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照明をつけますか?
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ホラー展開です、ご注意を。
「またこれはとんでもない」
「ナリタツさんから見てもそうですか」
「ここだけ時間が流れてない、大分執着があるというか、良いところとしては自分から手離したくないというより、誰かが解放してやらなければならないという点だろうな」
入学式で忙しい職員に代わって、ナリタツが出向いた先は、日中なのに人通りが全くない道路に面した家屋である。
「作りとしては現代なのですが、場所が場所だけに中は迷わせる作りになってますね」
「大道もここから近いから、小競り合いしていた時代の工夫だろうな」
最初から片手で使える剣を抜いていく。
「山と同じだよ、邪魔なものはこれで払う、ついてくるか?」
「すいません、私は戦力にはならないもので」
「それなら定期連絡が切れたらすぐに本部に救援頼むわ」
「わかりました」
建物に入るとまず線香臭い。
(仏壇を探すか?)
申し訳ないが土足だ。
扉を一つ開ける、仏壇ではなく、布団があり、安置されているものがある。
(さすがにこれは確認出来んな)
罠である可能性がでかい。
ピチャン
滴り落ちる音。
(雨漏りか、そういえば長年修繕もされてないといってたから)
気になる点をつけていくが。
引き戸がある。
ずいぶんと古いが、開けると、薄暗くて先がどこまでか見えない廊下が続いていた。
(こりゃまたとんでもない、こっちは建物の作りが違うぞ)
奥の建物はそれこそ古い。
遠足で回るような歴史のある建物のようなら古さだ。
「聞こえますか?」
「ああ、大丈夫、聞こえてる」
定期連絡の時間である。
「奥に資料にはなかった建物があるんだが」
「えっ?それはすぐに引き返してください」
「いや、これは大丈夫」
髑髏の鍵を出しても死者の声は拾えない。
「もう、じゃあわかりました、勝手にするなら、私も勝手に至急応援呼びますからね」
いいやつだなと思った。
だからKCJの仕事は受けていて楽しい。
お金もいいし、最高である。
(おっ)
ザザザザ
鍵が死者の声を拾った。
中から鍵がついた部屋から聞こえるらしいが、テレビを見ているらしい。砂嵐の画面をバラエティー番組を見てるかのように、時折笑っている。
これはさすがに関係ないだろうなと思ったところ、中から封筒がこちらに差し出された。
カンリニンサンヘコンゲツノヤチンデス
「管理人に会ったらきちんと渡しておく、いなかったら、管理人さん宛にポストに投函しておくから」
そういうとまたテレビの砂嵐音が聞こえてきた。
古い照明がある。
照明をつけますか?
照明をつけませんか?
(悩ましい問題だな)
つけることで見えるだろう、ただ見えてはいけないものも見えるだろう。
ナリタツはどっちも経験したことがある。
照明をつけるとそこには食卓があり、家族の会話が和やかに始まっているのを見たし。
この場合はこれがヒントになって、再度調べることによって、殺人事件の犯人がわかった。
逆に照明をつけたことによって、背後をとられて、そのまま脱出するまで追いかけられたこともある。
(今日は危険なことはしないでいいか)
その管理人さんへの封筒、それを持ったまま玄関まで戻ってきた。
「ナリタツさん、無事でしたか!これから空家対策の人たちが来るんですが」
「ああ、悪いな、解決出来なくて応援呼ばせて」
「安全が第一ですから、…ナリタツさん、何を持ってるんです?」
「封筒」
明らかに訳ありのアイテム。
「何か書くもの、紙とかある?」
「はい!」
紙に管理人さんへ代わりに受けとりましたので、こちらに投函します。家のポストに投函したら。
落ちる音がしなかった。
「それでナリタツさん、今回の」
「しっ、静かに」
特に気にしてない職員が仕事の話を続けようとしたところ、ナリタツにとめられた。
スッ~
扉の下から「お礼」と書かれた封筒が差し出された。
「それ受けとるんですか?」
「えっ?受け取らないのか?」
ナリタツは封筒を受けとる。
「だって何が入っているのかわからないじゃないですか?」
「きちんと話がわかるのならば逆に受け取った方がいいんだがな」
「そういうものなんですか?」
「自分のお礼を断られると癇癪起こす場合がある」
「それは…関わりたくない」
「こういうのは必要最低限でいいんじゃないかな」
ズブズブのナリタツさんから言われました。
「俺の場合は、生活出来なくて、こういう仕事をし始めたからな」
前の人がやめることになったんで、新しい人を探してたんだよ。
「そうじゃないなら、平和が一番じゃないかって」
KCJの社用車が見えた、反対車線のためぐるりと回ってきてから、問題の家の前に止まった。
「またこれはとんでもない」
「ナリタツさんから見てもそうですか」
「ここだけ時間が流れてない、大分執着があるというか、良いところとしては自分から手離したくないというより、誰かが解放してやらなければならないという点だろうな」
入学式で忙しい職員に代わって、ナリタツが出向いた先は、日中なのに人通りが全くない道路に面した家屋である。
「作りとしては現代なのですが、場所が場所だけに中は迷わせる作りになってますね」
「大道もここから近いから、小競り合いしていた時代の工夫だろうな」
最初から片手で使える剣を抜いていく。
「山と同じだよ、邪魔なものはこれで払う、ついてくるか?」
「すいません、私は戦力にはならないもので」
「それなら定期連絡が切れたらすぐに本部に救援頼むわ」
「わかりました」
建物に入るとまず線香臭い。
(仏壇を探すか?)
