浜薔薇の耳掃除

振れば金が出る魔法の杖

名前を伏せられた職員たちは、管理の直属の上司がざっくりとやれることを把握しているが。
「あの～報告を見てもなんでこれができるのかわからないのですが」
異動によって配属してきた職員が先輩に聞くと。
「慣れです、慣れといえば簡単なんですが、そのそのままのことが彼ら彼女らはできます」
「そ、そうなんですか」
「はい、だからまずは観察してください、猫とケットシーを見抜く試験合格してきたわけですし、それと一緒ですよ」
「はぁ」
まずは名伏せの職員を束ねることになると、観察から始まる。
(あっ、こっちを見てる)
新人役職持ちがそう思って自分も目線を移すと、名伏せの職員たちはスッと視線から消えた。
でも嫌われているというわけではなく、きちんと決めれた報告はこの状態でもしてくれるのだが。
(どうしてこれで、利益出せるんだろう？)
本日もドドン！と出していますが、常識を知っているものほど、頭をひねる数値が出ていた。
振れば金が出る魔法の杖を持っている。
そういう言葉がよぎるが、ＫＣＪは魔法の世界も近いし、魔法の使い手もいる。
「魔法の使い手も人それぞれ、色んなやり方があります、今日こちらに回復の応援に来てくれた彼女は仙術系統ですね」
「私の場合は仙術でも、基本的な考えを取り入れた後に、日本や他の地域で発展したものかんで、マイナーになりますよ」
使いたい属性の杖を持つが、魔法自体は魔法が使え、教えれるものから授からなければならないタイプ。
「自分で到達する人もいますから、そちらに興味ある人は資料を見て、問い合わせ先と相談してみてください」
ＫＣＪの職員ないし、戦闘許可証があると、すぐに取得できるものもある。
「意外と魔法のためにはＫＣＪ来ないからな」
やはりここの強みは、支援活動なのではないだろうか。
設立のきっかけのケットシーの一鳴き。
それはみなを守るように。
しかし、その頃といえば毎年飢餓との戦いであった。
「ＫＣＪは名伏せがその対策を引き受けたりして効果をあげてますが、他の地域ではこういうスタッフはいないですからね」
ジャパニーズ…サムライ…ニンジャ
そう呼ばれたこともあった。
サムライはまだわかる、武士は食わねど高楊枝とかそういうニュアンスだった、しかしニンジャってなんだっけかな、あっ、こっちが見ると視界から消えるってことか。
ここまで利益をあげれる人たちならば、それこそ好きなものを買ったり、豪遊しそうなものなんだが。
「あっ、そういうのいいんで」
話の途中で一人が強制終了させた。
「まずいこと聞きましたからね？」
「よく聞かれることだからだよ、ほら、お金持ってる、気が弱そうってなると目をつけられるわけよ」
え～お金持ちなんですか？すごいですね。
「利益を作り出せる人間は、かなりレアじゃないですか？それこそ、大魔法とかあのレベルに匹敵するので」
そのため管理の役職持ちだと、お金の誘惑に負けないであろう人間が選ばれるとされている(非公開)
「そりゃあそうでしょうね、いちいちお金がたくさんあるで叫んだら、仕事になりませんもんね」
「そうです、そうです、彼ら彼女らは仕事の休みもＫＣＪの敷地からでない場合もありますし」
地方のＫＣＪの敷地は広い、どのぐらい広いかっていうと、正門で整備の大爆発音を聞いても、気にならないぐらい。
失礼、敷地内で大爆発を聞いているなら、正門からの大爆発音は気にならないぐらいである。
そこに社宅がいくつか点在して、理容ルームの春隣もＫＣＪで働きはじめてからは、それまで住んでいた父との家からお引っ越しして社宅の一つにすんでいた。
「元々理容ルームは、出張理容などに来てもらうために設備はあったんですが、ちょっと古くて」
それでも春隣は新しいものを入れず、使えるものは入れ。
「実はこのレトロな鏡、木製でちょっとこだわっているでしょ？これは春ちゃんの実家のものなんです」
ぼろぼろになっても捨てられないところがあったが、お客さんがいるという気持ちで、新しいのを変えていったようだ。
「理容ルームＢＧＭからして選曲いいんだよな」
「それも春ちゃんお父さんと聞いてたみたいだよ」
ただＢＧＭはイホ・デ・ニコラスが登場するとガラリと変わった。
「客層もね、先日までは戦闘職の人が多かったからね」
戦闘証許可申請試験、天道のヘッドスパ、天使イホ・デ・ニコラスと天人アンセルモのタッグを次の試験までに経験したい、受験者、更新者が多かったのだが。
戦闘職の人が大捕物が発生したために、その準備と移動のために減っていった。
「あれ、理容ルームって空いてるの？」
「昨日まで混んでて、だけど今日はこの時間は、夕方からはまた混み合うんですが」
「ああ、それならばいい機会だから、頼むか」
購買にて理容ルームの利用券を購入するのだが、購買は購買でも表側誰でも利用できる購買、いわゆる表購買で販売しています。
「しかし、ナリタツさん珍しいですね」
「本当はこの時期に仕事はしないんだがな」
ナリタツさんに仕事を仕事を頼んだＫＣＪの職員は、子供の入学式でした。
「さすがに入学式の準備で忙しい時につれ回すわけにはいかないし」
引き継ぎの資料を渡しに来た際に入学祝を渡しました。
だがしかし、少し前から始まった河川ザメによる育児のサービスによって、職員夫妻がパパママとしてやることはかなり減ったという。
「帰ってきたら家事が全部終わってるし、子供の体力はすごいとはいうけども、サメにはかなわないから、夜ぐっすりだし、このサービスはもうずっとお願いしたい」
持ち物全部に名札を書く作業も、頼むと家政保育の協会にいる達筆のサメ達がすぐにやってくれる。
サメたちの方からも、前は勝手に育てたら怒られたりしたものなんだけども、育ててもいいよって先に言われるのはありがたい。
お父さんお母さん、このサービスの良いところを聞かせていただきましたが、改善してほしいところはありますか？
「そうだな、子供がサメ語で返事をする時があるから、それが心配」