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純米酒は花冷え
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「なんだ?坊主の真似事か?」
「たまには拝みたくもなりますよ」
「何があった?聞かせてくれる?」
「瀬旭(せきょく)さん、あなたはそういうところがありますよね」
「そういうもんじゃないの?人ってやつはさ」
「かもしれません、かもしれませんが、そこで人か…」
「どうしたのさ」
「あなたはおかしな人だ、私を人だという」
「人だろ?」
「生物的にはね、人ではありますよ」
「じゃあ、人でしょ」
「誰もが気味悪がって付き合いなぞ持たないというのに」
「そうかな、俺はそうは思わないよ」
「覆木(おおうき)さんに叱られますよ」
「それはいつものことだよ」
「いつもって、本当に何をしているんですか」
「えっ?そんなに驚くことなの?」
「驚きますよ、いつもって、大人なんですからね」
「三つ子の魂百までを俺は通す所存」
「そんなのやられちゃたまりませんよ」
「俺より常識人だよね」
「こんな生き方で、粗野に振る舞ったら長生き出来ませんから」
二人はたまたまだ、おかしな気配がして、じりじりとつめよって、それを確かめようとしたところで、お互い「あっ」からの、気配だけでダーツと銃器で対処し。
「巣とかはなかったみたいですが、一匹うろうろしているだけなのは、それはそれで嫌なものです」
「この辺はしょうがないよ、暖かいというか、暑い!って感じなわけだしさ」
「しかし、何しろ拳ぐらいの蜂ですからね」
ダーツで仕留められた蜂はもうお亡くなりになっているが、報告の記録を取るためにはまだそのままにして、決められた手順で報告した後に、ダーツを回収するが。
「それって廃棄しちゃうの?」
「毒とかついてますからね、再利用は難しいんですよ」
拳蜂はそのままにするのは、置いておくとそれを勝手に持っていく生物がいるので、そこは任せるのである。
「覆木さんみたいにね、ナイフにしたいんですがな、あれって高いでしょ?」
「あいつはこだわりの品しか持ってないから、その点は俺より上」
「そんなんナイフを惜しげもなく投げたりするんだもんな」
「いや、そうは見えるかもしれないけども、隣にいると、あっ、今のは勿体なかったなって顔はすることはする」
「そんな顔できるんだ…」
「するね、俺と覆木はどうしてもこれだっていうものは変えれないからさ、それは水芭(みずば)は諦めているから、じゃあ、それ以外を何とかしましょうねって、おっかない顔をしてくるから」
(水芭さん、メチャメチャ苦労している)
「大事にしなきゃダメですよ、水芭さんぐらいですから、ちゃんと寄り添ってくれるの」
「そう思う、今のところ一番長い感じになってきたかな」
「そういう人が抜けたらボロボロになりますよ」
「怖いこと言わないでよ」
「このぐらい釘指しませんと、そちらの事務所が赤字でダメになったら、大問題でしょうに」
「それはね」
「というか、新人さんも自前で育てているとか」
「でも一からじゃないから、他の、異世界だけどもきちんとしたところでしっかり仕事していた子なんだよ」
「よく来てくれましたね」
「それはそう思う、ああいう未来がある子だとどこにでも行けるんだよ、こんなおっさんたちの事務所を選んでくれたらやっぱり嬉しいわけだし、新人を育てていくという組合の方針、あの問題もなにも言われなくていいし」
「あれって上手くいっているんですか?」
「いってないよ」
「…」
「あれ?どうしたの?」
「いや、もう少し勝算といいますか、その…上手く行くこと前提でやっているのかと思ってましたが」
「わかるでしょ、あれ見たら」
「まあ、その、あの人たち権力もお金も大好きですもんねってしか言えないからな…」
「そうそう」
「それで新人を育てないところは徴収してっていう形にしちゃったと」
「息子さんや娘さんが継ぐところだと問題ないんだろうけども、そういうことは稀というか、お金はいいけども、命がかかっている仕事だとどうしても人は選んじゃうからね」
「それはそうですね、たぶん私もですが、その辺に対して過敏ではない、軽くはないが重くもない人間じゃないと勤まらないですよ」
「上手いこというね」
