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第27話 療養

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また、手を付けてないつもりか?
なんで、食べてくれないんだ?
起き上がる気力も、ないのに、
食べ物を無理やり口に、入れても、
吐き出してしまう。
食べさせようとしたら、手で口を
塞いだり、拒否される。
水も飲まない。
「頼むから、飲んでくれ。」
少女は、遠くを見つめるか、
眠ってるかの、どちらかだった。

「話は聞こえてるのか?なぜ、
死にたいんだ?」
やはり、返事はなく、身じろぎ
ひとつしなかった。
「生きてくれ。」
心配で、たまに、呼吸が、
あるのかどうか、確かめなくては
いけないくらいだった。

「女性の身で、身代わりを
頼んでしまったのは、
すまなかった。」
「食べ物にも、水も何も、
入ってない。お願いだから、
何か、口に入れてくれ。」

最初は、病気に見せかける為、
わざと、睡眠薬を飲ませたが、
まさか、本当に食べるのを
拒否するとは、思わなかった。
すまない。
「死なせたくはないんだ。だから、
お願いだから、食べてくれ。」

「色々な敵から、君を、リマーユを
助けたかったんだ。
目をそらして欲しかったんだ。」
このままでは、本当に、
ダメになってしまう。
治療法は、他にないのか?
早く調べないと、間に合わない。
「お願いだ。生きてくれ。」

チマリ目線

誰か何か、話してるの?
話しかけられてるの?
なんだか眠い。
さっきまで、お父さんと
お母さんと、話してたのに
もうさみしい。
また、早くあいたいなぁ。
「泣かすつもりは、なかったんだ。」
涙を流してるのは、私?
あなた?
これは、誰だろ?
優しく、涙を拭かれると、
目を閉じ寝てしまいました。
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