30 / 57
羽化
しおりを挟む
右京さんと〝寝て〟はいません。でも……少しだけ、嘘をつきました。
みちるの躰には、まだ彼の温もりと感覚が残っていた。
指一本も、は嘘です。右京さんを全身で感じた記憶は残ってる。でも肌は触れてないもの!
全てを見透かすような、星児の瞳。みちるはそんな星児の視線に毅然と立ち向かう。
「みちるに〝触れる〟事なく、御幸はそんな約束をしたのか?」
星児の声には明らかに怪訝な響きがあり、微かに意地悪な色も滲んでいた。みちるは改めてキッと見詰め返して口を開いた。
「あの方は私に言ったんです!」
みちるはあの夜の、御幸の言葉を丁寧に星児と保に伝えようと、ギュッと目を閉じ、気持ちを整え語り始めた。
『みちる』
御幸の深みのある静かな声が、みちるの名を呼ぶ。
胸に素直に染み込む声にみちるは御幸を見上げていた。
『君の大事なものは、こんな、私のような男ではなく、みちる自身の本当に大切な男に捧げなさい。
ただ、約束だからね。
みちるの〝処女〟は私が頂いた、という事にしておこう。
その〝大切な男〟にだけ、真実を伝えると良い』
瞳を潤ませたみちるに穏やかに微笑みかけた御幸は、みちるの顔を両手でそっと挟むと頬に優しくキスをした。
みちるは御幸の言葉だけを伝えた。
ごめんなさい。あれは、御幸さんと私の大事な思い出。秘密です。
目を閉じたまま俯くみちるに、そうか、と星児が何かを諦めたかのように肩を竦めた。みちるの頬を優しく両手を添え、挟んだ。
「みちる、その大事な話を俺達にしたのは何故だ?」
答えを得る為に、深く黒い瞳がみちるを捉えていた。
トクトクと加速する鼓動に苦しい吐息。みちるの唇が震える。
今夜、伝えようと一大決心した。今が伝える時。けれどいざとなると。
怖い。
でも、今ちゃんと口にしなければ伝わらない。
みちるは意を決して、言った。
「私を、星児さんと保さんに貰ってもらいたいです」
保は、微かに上がったみちるの体温を感じていた。
この言葉に、どんな覚悟を。
押し潰されそうになる感覚に保は顔をしかめた。
真空のような緊張の空間を、星児がフッと笑う事で解した。
「みちる、いいか? 一生に一度の相手っつーのは、ただ1人だぞ」
星児の静かな言葉に保の胸にズキッと痛みが走った。
そうだ。そんなんだよ、みちる。
「あ……」
みちるが、そうだった、というように口に手を当てた。保はクスリと笑った。
みちる、君って子は。
保はみちるを背後から抱き締め、静かに言った。
「ピアスの時と同じだな」
「それは……」
その意味は。
「そういう事だ」
振り向いたみちるに保は優しくキスをした。
みちるの躰が大きく跳ねる。
「あ、だめ、んあっんっ」
拡げた足の間にある星児の頭を堪らず押したが、その手を保に掴まれた。保は掴んだ手にキスをし、囁く。
「沢山、躰を喜ばせてあげてからじゃないと」
「んんんっ、ひあっあ」
何度も背中を弓なりに反らせる度に揺れる形の良い乳房の愛撫は保が請け負う。
絶え間なく襲う悦楽の波に呑み込まれていく。快感が幾度も躰の芯を貫き、みちるは何度も声を上げた。
持たないですーー、そう思った時、星児がみちるを見、フッと笑った。
「みちる、力抜けよ」
涙目のみちるの両膝裏を掴み目一杯拡げさせた、星児は甘く囁く。
「ぁんっ」
背中を保に預けるみちるは初めての感覚を味わった。
「こ、こわれちゃうっ」
「壊れねーよ。大丈夫だから、力抜け」
首を振るみちるを濡らす為に保は背後から秘豆を刺激した。
「ひあうっ、保さん、そこだめっ」
「いいぞ、みちる」
一気に熱した鉄のような芯が入ってきた。
