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第6話 第2王子の日常

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朝起きると、音もなく、メイドさんが
いました。
1人だと思ったら、部屋の隅に、椅子に
座り腰掛けていたようでした。
寝ずの番?
頭を下げられました。
水が入った銀のボールをもつメイドさん。
ふかふかのタオルを手に持った
メイドさんと、私の髪をもつ、
メイドさん。もしかして、
この状態で、顔を洗うの?
「一人で、出来ますので、あのー、
すみませんが、大丈夫です。」
声を低めに出し、第2王子の
リマーニ様を、演技中です。

メイドさん、3人はポッと、顔が
あかくなりました。
あっ。怒らせてしまったかな?
「気分を、害したらごめんなさい。
一人で大丈夫ですし。見られながら
洗うのは、恥ずかしいです。」
さらに、メイドさん達の、顔が
赤くなりました。

また、やってしまった。
私が話しかけると、たいがい、嫌な
顔されたり、さっきの様に、
顔を赤くし、黙りながら怒らせて
しまっていました。
悲しい。なんだか、泣きそう。
顔を素早く洗って、メイドさんに、
負担かけないように、しよう。
パシャパシャ。

あっ。慣れないから、パジャマが、
濡れてしまった。
メイドさんの、目が、キラーンって
効果音が入りそうくらい、
睨まれました。

高級なパジャマなのに、濡れて、
汚したから、また、やってしまった。
「ごめんなさい。」
下を向いていたら、着替えの服を
持ってきたメイドさんに、服を
脱がされかけました。

必死に逃げ、着替えを持って、
隠れれそうな所を探したけど、
見つからず、広すぎるクローゼット
の扉を開き、着替えました。
いくらまな板でも、着替えは、
まずい。バレる。
念のため、サラシを巻いてるけど、
上の着替えだけは、自分でしないとね。
上品なブラウスに、ズボンと、ベスト。
さりげない刺繍が、ベストやズボンの
裾にされていました。
ガチャ

身につけた衣装で、クローゼットから
出ると、ハァー。とか?
口元に、手を当てている、メイドさんも
いました。
出ない方が、よかったかも。
流石に、こーゆー反応が、続くと凹みます。
ガチャ、パタン。

「おお。かわいい我が弟よ。おはよう。
今日も、かわいい我が弟よ。
さあ、おはようのハグだ。
お兄ちゃんの腕の中にさあ、おいで。」
なんだか、大げさだなぁ。
演技しなきゃ、バレるもんね。
はぁー。
小さくため息が、無意識に出ました。

「おはようございます。」
王子様に、なぜか、抱きられました。
「変わりないか?」
小声で、耳元でささやかれてます。
くすぐったい。
「朝起きたら、寝ずの番の、メイドや、
服着替えされそうになり、
なんだかビックリしました。」
私も、メイドさんに、聞こえないように
耳元で話したかったけど、残念ながら
身長差で、届かないので口元を両手で
メガホンのように、囲い、話を
していきました。
王子は、ニコニコ笑顔で話しかけて
くれていました。
なんだか、嬉しいな。

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