申し訳ないが土足だ。
扉を一つ開ける、仏壇ではなく、布団があり、安置されているものがある。
(さすがにこれは確認出来んな)
罠である可能性がでかい。
ピチャン
滴り落ちる音。
(雨漏りか、そういえば長年修繕もされてないといってたから)
気になる点をつけていくが。
引き戸がある。
ずいぶんと古いが、開けると、薄暗くて先がどこまでか見えない廊下が続いていた。
(こりゃまたとんでもない、こっちは建物の作りが違うぞ)
奥の建物はそれこそ古い。
遠足で回るような歴史のある建物のようなら古さだ。
「聞こえますか?」
「ああ、大丈夫、聞こえてる」
定期連絡の時間である。
「奥に資料にはなかった建物があるんだが」
「えっ?それはすぐに引き返してください」
「いや、これは大丈夫」
髑髏の鍵を出しても死者の声は拾えない。
「もう、じゃあわかりました、勝手にするなら、私も勝手に至急応援呼びますからね」
いいやつだなと思った。
だからKCJの仕事は受けていて楽しい。
お金もいいし、最高である。
(おっ)
ザザザザ
鍵が死者の声を拾った。
中から鍵がついた部屋から聞こえるらしいが、テレビを見ているらしい。砂嵐の画面をバラエティー番組を見てるかのように、時折笑っている。
これはさすがに関係ないだろうなと思ったところ、中から封筒がこちらに差し出された。
カンリニンサンヘコンゲツノヤチンデス
「管理人に会ったらきちんと渡しておく、いなかったら、管理人さん宛にポストに投函しておくから」
そういうとまたテレビの砂嵐音が聞こえてきた。
古い照明がある。
照明をつけますか?
照明をつけませんか?
(悩ましい問題だな)
つけることで見えるだろう、ただ見えてはいけないものも見えるだろう。
ナリタツはどっちも経験したことがある。
照明をつけるとそこには食卓があり、家族の会話が和やかに始まっているのを見たし。
この場合はこれがヒントになって、再度調べることによって、殺人事件の犯人がわかった。
逆に照明をつけたことによって、背後をとられて、そのまま脱出するまで追いかけられたこともある。
(今日は危険なことはしないでいいか)
その管理人さんへの封筒、それを持ったまま玄関まで戻ってきた。
「ナリタツさん、無事でしたか!これから空家対策の人たちが来るんですが」
「ああ、悪いな、解決出来なくて応援呼ばせて」
「安全が第一ですから、…ナリタツさん、何を持ってるんです?」
「封筒」
明らかに訳ありのアイテム。
「何か書くもの、紙とかある?」
「はい!」
紙に管理人さんへ代わりに受けとりましたので、こちらに投函します。家のポストに投函したら。
落ちる音がしなかった。
「それでナリタツさん、今回の」
「しっ、静かに」
特に気にしてない職員が仕事の話を続けようとしたところ、ナリタツにとめられた。
スッ~
扉の下から「お礼」と書かれた封筒が差し出された。
「それ受けとるんですか?」
「えっ?受け取らないのか?」
ナリタツは封筒を受けとる。
「だって何が入っているのかわからないじゃないですか?」
「きちんと話がわかるのならば逆に受け取った方がいいんだがな」
「そういうものなんですか?」
「自分のお礼を断られると癇癪起こす場合がある」
「それは…関わりたくない」
「こういうのは必要最低限でいいんじゃないかな」
ズブズブのナリタツさんから言われました。
「俺の場合は、生活出来なくて、こういう仕事をし始めたからな」
前の人がやめることになったんで、新しい人を探してたんだよ。
「そうじゃないなら、平和が一番じゃないかって」
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