「たぶんストレスが溜まっているんですよ、この業界だと話せる人ってなかなかいないから」
「おっさんに話してごらんなさいよ、スッキリするかもよ」
「瀬旭のおっさん…ね」
「何、嫌なの?」
「嫌というより、人とこういう話をしない人間ですからね、そのまま来てしまったから、話すのが苦手なんですよ」
「そのうちライバルとか、友人とか見つかるよ、なんだったらうちのbarにくればいいよ、俺らが話し相手になる」
「遠慮しておきますよ、ハマったら怖いじゃないですか」
「そんなこと言わないでよ」
「本当にお節介な人たちだな、それは悪くはないですよ、むしろありがたいところはある、駆け出しの人間にほどよく世話を焼いてくれるおかげで、助かったことは何回かある、あの事務所はそんな位置付けだから」
「なんか嫌なことあったの?」
「そんな事務所を、あんまりよく思ってないんだろうなっていう台詞を聞いちゃったらね、その場では表情には出さなかったけども、こいつ、何言ってるんだろうなって」
「俺らは敵も多いから」
「それがわかってても、誰かを助けることをやめないあなた方はやはり尊敬出来る大人なんですよ」
一息入れた後に。
「この先荒れるかもしれません」
「かもね、いや、かもというか、起こるだろうね」
「私はね、それが嫌なんですよね、ここから先は独り言なので、申し訳ありませんが、返事はしないでくださいね」
そういって話は始まる。
「螺殻(らがら)ミツについて」
瀬旭はピクッと動揺はする。
「最初に考えられたのは、すぐに諦めて帰るのではないかと思われていたこと、しかし、予想外にそれは起きなかった。ではどうするか?過激な方向を選んだ場合、確実に虎の尾を踏むことになるし、あそこはね、怖いんですよ、お金では換算できないことを行動指針にしてくるあなた方がね」
「そういうものかな?」
「独り言です、これは独り言なんですよ」
「ok、独り言ok」
「何か役職を与えて飼い慣らせるならば、そうしたかった、でもそういう人たちじゃない。また事務所の人間もそこで役職を得ようとする人間の気持ちはわからないわけですよ、だからね、揉めがちなんですよ、この話は、それでこの状態が続いた方がいいんです」
「なんでさ」
「これは独り言ですよ!お互いが睨みあっている方がいいんですよ、様々な思惑が共存できるのはこの状態しかないし、その…たぶんもしも事務所側が組合抜けたとしても、今の幹部は人がついてこないと思うんですよね、今いる有能な人たちが組合所属やめるかもしれないし」
「それは何故?」
「まったくこれは独り言なんですが、組合やら行政との付き合いをあの人はきちんと出来る人ではないですよ」
「なんか決定的な何かはあったの?」
「ああん、もう、はい、名前出せませんがありました、交流目的の会合でね、意見いける立場なのに、意見言わなかったよ、アイツって思ったんで」
「それはなんで幹部やっているの?」
「知りませんよ、欲しいものはいっぱいあったんでしょ?なので、確かにまだ日が浅いからっていう言葉で片付けられるかもしれないが、あそこで意見を出せないとなると、もっと有能な人に任せた方が良かったんじゃないか?でもそういう人材がいないから、今あの人が幹部なんでしょうがね」
「そういうことがあったようよ」
「うわ…」
「聞きたくなかった」
覆木と水芭の感想。
「この段階で情報がもたらされたのは大きいけどもさ」
「何か飲みましょうか」
「あっ、取って置きのくれる?」
「取って置きのって言えば、いいもの出てくると思ってません?」
「えっ?ないの?」
「ありますけど」
「それは俺にも頂戴」
「だよね、美味しいもの飲まないとやってられないよね」
「こんなのミツに聞かせれるわけがないじゃないか、まだああいう組織的なドロドロに関われないし」
「そうだね、こういうのは大人に任せてちょうだいよって話で」
「瀬旭さんは具体的何をするんですか?」
「がんばれーって応援ぐらいかな」
「それは戦力ですらない」
「でも俺が出ていってもな、むしろ出ていったら」
「仕事が増える
「だよね」
「わかってるのが性質が悪い」
「純米酒は花冷えの方が美味しいのですが、どうしますか??」
「いいんじゃない?しかし、酒は飲んでも体に悪さしないものになると、気を使わなくていいね」
「でもバレるから外では気をつけてくれよ」
「わかってるよ、本当、若さの維持ってすごいものだね」
この三人は仙術の影響を受けている。
