浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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解決には協力できるけども向いてない

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「やりましたね、今回も解決ですよ」
「良かった、そして私たちが動かなければ、事件は…」
そこを居合わせた人間たちがいて。
「楽しい?」
「ああ、楽しいよ」
「そうだね、君は昔から才能のある人間が好きだし、でもこっちが考えたことをパクるのは良くない」
「あれは改良の余地があった、実際に私が改良を重ねなかれば現場では運用されてない」
「それも自分で考えたとは言えるの?」
「こちらの陣営が考えたさ」
「ムカつくジジイ」
「君はいつから若くなったの?同じ年だと思っていたけども」
ここでまあまあ、その辺でと両者引き剥がされたのである。

「あそこであいつに会わなければ、今日はいい1日で終わることができたのに、それではまた明日」
「はい、お時間にお迎えに参ります」

「あいつは帰ったか」
「先ほどまで会議でしたから」
「まっ、いいでしょ」
「怒られてた割には怒ってないんですか?
「仲が悪いことにはかわりはないですが、事件の解決方法にリスクがあるのは知ってましたし、それ故に分散が望ましいとは思ってました、悔しいけどもこっちでそこまでは考えれなかったんだよね、そこは認めましょ、認めくはないです、認めたくはないですが」
「この辺の話になると長いですね」
「君は聞いてくれるからね、そばにいてもらってます」
「私は愚痴の相手なのですか?」
「それができるということは、素晴らしいことですよ」
「はぁ」
「まあ、あまりにそれをやるとやめられても困りますから、今回の事件の報告をお願いします」
「予想された通り、既存の捜査方法では証拠を掴めませんでしたが、外部の協力者たちにお願いをし、いつものように突き止めたって感じですかね」
本当にいつも通りだね」
「そう思いますね、そして犯人が、今回は犯人たちが言い争いをするのもよくあることかもしれません」
もうだめだ。
あんたは何をいってるのよ。
ここはおとなしく認めて。
馬鹿じゃないの、そこだと生活が苦しくなったら、立ち居かなくなるのよ、これだから苦労したことがないやつは。
「醜いのもいつものことだよ、でもこのような事件はまだまだ起こるよ、たぶんまだいけるって思われただろうから、思っている限りは続くと思うんだよね」
「水曇(みずみ)は担当者にねじ込んだようなもんですが、それは何故です」
「あのジイさん、野然(のぜん)さん気に入ってるからね、ムカつくじゃない?」
「はぁ」
「自分がお気に入りの人間しか連れてかない店があいつにはあってね、そこを知ったから、ああ、邪魔をしなきゃって思ったの、水曇くんがいたら、そういうことできないじゃない?水曇はあちらでもない、我々でもない陣営の人間なので」
「邪魔をするために担当者にしたんですか?」
「ちゃんと安全のためですよ、もしかしたら、捜査協力するお前のせいで!って相手が、本人じゃなくても仲間が突撃してくるかもしれない、捜査協力者がやってることってね、ああいう人間にとっては、腹正しいことですから、ほら見てくださいこのクレームを…」
「透明性を高めるために、外部の捜査協力者は名前を出すべきだですか」
「そう、困っちゃうよね、今、話したような、危険性があるのに、そういうのが見えてないというのは、捜査協力者がいなくなるじゃないですか」
「しかし、この制度はなんで作ることにしたんですか?」
「いい質問だね、こういう難事件はその後なんて呼ばれているでしょうか?」
「迷宮入りですかね」
「そうです、迷宮には迷宮が得意としている人間が必要だと思うんですよね、戦士、魔法使い、僧侶とかね」
「今のところ協力者は、魔法使い、魔法使い、(頭が)魔法使いって感じだと思いますが」
「面白いことをいうね、でもこれは先発ならばしょうがないの、こちらのルールを理解した上で動いてくれないと、何しろ前例がないことをしているから、そこで納得してみんなが行動してくれないと無理なんですよ、だから外部協力者には評価項目がある」
「ああ、六つの五段階評価ってやつですね」
「この試験は優れています、これがあっちの陣営で生まれたのが腹正しいのですか、便利なのでうちでも取り入れたぐらいです、この項目の一つに、現場で再現できるかというものがあります、そのままですが、その立案を現場でそのまま取り入れることが出来るかというものです、迷宮入りを相手に出来る魔法使いというのは、どうしてもこの項目が低い傾向にあります、それはしょうがないのですが」
頭がよすぎて、可能ではあるが、何をいってるんだろうなこの人はになるようなアイディアを出すと、低くなります。
「このチェックをしていると、そこが弱点なのだなと見直してくれる場合も、すんごい低い確率だけどもあるんだよ、そこで一人変わることができた人間を実際にいましたからね、この評価制度の価値はガクンと上がりました」
野然は点数としては平均4.5、現場で再現しやすい点が一番評価されている項目。
「今回は見事に防衛出来ましたし」 
現場で取り入れることがしやすい立案  五点
最後に必ずここに来なければならない、それを見抜いて、犯人の一人が子供を思う親心を利用しての、目的の達成、受け渡しを妨害できました。
おめでとう、そしてありがとうございます。
「時間が来るまでロックされている、その時間が来て、確認されても、水の力で証拠は流れてしまってる、だからどちらも抑えなければ、言い逃れができてしまったでしょう、ご協力ありがとうございます」
こういう今までに類がない、捜査が難しい事件は外部協力者にお願いしていくのだが。
「次の会議でもいうけども、もうそういうことが起きているんだから、対応の予算がつけば解決してたかもしれないが、本当に認められなくてね、それが予算の無駄だと思ってるし、今は頑張れば対応できているんだから、頑張って対応してよみたいに言われてる」
「そんなの現場で聞いたら、みんな怒りますよ」
「だから外部協力者の力で解決して、その書類を一件積み上げて、予算をお願いしますって頼むことにしてるんだよ」
「具体的な予算がおりる期日などは?」
「全然、未定、いやになっちゃうよね、でもこういう書類を積み上げないで話し合いにはならないから、事件は起きてはほしくはないんだけども、起きないと困っちゃう部分はあるわけ、もう少し考え方、頭が柔らかくならないものかなっていつも思っているよ」


