7 / 20
第7話
しおりを挟む
ステータス向上の喜びに包まれてしばらくボーっとしていたが、いつまでもそうしているわけにも行かない。
俺はこの世界で後悔のない自由な第二の人生を歩もうと決めていたのだ。
その目標に向かって進まなくてはなるまい。
もう俺は有栖類ではなく、ルイ・アリスなんだ。
ダンジョンコアとの融合最終工程を終えて、ダンジョンを運営する基本的な知識も得ている。
さっそくやるべき事をやろう!
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
……。
何しよう?
えーーーっ、とっ……。
……ムムム……。
……。
おうふっ!
こんなところでマニュアル人間としての弱点が出るとは!
自ら考えても行動にはなかなか移さない!
受身人間の俺の弱点をいきなり付いてくるとは!
この世界もなかなかのハードモードのようだな!
しかしさっきまで世界に対する感じ方が変わったとか、強者の余裕的な感覚とか言っていたが……。
ぜんぜん変わってないな俺!
自分の事ながら赤面するほど恥ずかしい。
舌の根も乾かぬうちにとは、この事だな。
まあいい。
そんな事よりも今は当面の行動指針の決定だ。
長期目標としては、後悔のない自由な第二の人生。
言ってみれば、幸せで自由な人生って所かな。
しかし、短期の目標は生存か?
嫌に生々しいな……。
その為には、まず情報収集かな?
ここで俺が行なうべき行動は知的生命体との遭遇か?
いや第一異世界人の発見と言うべきか。
それと生活の安全・安心・安定の確保。
安心して寝泊りできる場所……ダンジョン。
いざというとき安全な場所……ダンジョン?
そもそもダンジョンって安全なのか?
考えてもしょうがないか。
他にいく当てもないし、あっても行く気は無い!
なぜならここが俺の城だからだ!
俺、城持ち。
おお、何か誇らしい気分になってくるな。
前世はアパート暮らしだったが、俺もようやく自分の城を手に入れた!
まあそれよりも今は安全の確保が問題なわけだが……。
ダンジョンゆえに敵の侵入は十分考えられる。
むしろ冒険者とかがお宝目当てで来るのは、当然と考えた方がいいだろう。
……って言うより、俺の成長の為には人間おびき寄せて戦わないといけないんだった……。
その問題もどうしようか?
でも『転生の間』で選べる能力に勇者なんてものもあった。
場合によってはそういう能力を持つ存在が、この世界に転生している可能性もある。
生まれたばかりの俺よりも強者がいる事は、考慮すべきだろう。
そんな存在に侵入されたらどうしよう?
なるべく敵対しないように話し合い?
話し合ってくれるか?
それとも対抗すべきか?
仲間を作れば対抗できるだろうか?
どちらにしろ仲間は欲しいが……。
情報が何も無いので考えていても分からない問題だな。
生存に関わる問題もあるから、情報収集は優先事項にしておこう。
生存と言えば、生活の安定として継続した食糧確保も必要だな。
動物は見なかったけど、この島にいるのかな?
たしか森はあったはずだけど、そこに木の実とか無いのかな?
ダンジョンコアに『遠見』のスキルを使えば、領域内である天空島はどこでも映し出せるはずだ。
取り敢えず見るだけ見てみようかな。
『遠見』の使い方は……うん、分かる。
俺とダンジョンコアとの融合最終工程でそのあたりは俺の中にきっちりと刻み込まれているようだ。
初めてのスキル使用。
緊張するけど、ワクワクするものだな。
いつまでも勿体つけるものでもないし、では、さっそく……。
「えっ!」
『遠見』をダンジョンコア越しに発動しようとしたら、急に胸の辺りが光りだした。
スキルを使用する時って胸が光るのか?
あっけに取られていると光が更に強くなる。
「はへっ?」
おもわず呆けた声を出してしまう。
しかしそんな俺の戸惑いなどとは関係なく、光は強くなったり弱くなったりを繰り返す。
しかもこの光がはじまってから、自分が何かに呼ばれているような感覚がして落ち着かない気分になる。
「あっ……」
そこでやっと俺は思い出した。
急いで内ポケットの『眷族の卵』を見る。
そこには予想通り輝く卵が……一つ?
