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ハイとイイエ
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覆木(おおうき)と水芭(みずば)異変に気づいたために急行すると、事件が起きていたのだが。
「ああ、これは」
「うちでは無理なやつですね」
どうやら犯人は人のようだが、どうやったのか皆目検討もつかない。
「じゃあ、あいつらに頼むか、もしもし俺だけども」
「ハイ」
連絡先は男性のようだ。
「薄縁(うすゆかり)いる?」
「ハイ」
「もしもーし」
相手は女性に変わる。
「お金になる話かな?」
「そうだよ」
「さすが覆木さん、お金払いがいいから、そんなお仕事は歓迎だよ!」
その声が水芭にも聞こえてくるので、変な顔をしている、あまり得意なあいてではないようだ。
「あいつが犯人ですか?」
「ハイ」
「理由は金目当てですか?」
「イイエ」
「そっか調査を見直さなきゃならないね」
「ハイ」
そこで男の首に巻かれたストールを直し。
「私たちで解決するよ!」
「ハイ」
「じゃあ、行こうか」
「ハイ!」
「というわけで調査が終わるまでは、待機ということで」
barに事務所の関係者が集まる。
「ミツさん、これ賄いね」
水芭はオムライスを作り。
「可愛いですね」
ケチャップでウサギを書いてくれた。
「それじゃあ休憩室で食べてきます」
「ミツちゃん行ってらっしゃい!」
男だけの空間になる。
「先日お前らのファンと飲んだんだけどもさ、一番盛り上がった話ってなんだと思う?」
「さぁ?」
「水芭が作ったフードメニューの写真見せたら、めちゃんこ受けたわけ」
「今度このbarに連れてきてくださいなんて言われて、連れてきたら承知しないからな」
防犯の関係で、関係者以外は入店できません。
「それはわかってるし、なんていうの、その方がいいんだって、また写真見せてくださいねって言われるから、しかし、水芭さ」
「なんですか?」
「やっぱりミツちゃんいると仕事楽になったっていうか、今まで大変だったんだなって、出てくる料理の力の入れ方が違いすぎる」
「ミツさんがいると、火の元からイチイチ離れなくてもいいから楽ですね」
「ああ、それはでかい話だな」
これは表向きな理由だ、先日の術の掛け合いにより、体力が向上してしまったために、それを料理にぶつけている。
今日だって朝から玉ねぎの大量の仕込みを行っていた、おいしいマリネは夕方頃には付け上がるはずだ。
「そういえばさっきのオムライス、あれってあいつから教えてもらった奴か」
「俺の料理はこの事務所に来てから覚えたものですから」
「あいつも生きていたら、事務所ももっと賑やかだっただろうよ、ああ、そういえば調査を頼んだやつは会うの初めてか、あれだろ、男の方は病気だか怪我だかで上手くしゃべれないとかで」
「そうね!」
「なんだ、この元気そうな娘さんね」
「ああ、こいつが調査を担当してもらった薄縁に、羽重(はざかね)だ、調査の方は終わったのか」
「ハイ」
「そいつはすげぇな」
そこにbarが賑やかになったので、ミツが急いで食事を終えて戻ってきた。
「新しい証拠、まだ誰も掴んでないものもバッチリよ」
「すごい」
「もっと誉めてちょうだい」
「ハイ」
ここで羽重に対して違和感に気づく。
「ああ、彼はちょっとしゃべるのが苦手なの、受け答えはハイかイイエで答えられるものにしてちょうだい」
そう説明されると、羽重は首の回りに巻いたストールを直した。
「わかりました、気を付けます」
しかし、ミツには難しいようで。
まずその質問が出てこない。
やっと出てきたのが…
「お水飲みますか?」
「イイエ」
その間に薄縁の口頭を交えた報告は完了する。
「じゃあ、また何かあったら、お仕事回してね!行くわよ」
「ハイ」
「本当にハイとイイエだけなんですね」
「でも正確にはそうじゃないよ、正確にはハイとイイエと彼女の名前、薄縁の名前だけを口にするんだよ」
「あ、それって」
(あっ、そういう関係なのね)