「無事解決したって」
「ああ、そう、そうか」
事件が解決するまで野然は緊張している、外にはでないし、飲まないし食べないので、水曇は少し心配するほどだ。
「野然さんって、解決には協力できるけども向いてないね」
「私もそう思う…」
「何か飲みましょう」
「うん、水曇さんは何飲みます?水曇さんも…」
そこで気づく、水曇も先ほど犯人の割り出しに協力してから、解決しましたの報告が来るまで飲み食いをしてないことを。
「何を飲みます?」
「ああ、それじゃあ…」
「水曇さんはちゃんと飲んだり食べたりしないと」
「そうなんですがね、何か起きたら俺がでなきゃって思うと、そんな気分には、あっ、これいただきます」
そういって無糖の炭酸水を口にしている。
「そこまで付き合わなくていいんですよ」
「ん~でもな、何かあったら嫌だしな」
「最終的にはママを呼びますから」
ママ、ナツママ、河川ザメ。
「それだと力業になっちゃいますからね」
うちの子虐めたのは誰だぁぁぁで突撃してきます。
「河川ザメ、人間も動物も同じかもしれませんが、子連れ狙うもんじゃないですからね、俺が聞いた河川ザメの話だと」
川に河川ザメと同じ上位存在の白黒鳥(しろくろどり)が来た。
「鶴とか白鳥みたいな首が長い鳥ですね」
白と黒の模様の比率が群れによって違うので、黒が多いのは黒白鳥ともいわれたりはします。
「これは知り合いから聞いた話なのですが」
ちょっかい出してきて、子供を狙ったのを守ったサメの後頭部にクチバシがガツン、そこでサメは怒りに怒り。
「サッ」
その長い首を蝶結びにしてやるよ。
そのまま白黒鳥は逃げたが、群れで会議が行われ。
「メッ」
煮よう。
人間から火の取り扱いと鍋を買ってきて、この川で見つけたときは煮ることになったという。
「でま空に逃げられたら不利では」
「そこもね、対策しちゃったんだよね」
覚えているだろうか、鮫が鮫を投げて、高く空に向かい、また着地が綺麗なことも。
「その群れ、そこから滑空技術が大変優れていてさ」
直線的ならば車と並走できるスピードが出せる。
「夜中に運転していたら、お化けみたいなもんですよね」
「それかサメ映画が始まったと思うよね」
「リアルにサメ映画を持ち込まないでくださいよ」
はっはっはっ。
「…もしかして、気を使われてます?」
「野然さんは、俺らみたいな世界の住人じゃないから、事が済んだら、さっさっと普通にしてたほうがいいよ」
「擦りきれるとは言いますよね」
「燃え尽きるもあるよ、残念だけどもね、人にこの辺を頼っている限り、対応している人はそうなりやすいんだよ、自分は大丈夫だよって言う人ほどね、弱いかな、そういうことを野然さんは言わないから、やっぱり才能はあるんだと思うよ」
「嫌な才能ですよね」
「必要ではあるから俺はそうは思わない」
「なんか水曇さんが担当な理由がわかった気がしますね、そういう考えに至る人はあまり少ないから」
「そう?大分すごいことをやってると思うんだけどもね」
「こういうことやっていけばわかりますよ、ああ、やっぱり私は人とは違うんだなって」
「本当に違う人はそういうのも感じることはできないから、そこまでいっちゃってる人の方が多いよ、まだ君は戻れるから、そこを忘れない方がいい」
「いつか終わるときが来るか」
「その終わりが幸せな終わり、次に続いてはほしいとは思うよね、説教くさかったね、ごめんね」
「いえ、あなたは私を守るために命をかけてくださっているので、そういう人間の言葉はしっかりと聞きますよ、でなければ…その怖い」
「何が?」
「仕方なくやってる、そんな顔をされるのは嫌かな」
「そこは難しいよね、俺もそういうときはあるよ」
「そんなときは…」
「この担当変わったらそういうところに行くかもしれないから、俺はここでいいよ」
「安全のためなら、どんどん要望をいってくださいね」
そこまでいうと、水曇は何も言えなくなった。
なんで守らなきゃいけない相手に気を使われているんだろうなって。
「そういえば盗聴相手に、怪談で撃退した話があったんですが」
「怪談で撃退でするもんなの、あれ?」
「確認するのが人だからじゃないですかね」
ヘッドフォンで気になる音声を再生したところ、次々に始まる怪談、都市伝説。
「左耳に違和感が出たらしいんですよ、なんかこう、囁かれているような、そしたら女性の声を聞くと、心臓がドキン!と来るようになってという」
「その手が有効なら、衝撃音声を定期的に流したら、盗聴被害減りそうな気がする」
「河川ザメがいる場合なら、川魔法かけちゃうんですがね」
こちらの場合は盗撮にも有効で、川魔法で言うならば魅了をかけるのである。
かけられた方は多少抵抗はあっても、サメ…、サメちゃん好き!となり、解けるまでサメを好きになってしまうのである。
「それって確か十数年単位で解けるやつじゃ」
「レンズ越しでそうですからね、しかもレンズも魔法のせいで性能低下、劣化しちゃうので」
そのためにカメラが必要になり、購入頻度が高くなることで発覚することもあるという。

  
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