「他の奴等が知ったら、確実に嫉妬されてしまうよ」
「それはそうだろうね」
科学がそれが可能になったということで、実は魔法ではもっと前からできました、今までは恐ろしくて外には話せませんでした、なんて話はよくあるのだ。
「そういう意味ではサメくんや、傘目先生の道場にお弁当を作るということがいい目眩ましになっているんですがね」
「それ目的で初めたわけではないが、結局のところ守られるっていうのは、やっぱり人生って、いや、運命って面白いなって思っちゃうよ」
「一年前の俺に言っても信じないし、お前らにいってもどう?」
「無理です、信じれるわけがない」
「娘のような、いや、娘が出来るとは」
「パパの座は渡さないよ」
「それは俺の、お父さんの台詞だから」
「はいはい、しかし、本当に不思議なもんですよ、この商売していたらそういうものと身近なはずなのに、それでもこれは何?と考えてしまう」
本当に、どのタイミングなのだろうか。
「ミツさんについては、どこがきっかけだと思ってますか?」
「どこだろうね」
「たまに考えてしまうのだけども、出会えるきっかけは低確率の中なんだよ、ミツが休みのほとんどを資格や訓練に費やしてないと、うちの事務所で働けないし、俺だって、うだつのあがらない振りをして」
「えっ?それって振りなの?」
「俺みたいなのはその気出さなくても輝くものなの」
「今日はもう眠いんですか?それはなら帰った方がいいですよ」
「ひどくない?」
「ひどいとは思えないよ」
「そうですね」
瀬旭は二人に対しては、ぐぬぬ、そんなかんじである。
「本当にさ、一個かけ間違いしちゃったら、そこで今はない、上手く言ったからいいけども、もしかしたら、ミツはいなかったんだろうなって感じるときはたまにある、それがね、たまに嫌になる」
「お前、そんなこと考えてたの?」
「そうだよ、それは泉呼(せんこ)だって白万(はくまん)、真中(ただなか)だってそうさ、もしかしたらいなかったこともある、それを感じちゃうとね、運命の恐ろしさを知るわけよ」
そこで倒れたままだとしても、おそらくみんな優しい、そんなこともあるさって、それでも立ちあがり、手を伸ばしたから、その手は掴まれた、そんな人間関係もあるし、涙が出るほどこれは美しい。
「たまには拝みたくもなりますよ」
「何があった?聞かせてくれる?」
「瀬旭(せきょく)さん、あなたはそういうところがありますよね」
「そういうもんじゃないの?人ってやつはさ」
「かもしれません、かもしれませんが、そこで人か…」
「どうしたのさ」
「あなたはおかしな人だ、私を人だという」
「人だろ?」
「生物的にはね、人ではありますよ」
「じゃあ、人でしょ」
「誰もが気味悪がって付き合いなぞ持たないというのに」
「そうかな、俺はそうは思わないよ」
「覆木(おおうき)さんに叱られますよ」
「それはいつものことだよ」
「いつもって、本当に何をしているんですか」
「えっ?そんなに驚くことなの?」
「驚きますよ、いつもって、大人なんですからね」
「三つ子の魂百までを俺は通す所存」
「そんなのやられちゃたまりませんよ」
「俺より常識人だよね」
「こんな生き方で、粗野に振る舞ったら長生き出来ませんから」
二人はたまたまだ、おかしな気配がして、じりじりとつめよって、それを確かめようとしたところで、お互い「あっ」からの、気配だけでダーツと銃器で対処し。
「巣とかはなかったみたいですが、一匹うろうろしているだけなのは、それはそれで嫌なものです」
「この辺はしょうがないよ、暖かいというか、暑い!って感じなわけだしさ」
「しかし、何しろ拳ぐらいの蜂ですからね」
ダーツで仕留められた蜂はもうお亡くなりになっているが、報告の記録を取るためにはまだそのままにして、決められた手順で報告した後に、ダーツを回収するが。
「それって廃棄しちゃうの?」
「毒とかついてますからね、再利用は難しいんですよ」
拳蜂はそのままにするのは、置いておくとそれを勝手に持っていく生物がいるので、そこは任せるのである。
「覆木さんみたいにね、ナイフにしたいんですがな、あれって高いでしょ?」
「あいつはこだわりの品しか持ってないから、その点は俺より上」
「そんなんナイフを惜しげもなく投げたりするんだもんな」
「いや、そうは見えるかもしれないけども、隣にいると、あっ、今のは勿体なかったなって顔はすることはする」
