浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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これは確かに大事件

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「実はKCJ、植物工場も所有しておりまして…」
植物工場は参入と撤退が繰り返される分野であり。
「撤退したものを引き受けたという形ですね、ですが現在でも生産能力は…食料について大丈夫なのか?というお話でしたので、こちらの話もしましたが、安心した顔を見る限りでは、やはりこの話をして正解でしたね」
露地栽培より高速生産ができるそうだ。
「場所は、今、何かありますと問題なので秘密となっております」
採算がネックとありますが。
「そういうのを最初から考えるようではうちは引き受けてませんよ」
そのうち食べ物が買えないぐらい高くなるか、そもそも販売しなくなるかもしれない。
「これと全国の保存食として製造されていた歴史がある食品メーカーに、当時の製法に近いものを発注しておりますので、こちらも各支部の倉庫に保存となっております」
KCJが本気を出してきた。
(蕎麦と蕪のプロジェクトも、公式発表できる日が来るといいな)
これだからKCJは、叡知結集して乗り越えようとしてやがる。
蕎麦の花はもう少しで咲くだろう、蕎麦の花言葉はご存じだろうか、いくつかあるのだが、ここに相応しい言葉を一つ。
蕎麦の花言葉
「あなたを救う」

『んほっ!ミルク』

食事。
浜薔薇で働いている人間はできるだけ一緒に食べることにはしていた。
「なんか慣れねえもんだな」
タモツがそういうが、タモツが修行を始めた頃と言えば、お客さんが一息ついたときに適当に食事をするものだったからだ。
「今回は薬の時間もありますけども、出来れば食事の時間はいつも同じぐらいにしていただければ…」
タモツの主治医からそう蘆根が説明されてからはこうなった。
もちろん、忙しいときはそうもいかないのだが。
ストン
ケットシーのビタンがどこからか飛び降りてきた。
「なんでぇ、飯か」
傍らにはニヤリもいるし、スタスタとイツモも歩いてきた。
そういうのをケットシーが察してくれているらしく、その穴を埋めていた。
蘆根はそれを見ると安心し、耳掃除に移っていく。
グイっと耳を広げると奥まで見えない。
これは崩して、かき出して、大仕事の始まりだと思ったら、バリっと大きな塊で取れてくれた。
そりゃあ付着している耳垢なので、簡単にとれた方がいいのだが、それはそれ、少しだけ物悲しい気持ちになる。
この時期になるとベタつきが気になるというお客さんも増え出す。
そのため耳掃除の後に、シャンプーし、耳も洗うという形を取っている。
「これね、本当にありがたいんですよ」
シャンパーのリーダーは語る。
「他のお店でシャンプーしてもらってですね、髪を拭いて、最後に耳で仕上げるじゃないですか、あの時ね、耳がベタベタなんでね、タオル、おそらく汚いんだろうな、ごめんなさいって思っていたんですよ」
それがだ。
浜薔薇ではシャンプーした後に、耳の後ろ、耳が人目につく部分を別に洗ってくれるのである。
「いきなりああいうサービス始めたんですよ」
えっ?だってリーダー○つけているから、いいものだと思ってるよ。
「心憎いサービスなんですが、その後不意に耳に触れると全然ベタベタしてないに驚くんですよね」
そしてこの時期には+クレンジングもあるよ、週末になるとクレンジングで、月曜日からの疲れと共に流されちゃうよ!
「他の店に行く会員もいますが、私は浜薔薇以外を選ぶ理由が無くなってるんですよね」
「リーダー、大変だ!」
「どうしましたか!」
「山宮さんが今日は餃子を焼きたくなったとかで、キッチンカーが衛生班の駐車場に来たよ」
「ほう!それは美味しい餃子の匂いが浜薔薇店内に入り込まない配慮!これは大事件ですね」
ジュウウウウ
山宮はラー油で長ネギを軽く炒めていた。
すいません、これは確かに大事件なので話はここで終わらせてもらって、ご飯片手に用意しだい、ただちに現場に急行します。
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