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報告
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「先輩方お疲れ様です」
「お~お疲れ」
「お疲れ。そいつがリーダー?…君はなにやってるの?」
キーカル先輩とガリウス先輩のもとに向かうと、二人は血の付いた武器を布で拭き取ってた。辺りには沢山の山賊達の死体。
二人には全く傷がない。これだけの人数を相手にしておいて流石だなと思っていると、生かしておいたリーダーが目を覚ました。
元々そんなに強く手刀してないとはいえ、結構早く意識を取り戻したみたいだ。
「目、覚めたか?」
「みたいだね。おーい。俺らのことわかる?」
「う…っ!お前らは!離せ!った!」
目覚めたと思ったら暴れるのですぐにうつ伏せになるように取り押さえる。大柄の男で獣人、しかも半獣化しているので力で押し負けそうだったがキーカル先輩が手伝ってくれた。
「すみません。ありがとうございます」
「別に…ただもうちょっと力つけた方がいいかもな。いつまでも半獣化や獣化に頼っては成長できないからな…」
「はい」
ちなみに先程から第六班の騎士(偽物)は黙り。先程命令違反したことを報告されるのではないかとびくびくしているのだろう。
…まあ、本来の騎士だったら誰かが報告するのを待つんじゃなくて自分から報告するんだけどね。そうした方があまり怒られないし。
なんかこうして見ると少し可愛く見えてきたな。
というか、いつまでもこの人とか言ってたら分かりにくいし…そうだな…偽物なのに騎士を名乗るだけの根性はある癖に意外とビビりで端から見たらコントみたいだから、コント君と命名してみるか…ネーミングセンス無さすぎて自分でも驚きだが。
さて、コント君(笑)はビクビク怯えているのだがそれを先輩達が見逃す筈もなく…
「…ところで、報告聞いてもいいか?」
「はい。山賊達を斬り倒しながらも進むと、明らかにオーラが違うテントがあったのでそこに乗り込むとこいつが居ました。半獣化されましたが、なんとか取り押さえた次第です」
「離せや!というかお前!俺のこと庇っただろうが!味方じゃねぇのかよ!」
「?…庇ったってどういうこと?敵襲でもされた?その辺詳しく説明して。というか、君はいつまでそうしてるの?先に君の報告から聞こっかな」
あ~あ…折角温情で見逃してあげようと思ってたのに…
どんまい…命令違反を見逃す程、先輩達は優しくないぞ~
「あ…さ、山賊達を討伐し先輩方の方へ向かったところ、新人と合流しました」
おっと…嘘はよくないよ…
命令違反に加え虚偽報告…罪重ねてどうすんのさ…まあ、元々騎士じゃないコント君にとっては関係ないかもだけどさ…
まじの騎士だったらこの二つを一気にやったってバレた瞬間、軽くて降格重くて退職なんてこともあり得る。
「嘘つけ!お前が殺そうとしたんだろうが!とぼけたって無駄だよ!面覚えてかっらな!」
「ほーう…二人とも…詳しく聞かせてよ…ね?」
「ひえ…」
「ま、こうなるってことは薄々分かってはいましたが…予想外のバレかたです…」
「おい!?秘密にしてくれるんじゃなかったのか!?裏切るのか!?」
「いや…流石に先輩達に聞かれたら素直に答えるしかないでしょう…虚偽報告したらどうなるか分かったもんじゃないですし」
「うるせぇ…さっきの事言ったらただじゃおかねぇ!」
私に突っかかろうとしてくるコント君をガリウス先輩が押さえる。キーカル先輩は山賊のリーダーに馬乗りになりながらも、いつでも武器が使えるよう、警戒体制に入ってる。しかもしれっとリーダーの人、気絶させてるし…
コント君よ…流石の私もこんな先輩達に逆らうのは不可能なのだよ…
「…正直に話しますと実は…」
コント君がリーダーの人を殺そうとしたこと、間一髪で止めれたことなどを順を追って説明する。ちなみにちゃんとコント君の弁護はしておいた。
まあ、私が弁護したところでコント君が命令違反、虚偽報告をしたことには変わりないのだが、
説明している最中、コント君からの殺気がヤバかった。もう笑える程騎士ってこと隠す気なくて逆に誉めたい。
今にも飛び出そうなコント君。ここで一つ揺さぶりを入れる。
「でも、彼も考えがあった筈なんです。でなければ、あんな馬鹿みたいな真似、できる筈ありませんから」
「…お前、さっきから黙っていれば…新人の癖に調子乗りやがって!」
取り押さえているガリウス先輩を振りほどき、こちらに向かって剣を振り下ろす。
…まあ、そんな単純な攻撃が通る筈もなくコント君の剣を弾き飛ばして首元にナイフを添える。
「少しでも抵抗したら…その一秒後にはこの世を去ってると思ってください…この意味、分かりますよね?」
抵抗したら殺す…そう脅しをかけ、先輩達にアイコンタクト。
先輩達も戦闘態勢に入り、私達を見守る。
「な、んだよ…同じ騎士団員にこんなことしていいと思ってんのか!」
「…駄目でしょうね…あなたが本当に騎士団員であるのなら」
「…なに言ってんだよ」
まあ、騎士団員だとしても命令違反、虚偽報告に加えさっきの私に向けた攻撃…私が避けれなかったら私は重傷を負っていた。しかも、ここに来る前からあった嫌がらせの数々。
これらを合わせたら多分私、お咎め無しになると思う…まあ、そんなことわざわざ言わないけど。
それに今は…査問会の途中だし、ね?
「お~お疲れ」
「お疲れ。そいつがリーダー?…君はなにやってるの?」
キーカル先輩とガリウス先輩のもとに向かうと、二人は血の付いた武器を布で拭き取ってた。辺りには沢山の山賊達の死体。
二人には全く傷がない。これだけの人数を相手にしておいて流石だなと思っていると、生かしておいたリーダーが目を覚ました。
元々そんなに強く手刀してないとはいえ、結構早く意識を取り戻したみたいだ。
「目、覚めたか?」
「みたいだね。おーい。俺らのことわかる?」
「う…っ!お前らは!離せ!った!」
目覚めたと思ったら暴れるのですぐにうつ伏せになるように取り押さえる。大柄の男で獣人、しかも半獣化しているので力で押し負けそうだったがキーカル先輩が手伝ってくれた。
「すみません。ありがとうございます」
「別に…ただもうちょっと力つけた方がいいかもな。いつまでも半獣化や獣化に頼っては成長できないからな…」
「はい」
ちなみに先程から第六班の騎士(偽物)は黙り。先程命令違反したことを報告されるのではないかとびくびくしているのだろう。
…まあ、本来の騎士だったら誰かが報告するのを待つんじゃなくて自分から報告するんだけどね。そうした方があまり怒られないし。
なんかこうして見ると少し可愛く見えてきたな。
というか、いつまでもこの人とか言ってたら分かりにくいし…そうだな…偽物なのに騎士を名乗るだけの根性はある癖に意外とビビりで端から見たらコントみたいだから、コント君と命名してみるか…ネーミングセンス無さすぎて自分でも驚きだが。
さて、コント君(笑)はビクビク怯えているのだがそれを先輩達が見逃す筈もなく…
「…ところで、報告聞いてもいいか?」
「はい。山賊達を斬り倒しながらも進むと、明らかにオーラが違うテントがあったのでそこに乗り込むとこいつが居ました。半獣化されましたが、なんとか取り押さえた次第です」
「離せや!というかお前!俺のこと庇っただろうが!味方じゃねぇのかよ!」
「?…庇ったってどういうこと?敵襲でもされた?その辺詳しく説明して。というか、君はいつまでそうしてるの?先に君の報告から聞こっかな」
あ~あ…折角温情で見逃してあげようと思ってたのに…
どんまい…命令違反を見逃す程、先輩達は優しくないぞ~
「あ…さ、山賊達を討伐し先輩方の方へ向かったところ、新人と合流しました」
おっと…嘘はよくないよ…
命令違反に加え虚偽報告…罪重ねてどうすんのさ…まあ、元々騎士じゃないコント君にとっては関係ないかもだけどさ…
まじの騎士だったらこの二つを一気にやったってバレた瞬間、軽くて降格重くて退職なんてこともあり得る。
「嘘つけ!お前が殺そうとしたんだろうが!とぼけたって無駄だよ!面覚えてかっらな!」
「ほーう…二人とも…詳しく聞かせてよ…ね?」
「ひえ…」
「ま、こうなるってことは薄々分かってはいましたが…予想外のバレかたです…」
「おい!?秘密にしてくれるんじゃなかったのか!?裏切るのか!?」
「いや…流石に先輩達に聞かれたら素直に答えるしかないでしょう…虚偽報告したらどうなるか分かったもんじゃないですし」
「うるせぇ…さっきの事言ったらただじゃおかねぇ!」
私に突っかかろうとしてくるコント君をガリウス先輩が押さえる。キーカル先輩は山賊のリーダーに馬乗りになりながらも、いつでも武器が使えるよう、警戒体制に入ってる。しかもしれっとリーダーの人、気絶させてるし…
コント君よ…流石の私もこんな先輩達に逆らうのは不可能なのだよ…
「…正直に話しますと実は…」
コント君がリーダーの人を殺そうとしたこと、間一髪で止めれたことなどを順を追って説明する。ちなみにちゃんとコント君の弁護はしておいた。
まあ、私が弁護したところでコント君が命令違反、虚偽報告をしたことには変わりないのだが、
説明している最中、コント君からの殺気がヤバかった。もう笑える程騎士ってこと隠す気なくて逆に誉めたい。
今にも飛び出そうなコント君。ここで一つ揺さぶりを入れる。
「でも、彼も考えがあった筈なんです。でなければ、あんな馬鹿みたいな真似、できる筈ありませんから」
「…お前、さっきから黙っていれば…新人の癖に調子乗りやがって!」
取り押さえているガリウス先輩を振りほどき、こちらに向かって剣を振り下ろす。
…まあ、そんな単純な攻撃が通る筈もなくコント君の剣を弾き飛ばして首元にナイフを添える。
「少しでも抵抗したら…その一秒後にはこの世を去ってると思ってください…この意味、分かりますよね?」
抵抗したら殺す…そう脅しをかけ、先輩達にアイコンタクト。
先輩達も戦闘態勢に入り、私達を見守る。
「な、んだよ…同じ騎士団員にこんなことしていいと思ってんのか!」
「…駄目でしょうね…あなたが本当に騎士団員であるのなら」
「…なに言ってんだよ」
まあ、騎士団員だとしても命令違反、虚偽報告に加えさっきの私に向けた攻撃…私が避けれなかったら私は重傷を負っていた。しかも、ここに来る前からあった嫌がらせの数々。
これらを合わせたら多分私、お咎め無しになると思う…まあ、そんなことわざわざ言わないけど。
それに今は…査問会の途中だし、ね?
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