「そんな顔できるんだ…」
「するね、俺と覆木はどうしてもこれだっていうものは変えれないからさ、それは水芭(みずば)は諦めているから、じゃあ、それ以外を何とかしましょうねって、おっかない顔をしてくるから」
(水芭さん、メチャメチャ苦労している)
「大事にしなきゃダメですよ、水芭さんぐらいですから、ちゃんと寄り添ってくれるの」
「そう思う、今のところ一番長い感じになってきたかな」
「そういう人が抜けたらボロボロになりますよ」
「怖いこと言わないでよ」
「このぐらい釘指しませんと、そちらの事務所が赤字でダメになったら、大問題でしょうに」
「それはね」
「というか、新人さんも自前で育てているとか」
「でも一からじゃないから、他の、異世界だけどもきちんとしたところでしっかり仕事していた子なんだよ」
「よく来てくれましたね」
「それはそう思う、ああいう未来がある子だとどこにでも行けるんだよ、こんなおっさんたちの事務所を選んでくれたらやっぱり嬉しいわけだし、新人を育てていくという組合の方針、あの問題もなにも言われなくていいし」
「あれって上手くいっているんですか?」
「いってないよ」
「…」
「あれ?どうしたの?」
「いや、もう少し勝算といいますか、その…上手く行くこと前提でやっているのかと思ってましたが」
「わかるでしょ、あれ見たら」
「まあ、その、あの人たち権力もお金も大好きですもんねってしか言えないからな…」
「そうそう」
「それで新人を育てないところは徴収してっていう形にしちゃったと」
「息子さんや娘さんが継ぐところだと問題ないんだろうけども、そういうことは稀というか、お金はいいけども、命がかかっている仕事だとどうしても人は選んじゃうからね」
「それはそうですね、たぶん私もですが、その辺に対して過敏ではない、軽くはないが重くもない人間じゃないと勤まらないですよ」
「上手いこというね」
「たぶんストレスが溜まっているんですよ、この業界だと話せる人ってなかなかいないから」
「おっさんに話してごらんなさいよ、スッキリするかもよ」
「瀬旭のおっさん…ね」
「何、嫌なの?」
「嫌というより、人とこういう話をしない人間ですからね、そのまま来てしまったから、話すのが苦手なんですよ」
「そのうちライバルとか、友人とか見つかるよ、なんだったらうちのbarにくればいいよ、俺らが話し相手になる」
「遠慮しておきますよ、ハマったら怖いじゃないですか」
「そんなこと言わないでよ」
「本当にお節介な人たちだな、それは悪くはないですよ、むしろありがたいところはある、駆け出しの人間にほどよく世話を焼いてくれるおかげで、助かったことは何回かある、あの事務所はそんな位置付けだから」
「なんか嫌なことあったの?」
「そんな事務所を、あんまりよく思ってないんだろうなっていう台詞を聞いちゃったらね、その場では表情には出さなかったけども、こいつ、何言ってるんだろうなって」
「俺らは敵も多いから」
「それがわかってても、誰かを助けることをやめないあなた方はやはり尊敬出来る大人なんですよ」
一息入れた後に。
「この先荒れるかもしれません」
「かもね、いや、かもというか、起こるだろうね」
「私はね、それが嫌なんですよね、ここから先は独り言なので、申し訳ありませんが、返事はしないでくださいね」
そういって話は始まる。
「螺殻(らがら)ミツについて」
瀬旭はピクッと動揺はする。
「最初に考えられたのは、すぐに諦めて帰るのではないかと思われていたこと、しかし、予想外にそれは起きなかった。ではどうするか?過激な方向を選んだ場合、確実に虎の尾を踏むことになるし、あそこはね、怖いんですよ、お金では換算できないことを行動指針にしてくるあなた方がね」
「そういうものかな?」
「独り言です、これは独り言なんですよ」
「ok、独り言ok」
「何か役職を与えて飼い慣らせるならば、そうしたかった、でもそういう人たちじゃない。また事務所の人間もそこで役職を得ようとする人間の気持ちはわからないわけですよ、だからね、揉めがちなんですよ、この話は、それでこの状態が続いた方がいいんです」
「なんでさ」
「これは独り言ですよ!お互いが睨みあっている方がいいんですよ、様々な思惑が共存できるのはこの状態しかないし、その…たぶんもしも事務所側が組合抜けたとしても、今の幹部は人がついてこないと思うんですよね、今いる有能な人たちが組合所属やめるかもしれないし」
「それは何故?」
「まったくこれは独り言なんですが、組合やら行政との付き合いをあの人はきちんと出来る人ではないですよ」
「なんか決定的な何かはあったの?」
「ああん、もう、はい、名前出せませんがありました、交流目的の会合でね、意見いける立場なのに、意見言わなかったよ、アイツって思ったんで」
「それはなんで幹部やっているの?」
「知りませんよ、欲しいものはいっぱいあったんでしょ?なので、確かにまだ日が浅いからっていう言葉で片付けられるかもしれないが、あそこで意見を出せないとなると、もっと有能な人に任せた方が良かったんじゃないか?でもそういう人材がいないから、今あの人が幹部なんでしょうがね」
「そういうことがあったようよ」
「うわ…」
「聞きたくなかった」
覆木と水芭の感想。
「この段階で情報がもたらされたのは大きいけどもさ」
「何か飲みましょうか」
「あっ、取って置きのくれる?」
「取って置きのって言えば、いいもの出てくると思ってません?」
「えっ?ないの?」
「ありますけど」
「それは俺にも頂戴」
「だよね、美味しいもの飲まないとやってられないよね」
「こんなのミツに聞かせれるわけがないじゃないか、まだああいう組織的なドロドロに関われないし」
「そうだね、こういうのは大人に任せてちょうだいよって話で」
「瀬旭さんは具体的何をするんですか?」
「がんばれーって応援ぐらいかな」
「それは戦力ですらない」
「でも俺が出ていってもな、むしろ出ていったら」
「仕事が増える
「だよね」
「わかってるのが性質が悪い」
「純米酒は花冷えの方が美味しいのですが、どうしますか??」
「いいんじゃない?しかし、酒は飲んでも体に悪さしないものになると、気を使わなくていいね」
「でもバレるから外では気をつけてくれよ」
「わかってるよ、本当、若さの維持ってすごいものだね」
この三人は仙術の影響を受けている。
「他の奴等が知ったら、確実に嫉妬されてしまうよ」
「それはそうだろうね」
科学がそれが可能になったということで、実は魔法ではもっと前からできました、今までは恐ろしくて外には話せませんでした、なんて話はよくあるのだ。
「そういう意味ではサメくんや、傘目先生の道場にお弁当を作るということがいい目眩ましになっているんですがね」
「それ目的で初めたわけではないが、結局のところ守られるっていうのは、やっぱり人生って、いや、運命って面白いなって思っちゃうよ」
「一年前の俺に言っても信じないし、お前らにいってもどう?」
「無理です、信じれるわけがない」
「娘のような、いや、娘が出来るとは」
「パパの座は渡さないよ」
「それは俺の、お父さんの台詞だから」
「はいはい、しかし、本当に不思議なもんですよ、この商売していたらそういうものと身近なはずなのに、それでもこれは何?と考えてしまう」
本当に、どのタイミングなのだろうか。
「ミツさんについては、どこがきっかけだと思ってますか?」
「どこだろうね」
「たまに考えてしまうのだけども、出会えるきっかけは低確率の中なんだよ、ミツが休みのほとんどを資格や訓練に費やしてないと、うちの事務所で働けないし、俺だって、うだつのあがらない振りをして」
「えっ?それって振りなの?」
「俺みたいなのはその気出さなくても輝くものなの」
「今日はもう眠いんですか?それはなら帰った方がいいですよ」
「ひどくない?」
「ひどいとは思えないよ」
「そうですね」
瀬旭は二人に対しては、ぐぬぬ、そんなかんじである。
「本当にさ、一個かけ間違いしちゃったら、そこで今はない、上手く言ったからいいけども、もしかしたら、ミツはいなかったんだろうなって感じるときはたまにある、それがね、たまに嫌になる」
「お前、そんなこと考えてたの?」
「そうだよ、それは泉呼(せんこ)だって白万(はくまん)、真中(ただなか)だってそうさ、もしかしたらいなかったこともある、それを感じちゃうとね、運命の恐ろしさを知るわけよ」
そこで倒れたままだとしても、おそらくみんな優しい、そんなこともあるさって、それでも立ちあがり、手を伸ばしたから、その手は掴まれた、そんな人間関係もあるし、涙が出るほどこれは美しい。
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