ダンジョンコアに引き付けられた時よりは格段に弱い力ながら、この卵が俺を呼んでいる。
直接触れてくれと呼んでいる。
理屈は分からないが、それがはっきりと分かる。
俺は慎重に、光る『眷属の卵』を手に取る。
すると、卵を持つ手が熱くなり光の輝きが強まる。
と同時に、卵が脈動を始める。
ドクン、ドクンと、命が注がれる。
……いや、待て、何だこれは?
本当に命が、いや魂が注がれているぞ。
俺の中の魂の一部が注ぎ込まれる。
たぶん間違いない。
初めてであっても、献血で自分の血が抜かれている瞬間、何が抜かれているか解らないという者は殆どいないだろう。
まさに今そんな感じだ。
魂の一部が抜かれているのが解る。
それは自分の事ながら、幻想的な光景でもある。
『眷属の卵』へ向かって、虹色に輝く光が注がれていく。
これが俺の魂の一部なのだろう。
ダンジョンコアが最初に見せた虹色より、柔らかく優しい色だ。
元々あった俺の魂とダンジョンコアの虹色に輝く力の混ざった、いまの俺の魂の色……。
そんな俺の魂の力の一部が『眷族の卵』に注がれているのだ……。
しばらくすると、俺から光が向かうのと同時に、卵の側からも真珠色の光が還ってくる。
その瞬間。
俺の中の何かが、卵と繋がった。
……いや、何かではない。
魂が繋がった!
俺の魂の系譜が生まれたんだ。
自分の子供が生まれれば、どの母親だって解るだろう。
恐らくそれと似ている。
いやそれ以上に深く深く感じる。
眷属との繋がりを……。
と同時に、虹色の光がより強く輝き……ゆっくりと収束して行く。
……そしてその光が収まった中心には……頭を下げながら跪く眷属がいた。
俺はこの世界で後悔のない自由な第二の人生を歩もうと決めていたのだ。
その目標に向かって進まなくてはなるまい。
もう俺は有栖類ではなく、ルイ・アリスなんだ。
ダンジョンコアとの融合最終工程を終えて、ダンジョンを運営する基本的な知識も得ている。
さっそくやるべき事をやろう!
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
……。
何しよう?
えーーーっ、とっ……。
……ムムム……。
……。
おうふっ!
こんなところでマニュアル人間としての弱点が出るとは!
自ら考えても行動にはなかなか移さない!
受身人間の俺の弱点をいきなり付いてくるとは!
この世界もなかなかのハードモードのようだな!
しかしさっきまで世界に対する感じ方が変わったとか、強者の余裕的な感覚とか言っていたが……。
ぜんぜん変わってないな俺!
自分の事ながら赤面するほど恥ずかしい。
舌の根も乾かぬうちにとは、この事だな。
まあいい。
そんな事よりも今は当面の行動指針の決定だ。
長期目標としては、後悔のない自由な第二の人生。
言ってみれば、幸せで自由な人生って所かな。
しかし、短期の目標は生存か?
嫌に生々しいな……。
その為には、まず情報収集かな?
ここで俺が行なうべき行動は知的生命体との遭遇か?
いや第一異世界人の発見と言うべきか。
それと生活の安全・安心・安定の確保。
安心して寝泊りできる場所……ダンジョン。
いざというとき安全な場所……ダンジョン?
そもそもダンジョンって安全なのか?
考えてもしょうがないか。
他にいく当てもないし、あっても行く気は無い!
なぜならここが俺の城だからだ!
俺、城持ち。
おお、何か誇らしい気分になってくるな。
前世はアパート暮らしだったが、俺もようやく自分の城を手に入れた!
