浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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知らないの?サンタさんは年中無休だよ!

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バカが来た。
傘目は逃げるかとも思ったが、逃げると後ろから狙ってくるし、たぶん怪我をするということで、少しでも生存しようと、突然のやって来た奴のそばにいたことで、対処をしなければならない人たちをじっと見ていた。
(しかも相手は、魔剣か、その類か)
あの刃の薄さの剣をあんな力任せで振り回したていたら、折れてしまうのだが、刀身の揺らぎは見えなかった。市販されているものならばあそこまでもたない。
自分の前にいるであろう誰かが状況を変えてくれればとか思っていたが、期待ははずれた。
「ごめん、お待たせ」
「全然、待ってないよ」
戦いの始まりというよりかは、デートかな?という言葉の次は…
「そう?でもさ、楽しめると思うよ」
「こういうのを楽しいと思っているのはどうにかしてるんじゃない?」
その言い方は気にさわったようだ。
何度か、刃物同士が当たると、小さなカッカッという音と振動で、本気で今は戦わないというのを選択した。
相手からの攻撃を受け止めて、受け止めて、嫌がらせのように脛を蹴って、距離を取る。
それが何度か続くと、脛を蹴ろうとした足に反応しようとした、さっきまでと顔が違う、もらい!みたいな顔になったので、膝を相手の腹に入れる。
「カハッ」
(あ~こいつ戦い慣れてないタイプか)
一方的な力で気持ちいい!してきたので、こうやって組み合いになった、相手に手筋を読まれると、対処にバリエーションがない。
「お兄さーん、みっけ!」
その声と共に何か赤と白のものがやってくる。
サンタがこっちに飛んできた。
「さっきはどうも、うちのものがお世話になったみたいで」
えっ?こいつバカだけじゃないのか、アホでもあるのか、サンタに喧嘩をうった足でこんなことをやらかしたのかよ。
「というわけでさ、ちょっと譲ってくれない?お礼は支払うから」
「ああ、そうでしたか、それならばお願いします」
こういうのはしつこい、負けても復讐にやってくるから、それならばサンタに任せた方がいい。
「ありがとう、こいつが強い奴なら、良いものもつけちゃうからさ」
「俺、強いよ?っていうか、こんな時期にサンタなの?」
「知らないの?サンタさんは年中無休だよ」
傘目はそこでKCJに通報を始めた。
「はい、こちらはKCJ…」
「すいません、不審者がいきなり刃物もってきちゃって、今はサンタさんが頑張ってくれているので、助けてください」
「はい、わかりました、直ちに!」
「場所は…」
その通話をしている間に、サンタは相手に殴りあいをしかけていた、刃物を持っている相手と距離をつめて、それを嫌がるように振り回した斬撃を一つ、二つとよけて、手首をガシ!
「捕まえた」
ああ、これは夢に見る奴だ。
そのまま握っていた武装を落とさせると、「オラ!」といって頭突きをした。
通報をしてKCJの人が驚いていたので、このサンタは通報しないでそのまま相手を追いかけて来ちゃってたらしい。
ただ傘目もそこそこの業界は長いので、サンタはそういうところがあって、一度大変だった話は聞いたことがあったので、そこら辺は冷静と言えた。
その通報をしないで対処したサンタは、そのまま大騒ぎに発展し、後始末が大変だったというオチもちゃんとあったことも、傘目が通報に動けた理由であろう。
「俺にこれを使わせるとはな」
武装してないからギブアップか?いや、そうじゃねえよ展開の始まりである。
相手は隠し持っていた剣を一振り出したが。
「これは俺でも制御は大変なんだよ、言うことききやしねえんだ」
サンタはそれを魔剣の写し身を魔法制御していると即座に見抜いたが、そこを呆気にとられている、隙と見られて、腕もしくは足を切りつけようとしたが。
パン!
サンタは自慢の二の腕を使った、逆に写し身を自体が霧散する羽目になった。
「はっ?」
「うちのサメちゃんたちが話していた「みふり」のところの奴かな、それ」
どうもサンタはそれを知ってるようだが、その話をしながら強烈な一撃をお見舞いし、相手は吹っ飛ばした。
サンタはすんごい気持ちいい顔をしてた。
だから忘れてた、相手も逃げるということを。
ドス!
そこを傘目が相手の自由を奪って拘束した。
拘束してもまだ体力はありそうだったので、KCJの職員が来るまで待ってようと思ったが。
「いや、君もなかなか強いね、よかったら、サンタにならないか?」
「すいません、今の仕事、気に入ってるんですよ。あっ、さっきいってた、こいつの『みふり』の魔剣でしたっけ、なんです?」
「人が嫌いな自我がある魔剣が、日本刀なので、三振りあってさ、こいつがさっきもってたのそのうちの一振り縁のものなんだよ」
「そういうのが今あるんですか」
「そうそう、私有地の中にいるから、俺らでも手がでなくて、向こうもわかっているみたいなんだけども、三振りのうちこの刀ともう一振りはこうして、実際に人を切れないのならばせめて写し身だけでもって外に出しているみたいだね、ただ今回みたいにそれを支配しちゃう奴がでて、自分で使おうとしているタイプは始めてみたけどもさ」
「何とかならないんですかね」
「外に全く出ない一振りが写し身でも使って何かやらかしたら介入できる、けどもそんな素振りでなくて、こいつらが一度狙うと、狙われた人間が刃物使えなくなるんだよね、そこに奴等の意志が乗っ取りに来て、そのままみたいな」
「それがさっきみたいにサメちゃん達が噂しているってことは、サメ達もこの刃物破壊する気なんですか?」
「そうなんだよ、見張ってたサメちゃんに一振り、たぶん今回のと同じかな、ちょっかい出して、横っ面殴ったら、サメちゃんキレてね、その私有地の周囲はもちろん、一度狙われたからまた来る恐れがある人たちの近くにもいってるらしいぞ」
「群れの違うサメの間でも噂になっているなら、完全破壊するまで諦めませんね」
「うん、そう、ねえ、やっぱりサンタになる気はないかな?」
「すいません、今の仕事気に入ってるんで」
そう断ったが、傘目に最後サンタは名刺を渡して去っていったが。
「待って、KCJがまだ来てないですよ」
「あっ、そうだね」
なんてことをやっていたら、KCJの職員が武装したままやってきた。


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