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耳供養
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ホラー表現がございます、ご注意ください。
泉呼(せんこ)は持っているナイフをまず一突き、そして交差するように二振り差し込んでから。
「白万(はくまん)さん、終わりました」
「ありがとう、しかし、こんな手もあるのね」
「それこそ、数多のやり方があります、俺ができる呪いへの対処はこれぐらいですかね」
「一週間もすれば何も聞こえなくなるのは、人であることも影響しているの?」
「はい、耳に何かがあれば再生の期限はからこれは来ています、まず『助けて』と声で人を騙さないように封じてから、耳に当たる部分、これがこの二本です」
「サッ」
「見張りのサメさんが来てくれたわ、私たちは引き継ぎしたあと、さっさと帰りましょう」
そういって二人は一週間の見張りをするサメに挨拶してから、引き上げていった。
魔法使いというのは、いることはいるが、変人たちが当たり前のように多い、しかし、そこに『大』がつけば、その変人ぶりよりも恩恵に預かりたいと思う人たちも多い。
そういうところには弟子たちもたくさんいるものなんだが。
「さっきさ、こんなことがあったんだよ」
弟子の一人が話をしてくる。
「本当に耳がないとか、比喩じゃなくて、例え話ではない耳がない話を、師匠がしててさ、気味が悪かったんだ」
うちの先生の悪いところがまた出たらしい。
「しかも女絡みでなんでさ」
先生は気に入った女性ならば、なんであろうが事情に首を突っ込むところがあって、今回もそれらしい。
「たださ、先に他のところが動いたんだと」
「それじゃあ、先生、かなり機嫌が悪いんじゃ」
「いや、そんなことなくてさ、ほら、動いたのがあそこだったからじゃない」
名前を聞いて安心した、あそこは先生のお気に入りのところである。
「でもこれがさ、下手に気に入らないところが横やり来てたら大変だったんじゃない?」
「だろうな」
名前をいくつか浮かべるが、そこだったら、怒鳴り散らされていたかもしれない。
その後、夕食の支度を考えていたら…
「ちょっといいか?」
「あっ、先生、なんでしょうか?」
「耳を貸せ」
そこで顔色が変わったのをみて。
「そうか話が聞こえていたか、別に耳を取ろうって話じゃないぞ」
「そうなんですか?」
「うちの流派でいう耳供養っていうのがあるんだけどもな、他のところでそれに当たることをやったようなんで、それを見に行こうと、勉強になるだろうから誰かつれていこうと思ってな」
「そういうことでしたら」
そういって先生の付き添いで見に行くと、見張りにサメもいるし、何かクレヨンで書き込んでいるサメもいる。
「あのナイフが三本がそうだな」
「何か意味があるんですか?」
「この一本、まっすぐに刺さっているのが喉だ、声をあげさせないってことなんだが、先に刺されているってことは、これは善人を騙したやつか」
「この姿で騙せるんですか?」
「姿じゃないさ、それこそ声だ、喉だ、助けてください、誰か助けてくださいって聞こえたら?」
「そっち見ちゃいますよね」
「それだ、それ、こいつはそれで騙して襲ったんだ、だからまずは喉を潰してから、他の様子を見て何かを考えてしまわないように、それこそ、後ろからだな」
後ろから喉を狙い、地面に縛り付けた後に。
「右、左と耳をな、しかし、これはいい腕だな、躊躇いもないし、よっぽど訓練されたものだ、いや、見に来て良かった」
そしてそれを見ながら何を書き込んでいるサメに。
「お兄ちゃん、何を書いているんだい」
「サッ」
「ああ、面白いな」
先生にはサメの言葉がわかるらしい。
「人が死してどうなるか仏教では九相図ってあるが、このサメの兄ちゃんは、人霊がくくりつけられて、九相図みたいな絵を、どうなっていくかの絵を描いてら」
しかもクレヨンでである。
「もし出来たら見せてくれや、ああそうだ、これは駄賃だ」
「はい」
そういって先生の鞄から財布を出すと、そこから札束を出してサメに渡した。
そして帰りに…
「ああいうのは大事なんだ、道を踏み外したらどうなってしまうのか、いい教えになる、しかし、なんだね、人よりもサメの方が、そこら辺の奴よりを理を知っているね」
