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向かう先
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結局調べ終ったのは朝日が顔を出す頃。少し仮眠をとった後、すぐに訓練へと向かうことになった。幸いにも訓練はいつもよりかなり早めに切り上げることができたので資料を資料室に返して、リアちゃんに会う許可を貰いに行こうとカール班長を探していると丁度廊下でカール班長に合った。
「お疲れ様です。カール班長」
「お疲れさん。今から昼か?」
「まあ…あの丁度班長を探しました」
「…急ぎか?」
「…今日中であればいつでも大丈夫ですが…」
「じゃあ昼食べながら聞く。これからリアちゃんの母親の取り調べだろ?食べないとやる気おきねぇぞ」
「…わかりました」
流石カール班長。私の仕事内容を完璧に覚えている。絶対普通ではないことは理解しているのだが最近はもう慣れつつある。
なんせ私の分だけではなく班全員の仕事内容を覚えてるし、たまに別の班の人の仕事内容も把握していることがあるのだから驚きだ。
下手したら本部に在中している騎士の全員分の仕事内容を把握しているのではないかと思ってしまう。
カール班長ならできないと言いきれないからね。なんせ凄腕の先輩達でさえ太刀打ちできない程記憶量が凄いし、班長の中でもトップクラスに記憶力がいいのだから。
食堂につき昼ごはんを持って適当な席につく。いつもより時間が少し早いこともあって混んでいないかったから席をわざわざ探さなくてもいいのは助かった。
「…で?俺を探してたって?」
「…あぁはい。あの、リアちゃんに会う許可をくださらないかと思いまして…リアちゃんに少し伺いたいことがあってですね」
「…何をとかって聞いてもいいか?」
「…経緯も話した方がいいですか?」
「あ~…頼む」
取り敢えず経緯とかをざっと話していく。基本的には昨日カリナンに話したものだからすぐに説明できた。
よくよく考えたらリアちゃんが母親の誕生日を祝いたかったと言っていたというのは班長に伝えていなかったような…ちょっと注意されるか?
そう思っていたけど意外なことに何のおとがめもなかった。
「びっくりしたか?」
「…はい?」
「何の注意もなくて」
「まあ…はい。情報の報告が大事なことは身を持って体験しているからこそ注意はされると思っていたので」
「自分でわかってんならそれでいいんだよ。それにライだってまさかこんなことになるなんて思ってなかっただろ?それなのに詳しく事細かに説明しようとは思わねぇ。しかもあん時は訓練中態々抜けてきてんだから」
「…すみません。以後気を付けます」
「ま、あんま張り切りすぎねぇようにな」
「ありがとうございます」
確かにあの時は訓練を抜け出していたから早めに戻りたい気持ちはあった。まさかそれが裏目になるだなんて思わなかったけど。
「あ、それと午後の取り調べ俺も見学していいか?」
「…カール班長がですか?」
「おう。聞いたところによると全然理由とか吐かないらしいしな。この間とは立場の違う状況で一目見てみてぇし…何より自分の目で見た方が確信も掴みやすいからな」
「…わかりました。担当の人にも伝えておきます」
「頼んだ。まあ俺は見学してるだけだから。基本的に取り調べに対して介入はしないからな」
「了解です」
カール班長が来るのか…まあでも自分の目で見た方が確信が掴めるというのはわかる。百聞は一見に如かずということわざもあるし、結局自分で見るのが一番わかりやすいんだよな。
食べ終わったのでおかわりをするという班長にお先に失礼させてもらって取り調べ担当者のところに行く。基本的に取り調べ担当者が変わることはないから昨日と同じ人の筈だ。
第二班の訓練場に行くと丁度訓練が終わったところらしく、休憩したり談笑したりと自由な雰囲気だった。訓練中にお邪魔することにならなくてよかったと安心しつつ取り調べ担当者を探すと丁度一人で休んでいるところだった。
その先輩を見つけると同時にその先輩もこちらを向く。自分に用があるとわかったのかこちらに向かってくる。
「お疲れ。どうかしたか?こんなところまで来て」
「休憩中すみません。実は…」
カール班長が見学してくることを伝えると驚いた顔をすることなく納得したように頷く先輩。やはり取り調べに班長が見学することはよくあることなのだろうか。
「了解。態々ありがとうね」
「いえ。ではこれで。また後程」
「また後でね」
周りの視線が痛かったのもありそそくさとその場を後にする。
後に聞いた話だと第一班が第二班の方に来るのは珍しかったからだそう。確かに第二班は騎士団の中でも優秀な人が多いから態々第一班の人が手伝いにいったりはしない。むしろ第二班は手伝いに行く方だろう。
しかも私が新人ってこともあり余計にだうな。第二班は確か今年新人は一人も入ってなかった筈だ。異動で入ってきた人はいるだろうけど…新人が珍しかったんだろうな。