「あ、あ、っ」
目を見開くみちるはズズッという膣の感触を覚えていた。
視界を瞬くうちに、突端に熱が届く。
「入ったぞ」
みちるの細い腰を抱く星児が隙間なく密着する。芳香溢れる顔が目の前にあった。
「みちる」
繋がったまま頬に手を添える星児に、みちるは涙を浮かべとろんとした瞳を向けた。唇を重ねてから、星児は上半身を少し離した。
「動かすぞ」
奥が、何度も突かれる。声を上げるみちるの唇を、保が優しく塞いだ。
これが。これが。
「ーーーーああっ」
「みちる」
保と星児に強く挟まれ、みちるは目を閉じた。
ここにずっと。この二人の間にずっといたい。
立て続けに2人の男を受け入れたみちるの躰は痺れを残し、意識は深い泉の底に堕ちていった。
伸ばした両手は、それぞれ違う感触の手が握りしめる。
星児さん、保さん。
「みちる、もう眠るといい」
柔らかな声は眠りの森に誘う。
すぅ……と眠ったみちるの髪に保がそっとキスをした。その姿を見ながら星児はタバコに手を伸ばした。
みちるの右手を握る手はそのままに器用にそれを取り出しくわえ、火を点ける。
保が静かに切り出した。
「ヴァージンは、お前初めてだったろ」
タバコをくわえていた星児が横目で保を見る。
「悪ぃか」
煙を吐き出しハッハと笑った。星児特有の照れ隠しである事を保は知っている。
恐らく、今夜の星児はあまり見られない姿だったんだろうな、と保は思う。いつも余裕に構える星児が、と。
みちるの寝姿を眺めて保は、自分も正気を失いかけていた、と苦笑いした。
止められなかった――。
眠るみちるの頬に涙の跡が一筋残っていた。保はそっと手で拭いそこに軽くキスをした。
「俺達の先には、どんな未来が待っているんだろうな」
星児は、さあな、とだけ答え、くゆる煙に目を細めていた。
†††
みちるの躰には、まだ彼の温もりと感覚が残っていた。
指一本も、は嘘です。右京さんを全身で感じた記憶は残ってる。でも肌は触れてないもの!
全てを見透かすような、星児の瞳。みちるはそんな星児の視線に毅然と立ち向かう。
「みちるに〝触れる〟事なく、御幸はそんな約束をしたのか?」
星児の声には明らかに怪訝な響きがあり、微かに意地悪な色も滲んでいた。みちるは改めてキッと見詰め返して口を開いた。
「あの方は私に言ったんです!」
みちるはあの夜の、御幸の言葉を丁寧に星児と保に伝えようと、ギュッと目を閉じ、気持ちを整え語り始めた。
『みちる』
御幸の深みのある静かな声が、みちるの名を呼ぶ。
胸に素直に染み込む声にみちるは御幸を見上げていた。
『君の大事なものは、こんな、私のような男ではなく、みちる自身の本当に大切な男に捧げなさい。
ただ、約束だからね。
みちるの〝処女〟は私が頂いた、という事にしておこう。
その〝大切な男〟にだけ、真実を伝えると良い』
瞳を潤ませたみちるに穏やかに微笑みかけた御幸は、みちるの顔を両手でそっと挟むと頬に優しくキスをした。
みちるは御幸の言葉だけを伝えた。
ごめんなさい。あれは、御幸さんと私の大事な思い出。秘密です。
目を閉じたまま俯くみちるに、そうか、と星児が何かを諦めたかのように肩を竦めた。みちるの頬を優しく両手を添え、挟んだ。
「みちる、その大事な話を俺達にしたのは何故だ?」
答えを得る為に、深く黒い瞳がみちるを捉えていた。
トクトクと加速する鼓動に苦しい吐息。みちるの唇が震える。
今夜、伝えようと一大決心した。今が伝える時。けれどいざとなると。
怖い。
でも、今ちゃんと口にしなければ伝わらない。
みちるは意を決して、言った。
「私を、星児さんと保さんに貰ってもらいたいです」
