を見切ったのか
城を出て行った。
身分を問わず力あるものとで
討伐隊と名乗り冒険者をしながら
困っている人を、助けているようだった。
"王妃"も身体が弱いのに
民への救済処置、教会への寄付など
慈善活動を手厚くしていた。
私のやり方で"特別"になろうとした。
この城には王の子やお手つきの者が
多数いた。いや、いすぎたのだ。
離宮には入りきれないほどの
王のお手付きの者。
誰が決めたのかも忘れるくらいの
国の決まりごとのせいで、誰かが
悪役にならなければならなかった。
2人の我が子には隣国で学ばす為
留学させていた。
しばらく帰ってこない様、仕向けた。
堕落した王を見ているからか
我が子たちは好きな者を作る事に
抵抗があるようだった。
親バカながら容姿はそこそこの
自慢におもえる我が息子。
もしかすると私にはわからないように
特定の好意を持つ者はいるのかもしれない。
私に隠している可能性はある。
私は悪役、チェリカ夫人。
我が息子たちも私の振る舞う行為には
嫌気が差しているだろう。
嫌われるのはつらいが
生きていて欲しいから。
あんな者の為に狂って欲しくない。
生きていて欲しい。
今日も弱い者がまた王の慰み者になっていた。
一年前に子を産んだばかりの者。
赤子に乳をやっているところを
また、王に襲われたそうだ。
お手付きの者には基本、乳母は付かない。
子を産んだら自分で育てるしかない。
一晩中の無残な行為をされたのか
全身には多数のアザや酷い鬱血
血は流れ多数の怪我があった。
王は既に違う場所で"お寛ぎに"なっていた。
痛めつけられた身体をにらみつきながら
私は演技した。
私は悪役のチェリカ夫人だからと。
傷ついた者にこっそり回復薬を飲ませ
私兵に命じた。
「忌々しいわね。その程度の身体で
あの人をくわえこんだのかしら?」
「お、お許しください。チェリカ様。」
「うるさい。この私に口答えするつもり。」
「ち、ちがいます。お許しくださいませ。」
「はぁ?許すも何もあなたみたいな人が
ここにいるのが間違いよ。あなたに
ピッタリのいい場所があるわよ。
連れて行きなさい。」
絶望を含んだ目。
周りは誰も助けない。
皆、生きるのに必死だから。
「あなたの周りの者も目障りよ。
一緒にここから消えてくれないかしら。
そうそう、その場所は年中潮風が吹き荒れ
畑に作物は実らない不毛の地よ。
あなた方にはお似合いの場所でしょ。
さぁ、早くお行きなさい。」
「……!!」
叫びながら許しを乞い、涙を流しながら
小さな赤子と数人の者を無理やり
馬車に押し込んだ。
無事に辿り着きますように……。
屈強な私兵を数人付け
馬車を送り出したのだった。
朝の慌ただしい時刻。
人通りの多い場所。
泣き叫ぶ本日のお手付きの者。
高飛車なワタクシ。
ワタクシはまた、有名になったかしら?
暇な王侯貴族たちはまた、私の
悪い噂を王城に流してくれたかしら?
「………。」
寵愛を失いかけの第二夫人チェリカ様は
また、王のお気に入りの者をイジメぬいたのよ!
そして不毛の地、死を待つ地域に
赤子たちとともに送ったのよ。
……これで満足かしら?
私は悪役。
私は'特別"。
私は第二夫人だけれど、1番心に残る女なのよ!
私の名はチェリカ・ギーゼ・ルーモイ。
私は"チェリカ夫人"としての知名度は1番よ!
***チェリカ夫人のイメージ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
お名前使っていいよっと申し出て下さった
ちぇ◯○ー様、りか○様
ありがとうございます。
しかも"悪役でも"いいよ!っと
言って下さった、大変、奇特…ゴホッ、
たいへん、変な…ゴホッゴホッゴホッ。
失礼しました。
たいへん貴重なお方、2人の名前を
合わせて"チェリカ"にしました。
王族の2番目の妃です。
1番目はマリーチェ・キチ・ルーモイ王妃。
2番目以降は側室扱いの世界です。
ロクデモナシの王の妻役です。
あまりにもひどい役だと
気がひけたので、こんな感じの
第2夫人にしました。
悪役の王の名前は、まだありません。
だから、その王に一気に悪いのを
ぶつけようかと思います。
また、アーク・ヤークにしようかな?
まだ少し先ですが、後半"ざまぁ"
予定です。
ここまで読んでいただき
ありがとうございます。
貴重なお名前、ありがとうございました。
すごく感謝します。
小さな頃から一見、何の不自由もない
"お嬢様"として育てられた。
爵位は侯爵の長女として生まれたチェリカ。
万年新婚のような両親。
侯爵家にしては政略ではなく
恋愛結婚だった。
チェリカの母は"特別"だった。
特別な母から産まれた初の女児の私も
特別だったわ。私の母は、
侯爵家に長年仕えている家令の養女だった。
その昔、前侯爵様とその当時
執事見習いだった現家令(義お爺様)の彼は
とある地方に視察に行った時、
人身売買の組織を一つ潰したのだった。
攫われた人や子どものほとんどは
親元や元の村や町に戻り、
戻れない者は領地の教会
(孤児院をかねている。)に預けたのだった。
見習いだった執事に抱っこされ
安心している赤子(母)。
他の者が抱っこしたりするとすぐに泣いていた。
泣き続けるままに、仕方なく
孤児院に預けたのだった。
だが一晩たった翌日、教会から
侯爵家に連絡が入った。
"助けて欲しい"と。
赤子は不思議な事に、一晩中
声が枯れるまで声を張り上げ
泣いていたそうだ。
ミルクも全く飲まなかったそうだ。
声が出なくなってからは
涙を流れるまま泣いていたそうだ。
執事見習いの彼は声を出さず泣く
不思議な赤子を抱き上げると
ピタリと泣き止み、にっこり笑ったあと
安定した呼吸をしながら眠ったのだった。
それを見た教会の者と前侯爵様は
その赤子を育てる事を執事見習いに
勧めたのだった。
もちろん前侯爵様のバックアップや
フォローも手厚く、執事見習いの傍ら
子育てに勤しんだらしい。
侯爵の長男として生まれた父は
その当時3歳、不思議な赤子である
母は生まれて間もないころだった。
やがて2人は成長し、執事見習いだった彼
(チェリカの母の養父)は執事になった。
すくすく成長した父は成人前
チェリカの母に求婚したのだった。
やがて2人は恋愛結婚をし、
たくさんの子宝に恵まれたのだった。
母は"特別"なのだ。
黒目黒髪だったその母に顔だけは
そっくりな美人の私も"特別"。
髪の色と眼は父親似だった。
チェリカには兄が5人いた。
そして6番目の末っ子だった。
念願の女児で色は違うが母親似の
美しいチェリカに侯爵家の皆は夢中になった。
小さな頃から両親はもちろん
兄までチェリカを甘やかしたのだった。
外に嫁に出す気はなかった。
侯爵家はチェリカを外に出さないまま
半ば軟禁状態で育てていた。
社交会にもデビューする事なく
深層の令嬢として育てられたのだった。
チェリカの楽しみといえば、
兄の体験談、学校、冒険や領地の話
家庭教師の外の世界の話などだった。
"侯爵の領地に美しい深層の令嬢がいる。"
兄たちも家庭教師もチェリカの事が
可愛かった。
どこに行こうともチェリカが可愛いとか
美しく優しい妹の自慢を無意識に
していたのだった。
貪欲な王は、そんなチェリカに
目をつけたのだった。
身分の高い王に逆らえず、
チェリカは強制的に、第二夫人として
無理矢理嫁がされたのだった。
すでにマリーチェ王妃がいたのに……。
私が2番手?