始終いたくご機嫌で、その後約束通りにクレヨン九相図が届くと、説教をする際にはそれを見せて、こうはなるなというのである。
泉呼(せんこ)は持っているナイフをまず一突き、そして交差するように二振り差し込んでから。
「白万(はくまん)さん、終わりました」
「ありがとう、しかし、こんな手もあるのね」
「それこそ、数多のやり方があります、俺ができる呪いへの対処はこれぐらいですかね」
「一週間もすれば何も聞こえなくなるのは、人であることも影響しているの?」
「はい、耳に何かがあれば再生の期限はからこれは来ています、まず『助けて』と声で人を騙さないように封じてから、耳に当たる部分、これがこの二本です」
「サッ」
「見張りのサメさんが来てくれたわ、私たちは引き継ぎしたあと、さっさと帰りましょう」
そういって二人は一週間の見張りをするサメに挨拶してから、引き上げていった。
魔法使いというのは、いることはいるが、変人たちが当たり前のように多い、しかし、そこに『大』がつけば、その変人ぶりよりも恩恵に預かりたいと思う人たちも多い。
そういうところには弟子たちもたくさんいるものなんだが。
「さっきさ、こんなことがあったんだよ」
弟子の一人が話をしてくる。
「本当に耳がないとか、比喩じゃなくて、例え話ではない耳がない話を、師匠がしててさ、気味が悪かったんだ」
うちの先生の悪いところがまた出たらしい。
「しかも女絡みでなんでさ」
先生は気に入った女性ならば、なんであろうが事情に首を突っ込むところがあって、今回もそれらしい。
「たださ、先に他のところが動いたんだと」
「それじゃあ、先生、かなり機嫌が悪いんじゃ」
「いや、そんなことなくてさ、ほら、動いたのがあそこだったからじゃない」
名前を聞いて安心した、あそこは先生のお気に入りのところである。
「でもこれがさ、下手に気に入らないところが横やり来てたら大変だったんじゃない?」
「だろうな」
名前をいくつか浮かべるが、そこだったら、怒鳴り散らされていたかもしれない。
その後、夕食の支度を考えていたら…
「ちょっといいか?」
「あっ、先生、なんでしょうか?」
「耳を貸せ」
そこで顔色が変わったのをみて。
「そうか話が聞こえていたか、別に耳を取ろうって話じゃないぞ」
「そうなんですか?」
「うちの流派でいう耳供養っていうのがあるんだけどもな、他のところでそれに当たることをやったようなんで、それを見に行こうと、勉強になるだろうから誰かつれていこうと思ってな」
「そういうことでしたら」
そういって先生の付き添いで見に行くと、見張りにサメもいるし、何かクレヨンで書き込んでいるサメもいる。
「あのナイフが三本がそうだな」
「何か意味があるんですか?」
「この一本、まっすぐに刺さっているのが喉だ、声をあげさせないってことなんだが、先に刺されているってことは、これは善人を騙したやつか」
「この姿で騙せるんですか?」
「姿じゃないさ、それこそ声だ、喉だ、助けてください、誰か助けてくださいって聞こえたら?」
「そっち見ちゃいますよね」
「それだ、それ、こいつはそれで騙して襲ったんだ、だからまずは喉を潰してから、他の様子を見て何かを考えてしまわないように、それこそ、後ろからだな」
後ろから喉を狙い、地面に縛り付けた後に。
「右、左と耳をな、しかし、これはいい腕だな、躊躇いもないし、よっぽど訓練されたものだ、いや、見に来て良かった」
そしてそれを見ながら何を書き込んでいるサメに。
「お兄ちゃん、何を書いているんだい」
「サッ」
「ああ、面白いな」
先生にはサメの言葉がわかるらしい。
「人が死してどうなるか仏教では九相図ってあるが、このサメの兄ちゃんは、人霊がくくりつけられて、九相図みたいな絵を、どうなっていくかの絵を描いてら」
しかもクレヨンでである。
「もし出来たら見せてくれや、ああそうだ、これは駄賃だ」
「はい」
そういって先生の鞄から財布を出すと、そこから札束を出してサメに渡した。
そして帰りに…
「ああいうのは大事なんだ、道を踏み外したらどうなってしまうのか、いい教えになる、しかし、なんだね、人よりもサメの方が、そこら辺の奴よりを理を知っているね」
始終いたくご機嫌で、その後約束通りにクレヨン九相図が届くと、説教をする際にはそれを見せて、こうはなるなというのである。
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