さて…やることは終わったのだが少し時間が余ったので少し仮眠を取ることに。途中で眠くなって判断力低下したら元も子もないからね。
仮眠室に行ってタイマーを三十分にセットして横になる。ベットは意外とふわふわしてて目を閉じた数分後には夢の中にいくことができた。
「お疲れ様です。カール班長」
「お疲れさん。今から昼か?」
「まあ…あの丁度班長を探しました」
「…急ぎか?」
「…今日中であればいつでも大丈夫ですが…」
「じゃあ昼食べながら聞く。これからリアちゃんの母親の取り調べだろ?食べないとやる気おきねぇぞ」
「…わかりました」
流石カール班長。私の仕事内容を完璧に覚えている。絶対普通ではないことは理解しているのだが最近はもう慣れつつある。
なんせ私の分だけではなく班全員の仕事内容を覚えてるし、たまに別の班の人の仕事内容も把握していることがあるのだから驚きだ。
下手したら本部に在中している騎士の全員分の仕事内容を把握しているのではないかと思ってしまう。
カール班長ならできないと言いきれないからね。なんせ凄腕の先輩達でさえ太刀打ちできない程記憶量が凄いし、班長の中でもトップクラスに記憶力がいいのだから。
食堂につき昼ごはんを持って適当な席につく。いつもより時間が少し早いこともあって混んでいないかったから席をわざわざ探さなくてもいいのは助かった。
「…で?俺を探してたって?」
「…あぁはい。あの、リアちゃんに会う許可をくださらないかと思いまして…リアちゃんに少し伺いたいことがあってですね」
「…何をとかって聞いてもいいか?」
「…経緯も話した方がいいですか?」
「あ~…頼む」
取り敢えず経緯とかをざっと話していく。基本的には昨日カリナンに話したものだからすぐに説明できた。
よくよく考えたらリアちゃんが母親の誕生日を祝いたかったと言っていたというのは班長に伝えていなかったような…ちょっと注意されるか?
そう思っていたけど意外なことに何のおとがめもなかった。
「びっくりしたか?」
「…はい?」
「何の注意もなくて」
「まあ…はい。情報の報告が大事なことは身を持って体験しているからこそ注意はされると思っていたので」
「自分でわかってんならそれでいいんだよ。それにライだってまさかこんなことになるなんて思ってなかっただろ?それなのに詳しく事細かに説明しようとは思わねぇ。しかもあん時は訓練中態々抜けてきてんだから」
「…すみません。以後気を付けます」
「ま、あんま張り切りすぎねぇようにな」
「ありがとうございます」
確かにあの時は訓練を抜け出していたから早めに戻りたい気持ちはあった。まさかそれが裏目になるだなんて思わなかったけど。
「あ、それと午後の取り調べ俺も見学していいか?」
「…カール班長がですか?」
「おう。聞いたところによると全然理由とか吐かないらしいしな。この間とは立場の違う状況で一目見てみてぇし…何より自分の目で見た方が確信も掴みやすいからな」
「…わかりました。担当の人にも伝えておきます」
「頼んだ。まあ俺は見学してるだけだから。基本的に取り調べに対して介入はしないからな」
「了解です」
カール班長が来るのか…まあでも自分の目で見た方が確信が掴めるというのはわかる。百聞は一見に如かずということわざもあるし、結局自分で見るのが一番わかりやすいんだよな。
食べ終わったのでおかわりをするという班長にお先に失礼させてもらって取り調べ担当者のところに行く。基本的に取り調べ担当者が変わることはないから昨日と同じ人の筈だ。
第二班の訓練場に行くと丁度訓練が終わったところらしく、休憩したり談笑したりと自由な雰囲気だった。訓練中にお邪魔することにならなくてよかったと安心しつつ取り調べ担当者を探すと丁度一人で休んでいるところだった。
その先輩を見つけると同時にその先輩もこちらを向く。自分に用があるとわかったのかこちらに向かってくる。
「お疲れ。どうかしたか?こんなところまで来て」
「休憩中すみません。実は…」
カール班長が見学してくることを伝えると驚いた顔をすることなく納得したように頷く先輩。やはり取り調べに班長が見学することはよくあることなのだろうか。
「了解。態々ありがとうね」
「いえ。ではこれで。また後程」
「また後でね」
周りの視線が痛かったのもありそそくさとその場を後にする。
後に聞いた話だと第一班が第二班の方に来るのは珍しかったからだそう。確かに第二班は騎士団の中でも優秀な人が多いから態々第一班の人が手伝いにいったりはしない。むしろ第二班は手伝いに行く方だろう。
しかも私が新人ってこともあり余計にだうな。第二班は確か今年新人は一人も入ってなかった筈だ。異動で入ってきた人はいるだろうけど…新人が珍しかったんだろうな。
さて…やることは終わったのだが少し時間が余ったので少し仮眠を取ることに。途中で眠くなって判断力低下したら元も子もないからね。
仮眠室に行ってタイマーを三十分にセットして横になる。ベットは意外とふわふわしてて目を閉じた数分後には夢の中にいくことができた。
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