王妃はマリーチェ。
2番目の自分はチェリカ。
名前も似ているからか、王に
無理矢理されていた時、
名前を間違えられたのだった。
"特別"な私の名前を間違えた
愚かな王は私の身体どころか
心まで犯したのだった。
許せない!
負けず嫌いでプライドが高い
チェリカは行き場のない感情を
発散させる事は出来なかったのだ。
性癖酷い王に心身共に乱暴され、
何も知らなかったチェリカは
数日間ベッドの住人となり
やがて懐妊したのだった。
初の懐妊に城はお祝いムードになった。
お祝いムードとは別にチェリカの
心は冷たくなっていた。
壊れかけたのかもしれない……。
チェリカの妊娠中に第3、第4の妻をむかえた王。
毎日異なる者と交わる王に愛情すらわかなかった。
顔もわからない王の妻たち。
王妃の名前だけは知る機会も多く
身体がか弱い国思いの賢姫マリーチェ王妃。
儚げな美しいマリーチェ王妃。
子どもが授からないからという理由で
自分が犠牲になったんだと
思うようになってしまった2番目のチェリカ。
名前まで間違えられた2番目……。
プライドはズダズダだった。
チェリカの身分だけはさらに高くなり
外への憧れも今まで以上に強くなった。
逃げ出したい。
ここでは私は"1番の特別"にはなれない。
現実逃避をし外の事への興味は
ますます募りっていった。
王城内の事から目を背けるように
外への勉強し、寝食を忘れるくらい
うちこんでいったのだ。
壊れかけの精神の穴埋めのように
知識欲を満たそうとしたチェリカ。
自分に振り当てられる王族としての
民の血税で痩せた安い土地を少しずつ買い
"不毛の地"を増やしていったのだった。
思い通りにならない身体
指先と口だけで自分の言葉に
動いてくれる者がいることに
いつしか慣れてしまった。
自分の逃げる場所として、
民が痛めつけられず幸せに暮らせる
場所を作り続けた。
王都から離れた海の側に
人を王には秘密裏に、侯爵家を
利用しながら少しずつ開発したのだった。
気高く王族は王位継承権2位と4位。
第三夫人の子は3位。
最初に産んだのが私なのに
王妃は"特別"。
ここでは、私は"特別"にはなれない。
王妃の子は3番目にうまれた第三王子だが
王位継承権は1位。
クロード・アッベツ・ルーモイ。
王妃に似た美しい顔立ちに高身長。
鍛えられた身体は筋肉質で
バランスがいい身体だった。
心変わりしやすい王は身体を動かすのは
ベッドや自分がいたしたい時に
男女構わずするケダモノだった。
お手付きの者は基本城に閉じ込められる。
秘密を守るために。
王のオシモは緩く、醜く肥えた
身体のお肉を揺らしながら
お風呂係の者で慰めたり
目についた城の者を食いものにしていた。
酷いものは精神をやられ
特殊な性癖を持つ王に縛られたまま命を経つ者、
孕まされ悩んだ末お腹の者ともに自害する者……。
もともと女性が少ないこの国は
生き物の数が減り続け、
生き物にとっては長い年月をかけ、
この国は堕落していた。
成人前のクロード王子はちょっとした
揉め事でこの国を見切ったのか
城を出て行った。
身分を問わず力あるものとで
討伐隊と名乗り冒険者をしながら
困っている人を、助けているようだった。
"王妃"も身体が弱いのに
民への救済処置、教会への寄付など
慈善活動を手厚くしていた。
私のやり方で"特別"になろうとした。
この城には王の子やお手つきの者が
多数いた。いや、いすぎたのだ。
離宮には入りきれないほどの
王のお手付きの者。
誰が決めたのかも忘れるくらいの
国の決まりごとのせいで、誰かが
悪役にならなければならなかった。
2人の我が子には隣国で学ばす為
留学させていた。
しばらく帰ってこない様、仕向けた。
堕落した王を見ているからか
我が子たちは好きな者を作る事に
抵抗があるようだった。
親バカながら容姿はそこそこの
自慢におもえる我が息子。
もしかすると私にはわからないように
特定の好意を持つ者はいるのかもしれない。
私に隠している可能性はある。
私は悪役、チェリカ夫人。
我が息子たちも私の振る舞う行為には
嫌気が差しているだろう。
嫌われるのはつらいが
生きていて欲しいから。
あんな者の為に狂って欲しくない。
生きていて欲しい。
今日も弱い者がまた王の慰み者になっていた。
一年前に子を産んだばかりの者。
赤子に乳をやっているところを
また、王に襲われたそうだ。
お手付きの者には基本、乳母は付かない。
子を産んだら自分で育てるしかない。
一晩中の無残な行為をされたのか
全身には多数のアザや酷い鬱血
血は流れ多数の怪我があった。
王は既に違う場所で"お寛ぎに"なっていた。
痛めつけられた身体をにらみつきながら
私は演技した。
私は悪役のチェリカ夫人だからと。
傷ついた者にこっそり回復薬を飲ませ
私兵に命じた。
「忌々しいわね。その程度の身体で
あの人をくわえこんだのかしら?」
「お、お許しください。チェリカ様。」
「うるさい。この私に口答えするつもり。」
「ち、ちがいます。お許しくださいませ。」
「はぁ?許すも何もあなたみたいな人が
ここにいるのが間違いよ。あなたに
ピッタリのいい場所があるわよ。
連れて行きなさい。」
絶望を含んだ目。
周りは誰も助けない。
皆、生きるのに必死だから。
「あなたの周りの者も目障りよ。
一緒にここから消えてくれないかしら。
そうそう、その場所は年中潮風が吹き荒れ
畑に作物は実らない不毛の地よ。
あなた方にはお似合いの場所でしょ。
さぁ、早くお行きなさい。」
「……!!」
叫びながら許しを乞い、涙を流しながら
小さな赤子と数人の者を無理やり
馬車に押し込んだ。
無事に辿り着きますように……。
屈強な私兵を数人付け
馬車を送り出したのだった。
朝の慌ただしい時刻。
人通りの多い場所。
泣き叫ぶ本日のお手付きの者。
高飛車なワタクシ。
ワタクシはまた、有名になったかしら?
暇な王侯貴族たちはまた、私の
悪い噂を王城に流してくれたかしら?
「………。」
寵愛を失いかけの第二夫人チェリカ様は
また、王のお気に入りの者をイジメぬいたのよ!
そして不毛の地、死を待つ地域に
赤子たちとともに送ったのよ。
……これで満足かしら?
私は悪役。
私は'特別"。
私は第二夫人だけれど、1番心に残る女なのよ!
私の名はチェリカ・ギーゼ・ルーモイ。
私は"チェリカ夫人"としての知名度は1番よ!
***チェリカ夫人のイメージ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
お名前使っていいよっと申し出て下さった
ちぇ◯○ー様、りか○様
ありがとうございます。
しかも"悪役でも"いいよ!っと
言って下さった、大変、奇特…ゴホッ、
たいへん、変な…ゴホッゴホッゴホッ。
失礼しました。
たいへん貴重なお方、2人の名前を
合わせて"チェリカ"にしました。
王族の2番目の妃です。
1番目はマリーチェ・キチ・ルーモイ王妃。
2番目以降は側室扱いの世界です。
ロクデモナシの王の妻役です。
あまりにもひどい役だと
気がひけたので、こんな感じの
第2夫人にしました。
悪役の王の名前は、まだありません。
だから、その王に一気に悪いのを
ぶつけようかと思います。
また、アーク・ヤークにしようかな?
まだ少し先ですが、後半"ざまぁ"
予定です。
ここまで読んでいただき
ありがとうございます。
貴重なお名前、ありがとうございました。
すごく感謝します。
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