まあそれよりも今は安全の確保が問題なわけだが……。
ダンジョンゆえに敵の侵入は十分考えられる。
むしろ冒険者とかがお宝目当てで来るのは、当然と考えた方がいいだろう。
……って言うより、俺の成長の為には人間おびき寄せて戦わないといけないんだった……。
その問題もどうしようか?
でも『転生の間』で選べる能力に勇者なんてものもあった。
場合によってはそういう能力を持つ存在が、この世界に転生している可能性もある。
生まれたばかりの俺よりも強者がいる事は、考慮すべきだろう。
そんな存在に侵入されたらどうしよう?
なるべく敵対しないように話し合い?
話し合ってくれるか?
それとも対抗すべきか?
仲間を作れば対抗できるだろうか?
どちらにしろ仲間は欲しいが……。
情報が何も無いので考えていても分からない問題だな。
生存に関わる問題もあるから、情報収集は優先事項にしておこう。
生存と言えば、生活の安定として継続した食糧確保も必要だな。
動物は見なかったけど、この島にいるのかな?
たしか森はあったはずだけど、そこに木の実とか無いのかな?
ダンジョンコアに『遠見』のスキルを使えば、領域内である天空島はどこでも映し出せるはずだ。
取り敢えず見るだけ見てみようかな。
『遠見』の使い方は……うん、分かる。
俺とダンジョンコアとの融合最終工程でそのあたりは俺の中にきっちりと刻み込まれているようだ。
初めてのスキル使用。
緊張するけど、ワクワクするものだな。
いつまでも勿体つけるものでもないし、では、さっそく……。
「えっ!」
『遠見』をダンジョンコア越しに発動しようとしたら、急に胸の辺りが光りだした。
スキルを使用する時って胸が光るのか?
あっけに取られていると光が更に強くなる。
「はへっ?」
おもわず呆けた声を出してしまう。
しかしそんな俺の戸惑いなどとは関係なく、光は強くなったり弱くなったりを繰り返す。
しかもこの光がはじまってから、自分が何かに呼ばれているような感覚がして落ち着かない気分になる。
「あっ……」
そこでやっと俺は思い出した。
急いで内ポケットの『眷族の卵』を見る。
そこには予想通り輝く卵が……一つ?
ダンジョンコアに引き付けられた時よりは格段に弱い力ながら、この卵が俺を呼んでいる。
直接触れてくれと呼んでいる。
理屈は分からないが、それがはっきりと分かる。
俺は慎重に、光る『眷属の卵』を手に取る。
すると、卵を持つ手が熱くなり光の輝きが強まる。
と同時に、卵が脈動を始める。
ドクン、ドクンと、命が注がれる。
……いや、待て、何だこれは?
本当に命が、いや魂が注がれているぞ。
俺の中の魂の一部が注ぎ込まれる。
たぶん間違いない。
初めてであっても、献血で自分の血が抜かれている瞬間、何が抜かれているか解らないという者は殆どいないだろう。
まさに今そんな感じだ。
魂の一部が抜かれているのが解る。
それは自分の事ながら、幻想的な光景でもある。
『眷属の卵』へ向かって、虹色に輝く光が注がれていく。
これが俺の魂の一部なのだろう。
ダンジョンコアが最初に見せた虹色より、柔らかく優しい色だ。
元々あった俺の魂とダンジョンコアの虹色に輝く力の混ざった、いまの俺の魂の色……。
そんな俺の魂の力の一部が『眷族の卵』に注がれているのだ……。
しばらくすると、俺から光が向かうのと同時に、卵の側からも真珠色の光が還ってくる。
その瞬間。
俺の中の何かが、卵と繋がった。
……いや、何かではない。
魂が繋がった!
俺の魂の系譜が生まれたんだ。
自分の子供が生まれれば、どの母親だって解るだろう。
恐らくそれと似ている。
いやそれ以上に深く深く感じる。
眷属との繋がりを……。
と同時に、虹色の光がより強く輝き……ゆっくりと収束して行く。
……そしてその光が収まった中心には……頭を下げながら跪く眷属がいた。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる