浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

文字の大きさ
上 下
282 / 993

最後はやったぜ!

しおりを挟む
「現在のフードバンクなどだと、冷蔵や冷凍の品物は引き受けてませんからね」
それを調理できる人、そして様々な調理加工ができる機械がある。
「KCJだと、そこでは引き受けてないものも調理して加工してますし」
「現在各地で収穫期なので、調理室がある支部は忙しくなってます」
例年はそのまま備蓄に回されるのだが。
「このペースだと備蓄はそうないですね」
作っては消え、作っては消え。
その話を聞いたら遠い西のおっちゃんはショックを受けそうだが。
「今食べている人の分は確保してはいるんです、いきなり何かが起きているから、そっちの変動分が読めないんです」
管理する側としては、毎回食べてくれるぶん、固定値はそのままにしてくれた方が楽。
「レトルト加工できる機械もあるんですが」
こちらはこの支部の調理担当者である山宮の採用が決まってから、各支部に山宮の腕を見てもらうために使っていた。
「これがね、今二台あって、一台はずっと稼働しているのが例年にはないことですから」
小さいやつでも何百万もするよ。
「こっちの予備の方は、中古なんですけども」
買うために、中古を扱う会社に出物がでたら、整備が見に行って。
「他の支部でもほしいところあったので、とりあえず予算と質があったらで揃えていって、予備ということになったら、値段を見て安かったら買うってことにしたら」
食品工場の物を色々と買わないかという話になってしまい。
「とりあえず、今回はこれでとは言いましたが」
そっからKCJは今も十分にお金があると知られてしまったらしく、売り込みが凄まじいことにはなっている。
「でもまあ、予算は守らないとおりませんからね」
そこは管理から厳守されていたりする。
が。
その前提が崩れるときもある。
「整備が破損していても修理できるようになりました」
「そうですか」
これで修理するには高くつくものも入れれるようになる。
「だいたい古かったり、そういうのって重いんですけども」
「よーし現在の規格に合わせて、本気出しちゃうぞ!」
それが整備の心にやる気を付けた。
もっと違うときにやる気だしてよと管理は思ったという。
寒くなると、KCJの整備には地域によっては来客も多くなる。
「車検もやっているんですが、タイヤ交換なも各種サービスも行っているんで」
そのためKCJの整備部は支部内でも別の入り口があり、そこに色んなところから車両が持ち込まれる(ナンバープレートを見るかぎりでは本当にあちこち)
山宮がいる支部は待っている間、この奥に待合所があるのだが、ここのおやつならば食べ放題である。
「お知らせします、本日のおやつが焼き上がりました」
この放送は待合所にも流れるから、今の何?って顔をお客さんたちはするが。
「お客さん、今日はホクホクカボチャのパイとか作ったっていってるけど、焼きたて食べる?」
「えっ?いいんですか?」
「あのアナウンス流れると、みんながおやつを取りに行くんだ」
待合所にも焼き菓子はあるんだが、こんな感じで不意討ちのおやつアナウンスが入ると、各部署がおやつを取りに行くという。
「前に食べたカボチャ餡の饅頭(ハロウィン仕様)も美味しかったから、カボチャメニューははずれないとおもうな」
そこにいるお客さんの数取りに行くことにした。
待合所はいわゆる車好きだと無限に過ごせるようなガレージデザインになっているわ。
「KCJ整備部の整備のお仕事、これ動画で公開してくれないかな」
ドキュメント番組のように、KCJに持ち込まれた車両をどう直していくか、どう直したか、トラブルやアクシデントを乗り越えながらも、最後はやったぜ!で終わる映像が流れている。
これは元々広報の担当者が、KCJの整備の仕事、採用募集のお知らせ用に作ったんだが。
「これを見ている人がほとんど整備の募集要項に達してない、車好きの人が見ていることがわかりました」
受付を終了したのて削除したところ、削除しないでくださいとか、整備部門の活躍もっとみたいですなどの意見が多く寄せられた。
「僕もこういう番組が好きで、作ったんですけども、まさかこんなに評判になるとは思いませんでした」
「あれ、そんなに予算かけて作ってないよね」
「えっ、はい」
「君に管理からお呼び出しがかかっている、あの映像作品にかかったお金と時間きちんと報告、そこを上手くやれば、続編を作ってくれって言われるかもしれない、そのアイディアはある?」
「…あります」
「じゃあ、大丈夫、君の上司であるこっちからは何も言うことはない、せっかくのチャンスだ、掴んでこい」
急ぎでプレゼンテーションの資料を作ったんだが。
「管理の方と、予算が守れればいいよってすぐにいってくれました、はっはっ、せっかく作ったのに」
「何しろ管理部門だから、じゃあ、こんなのもどうだい?これもネタにする、熱くプレゼンテーションをするのは管理部門にだけじゃないさ、これからこの映像を見る誰かの心を撃ち込むんだ」
というわけで現在整備部門待合所で流れている映像のシリーズは作られていった。
「魔改造してないものを撮影するのは大変なんで」
製作にとって大事なこと、これは魔改造しているか撮影前に見極めることである。
「車両はそこまで変なのはありませんけどもね」
車検あるからね。
「たまに本当に古い車とか持ち込まれたりするので、そういうのは出来るだけおさめたいですね」
パッ
場面が切り替わりマークが映る。
この映像の場面切り替えにはお下げ髪のサメマークが入っているが、これにたいしては視聴者はデザインだと思っていて、実在はしてないと思ってる。
この待合所の隣に今ちょうどいるだけどもね。
トラックのタイヤ交換出来るぐらいの広さのレーンを改造した部屋に、おさげシャークが猫たちと一緒にいるよ。



しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

バレー部入部物語〜それぞれの断髪

S.H.L
青春
バレーボール強豪校に入学した女の子たちの断髪物語

処理中です...