保は、微かに上がったみちるの体温を感じていた。
この言葉に、どんな覚悟を。
押し潰されそうになる感覚に保は顔をしかめた。
真空のような緊張の空間を、星児がフッと笑う事で解した。
「みちる、いいか? 一生に一度の相手っつーのは、ただ1人だぞ」
星児の静かな言葉に保の胸にズキッと痛みが走った。
そうだ。そんなんだよ、みちる。
「あ……」
みちるが、そうだった、というように口に手を当てた。保はクスリと笑った。
みちる、君って子は。
保はみちるを背後から抱き締め、静かに言った。
「ピアスの時と同じだな」
「それは……」
その意味は。
「そういう事だ」
振り向いたみちるに保は優しくキスをした。
みちるの躰が大きく跳ねる。
「あ、だめ、んあっんっ」
拡げた足の間にある星児の頭を堪らず押したが、その手を保に掴まれた。保は掴んだ手にキスをし、囁く。
「沢山、躰を喜ばせてあげてからじゃないと」
「んんんっ、ひあっあ」
何度も背中を弓なりに反らせる度に揺れる形の良い乳房の愛撫は保が請け負う。
絶え間なく襲う悦楽の波に呑み込まれていく。快感が幾度も躰の芯を貫き、みちるは何度も声を上げた。
持たないですーー、そう思った時、星児がみちるを見、フッと笑った。
「みちる、力抜けよ」
涙目のみちるの両膝裏を掴み目一杯拡げさせた、星児は甘く囁く。
「ぁんっ」
背中を保に預けるみちるは初めての感覚を味わった。
「こ、こわれちゃうっ」
「壊れねーよ。大丈夫だから、力抜け」
首を振るみちるを濡らす為に保は背後から秘豆を刺激した。
「ひあうっ、保さん、そこだめっ」
「いいぞ、みちる」
一気に熱した鉄のような芯が入ってきた。
「あ、あ、っ」
目を見開くみちるはズズッという膣の感触を覚えていた。
視界を瞬くうちに、突端に熱が届く。
「入ったぞ」
みちるの細い腰を抱く星児が隙間なく密着する。芳香溢れる顔が目の前にあった。
「みちる」
繋がったまま頬に手を添える星児に、みちるは涙を浮かべとろんとした瞳を向けた。唇を重ねてから、星児は上半身を少し離した。
「動かすぞ」
奥が、何度も突かれる。声を上げるみちるの唇を、保が優しく塞いだ。
これが。これが。
「ーーーーああっ」
「みちる」
保と星児に強く挟まれ、みちるは目を閉じた。
ここにずっと。この二人の間にずっといたい。
立て続けに2人の男を受け入れたみちるの躰は痺れを残し、意識は深い泉の底に堕ちていった。
伸ばした両手は、それぞれ違う感触の手が握りしめる。
星児さん、保さん。
「みちる、もう眠るといい」
柔らかな声は眠りの森に誘う。
すぅ……と眠ったみちるの髪に保がそっとキスをした。その姿を見ながら星児はタバコに手を伸ばした。
みちるの右手を握る手はそのままに器用にそれを取り出しくわえ、火を点ける。
保が静かに切り出した。
「ヴァージンは、お前初めてだったろ」
タバコをくわえていた星児が横目で保を見る。
「悪ぃか」
煙を吐き出しハッハと笑った。星児特有の照れ隠しである事を保は知っている。
恐らく、今夜の星児はあまり見られない姿だったんだろうな、と保は思う。いつも余裕に構える星児が、と。
みちるの寝姿を眺めて保は、自分も正気を失いかけていた、と苦笑いした。
止められなかった――。
眠るみちるの頬に涙の跡が一筋残っていた。保はそっと手で拭いそこに軽くキスをした。
「俺達の先には、どんな未来が待っているんだろうな」
星児は、さあな、とだけ答え、くゆる煙に目を細めていた。
†††
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる