浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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審判まで吹っ飛ばしたらボール

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「お父さんとお母さんは?」
「別のところにいるよ」
「なんでいないの」
「う~ん」
サンタさんは困ったようで。
「お父さんとお母さんはね、サンタさんと君を探す競争をしていたんだよ、今回はサンタさんが勝ったんだ、だからね次は、君がお父さんとお母さんと競争しようね」
「何を?」
「幸せになる競争かな」
「?」
「まだちょっと難しかったかな?」

今ならわかるよ、サンタさん。
本当のこと、伝えられなかったんだね。
大丈夫、サンタさん、僕は正しく生きる。
だから心配しないで…

『サメサメベースボール!』

サメサメベースボールは野球と違うルールがたくさんあるぜ。
 まず一つは…
 ズバァァン!
 キャッチャーが投球受けると吹っ飛ぶことがよくあるんだけども。
 「おおっと球審が吹っ飛びました」
 審判まで吹っ飛ばしたらボール扱いになるんだ。
 キャッチャーが吹っ飛ぶが、審判は吹っ飛ばさない球威が求められるのがサメサメベースボールに必要とされるスキルなんだぜ!

『こちらが理容室なんですよ』

「ありがとうございます」
KCJの職員に連れられて、ゲストパスを首から下げた人が理容室にやってきた。
「あっ、本当にサメさんなんだ」
「サッ」
ヒレを元気にあげた。
「じゃあ、そうだね、髪を切ってもらえるかな」
「髭剃りと耳掃除もおすすめですよ」
「そうなのかい?お願いしようかな」
「では後で来ますから、春ちゃんよろしく」
そういってお客さんの準備をし始めた。
「のう!」
職員が理容室出てから半透明のてるやんに呼び止められた。
「なんでしょ」
「ありゃ大丈夫なのか?」
「わかりますか」
「春ちゃんに危ない目に合うようなら」
「ここはKCJですよ」
「そうじゃった、すまんのぅ、過保護になっとったわ」
「いいえ、仕方がないです」
「でもどういうことかだけは教えてくれんか?」
「もちろんです、あのお客さんは調査を頼まれまして」
「お化けのか」
「目がずっとこっちを見てるそうです」
「目?」
図にすると右端下から両目がいつもこっちを見ている。顔の形は見えない。
「見たくないと瞼を閉じると、かえってその目がはっきりとするので、寝てなれなかったんですよ、だから職員が迎えに言って、何かあるかな?と思ったらなかったから良かったですけども、さっきまで服薬してもらって久しぶりにぐっすり寝てました」
そうなると、冷静になり、鏡を見て自分の姿に驚くのである。
「こういう時理容室あるとありがたい
「それでどっからか拾ってきたんじゃろうか?」
「かもしれませんし、他の何か…」
そこで職員の端末にメッセージが、読んでからすぐに返信して。
「わかりました、所有している物件、廃墟となっている山奥のものから来てるようです」
「そいつは…」
「事情は色々でしょう、そこまで突っ込むつもりはありませんけども、肝試しスポットとかになってるようですし、今の連絡情報部調査室なんですが、なんか家出した女の子がいたんで、KCJで調査のバイトとして雇えないかってもちろんですok出しましたけども」
「そこは、KCJはなんちゅうか、義理堅い」
「そうですかね」
「そのまま職員コースか?」
「場所が場所だけにそうなりそうなんですよ、ああいうところにいると、居続けるってだけで適性ありますからね」
ダメな人は拒絶反応が出る。
「欠けた心、何か喪失しているとそういうところ居やすくなるとかはいいますが」
「どっちにせよ、金がなければ話にならん」
「うちでなければ雇えないとか、本当に最近多すぎですよ」
「平時には気づかれない価値じゃが、事が起きれば何倍以上も輝く、そうしてお前んところは大きくなったと聞いたぞ」
「KCはそうでしょう、うちはそこまでは」
「か~謙遜してる」
そんな話の裏側で耳を綿棒で掃除し始めた、耳の入り口が汚れている、お団子綿棒で拭き取ると、綿棒の色は代わり、毛と乾いた垢を巻き込んだ。
これは耳かきも念入りにしなければならない。
店主は奥を覗きこむ、毛がクモの巣のように張るその中に潜む存在を感じ取った。
 

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