(誤解されているようだけども、ごめんね、薄縁)
覆木の顔に。
(からかってるな)
水芭だけが見抜いていた。
「ああ、これは」
「うちでは無理なやつですね」
どうやら犯人は人のようだが、どうやったのか皆目検討もつかない。
「じゃあ、あいつらに頼むか、もしもし俺だけども」
「ハイ」
連絡先は男性のようだ。
「薄縁(うすゆかり)いる?」
「ハイ」
「もしもーし」
相手は女性に変わる。
「お金になる話かな?」
「そうだよ」
「さすが覆木さん、お金払いがいいから、そんなお仕事は歓迎だよ!」
その声が水芭にも聞こえてくるので、変な顔をしている、あまり得意なあいてではないようだ。
「あいつが犯人ですか?」
「ハイ」
「理由は金目当てですか?」
「イイエ」
「そっか調査を見直さなきゃならないね」
「ハイ」
そこで男の首に巻かれたストールを直し。
「私たちで解決するよ!」
「ハイ」
「じゃあ、行こうか」
「ハイ!」
「というわけで調査が終わるまでは、待機ということで」
barに事務所の関係者が集まる。
「ミツさん、これ賄いね」
水芭はオムライスを作り。
「可愛いですね」
ケチャップでウサギを書いてくれた。
「それじゃあ休憩室で食べてきます」
「ミツちゃん行ってらっしゃい!」
男だけの空間になる。
「先日お前らのファンと飲んだんだけどもさ、一番盛り上がった話ってなんだと思う?」
「さぁ?」
「水芭が作ったフードメニューの写真見せたら、めちゃんこ受けたわけ」
「今度このbarに連れてきてくださいなんて言われて、連れてきたら承知しないからな」
防犯の関係で、関係者以外は入店できません。
「それはわかってるし、なんていうの、その方がいいんだって、また写真見せてくださいねって言われるから、しかし、水芭さ」
「なんですか?」
「やっぱりミツちゃんいると仕事楽になったっていうか、今まで大変だったんだなって、出てくる料理の力の入れ方が違いすぎる」
「ミツさんがいると、火の元からイチイチ離れなくてもいいから楽ですね」
「ああ、それはでかい話だな」
これは表向きな理由だ、先日の術の掛け合いにより、体力が向上してしまったために、それを料理にぶつけている。
今日だって朝から玉ねぎの大量の仕込みを行っていた、おいしいマリネは夕方頃には付け上がるはずだ。
「そういえばさっきのオムライス、あれってあいつから教えてもらった奴か」
「俺の料理はこの事務所に来てから覚えたものですから」
「あいつも生きていたら、事務所ももっと賑やかだっただろうよ、ああ、そういえば調査を頼んだやつは会うの初めてか、あれだろ、男の方は病気だか怪我だかで上手くしゃべれないとかで」
「そうね!」
「なんだ、この元気そうな娘さんね」
「ああ、こいつが調査を担当してもらった薄縁に、羽重(はざかね)だ、調査の方は終わったのか」
「ハイ」
「そいつはすげぇな」
そこにbarが賑やかになったので、ミツが急いで食事を終えて戻ってきた。
「新しい証拠、まだ誰も掴んでないものもバッチリよ」
「すごい」
「もっと誉めてちょうだい」
「ハイ」
ここで羽重に対して違和感に気づく。
「ああ、彼はちょっとしゃべるのが苦手なの、受け答えはハイかイイエで答えられるものにしてちょうだい」
そう説明されると、羽重は首の回りに巻いたストールを直した。
「わかりました、気を付けます」
しかし、ミツには難しいようで。
まずその質問が出てこない。
やっと出てきたのが…
「お水飲みますか?」
「イイエ」
その間に薄縁の口頭を交えた報告は完了する。
「じゃあ、また何かあったら、お仕事回してね!行くわよ」
「ハイ」
「本当にハイとイイエだけなんですね」
「でも正確にはそうじゃないよ、正確にはハイとイイエと彼女の名前、薄縁の名前だけを口にするんだよ」
「あ、それって」
(あっ、そういう関係なのね)
(誤解されているようだけども、ごめんね、薄縁)
覆木の顔に。
(からかってるな)
水芭だけが見抜いていた。
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