浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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あれ、サメだから。

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浜薔薇にシャンプーを任せるようになってから…
「今まで、その…フケに困っていたんで、それ用のものを使っていたんですけども」
その人は服にフケがつくとか、そういうのが本当に気にしていた。
「紫外線のせいだったとは…」
本当にこの辺にいくら、いままで使ったかわからなかった。
「UVケアができるトリートメント、これはうちの店の場合もありますけども、市販のものもあるんで、そっちだと安く済みますよ」
「ありがとうございます」
今まで使ってきた分を取り戻してほしいところが傑にはあったのだが。
「さすがに他の人みたいには毎日は無理ですが、シャンプーはしてもらいたいです」
週に何回かは来るようになった。
そんなときに、今までの苦労話が出てくる。
「やっぱり、急にフケが出てきたとき驚いたんですよ、だってちょっとじゃなくて、その…どっか悪いのかなって」
「原因色々ですからね」
「そうなんですよ、もう本当に最初に紫外線っていってくれれば、自分の体がどうなったのかわからなくて、そういうものでケアしてましたからね、でも…紫外線ってわかって、そして市販ものも高くないじゃありませんか」
「そうですね、千円、あっ、もし買うなら…」
この地域で安く売ってて、ポイント還元がいいところを教えてもらう。
「そこ電機屋さんですよな?ドラッグストアじゃなくて」
「そうですよ、色々探したら、やっぱりここかな」
どこが安く販売しているのかも詳しく知っているのがオシャレ番頭である。
「本当にお金残したいなら、傑さんのいう通りにするんだ」
っていう言葉が、浜薔薇のお客さんにはある。
(あれは本当だな)
「千円で二ヶ月ぐらいはもつんで、季節商品ではないし、もしも店頭で置いてなかったら、その時はドラックストアか、別の電機屋さんの通販ページ見てください、ここはいつも値引きしているし、店頭で取り寄せ無料ないし、何個か買う、別のもの買うなら送料無料になりますからね」
この辺も本当に詳しいので。
「この人ね、本当に詳しいのよ」
お客さんが口コミで広めているぐらいであった。

『ここは浜薔薇の耳掃除です』

ケットシーの熱を奪うために、タモツはその生地で作られたタオルを、イツモに巻いてやると。
しゃきん!
やはり今日の暑さで疲れていたのか、熱を奪われて横になったかと思ったら元気になった。
「これすごいな」
「でもイツモぐらいですよ」
布を巻かれても嫌がらないのでこの手が使える、そうでなければゴーロゴロというやつだ。
「人間も使えないのか?」
「使えることは使えるらしいんですが、今、市販されている冷感生地よりも上なので、それこそ長袖着ないとダメになると」
そして注意もうけている。
「ケットシーとか被毛に覆われているならそのまま使ってください、人間が使う場合は、その上に綿のものを、直接使うと寒すぎるし、体が濡れた状態だと体に悪いですし」
奪熱生地の上に綿のシーツなどを敷くならいいらしいが、そうすると市販のものとそう変わらない性能になるから、市販のものを買った方がいいらしい。
「正直あの辺は他がどう進化してくれるのか楽しみでしょうがないんですよね」
KCJの職員も毎年チェックしているらしい。
「やっぱり千円ぐらいで、すごいものが、それこそ、生活が変わるものが出てきてくれると、生活支援が必要な人たちに使えたりするんですよ」
予算は出来るだけ抑えて、より多くにの方針なので、低価格で使えるもの、その情報は収集されている。
「そうですね、なんでKCJがそんなことできるのかっていうと、この情報を真面目に集めて、予算とか出しているからだと思います」
そして今では浜薔薇出張所があるので。
「ヶ崎 傑さんはね、やっぱり意識します、あの人の仕事ぶり聞いたら、なんでこの予算でできるのか、本当に意味わからないもの」
KCJの職員でさえ、傑の仕事ぶりにはそういう評価をつける。
「この間のワンピースの話を聞きましたし」
良いものなんだけども、回転率が悪いから、これを入れるか迷ってしまう件。
「あれを聞いたら、傑さんってまだ本気出してないんじゃないかなって思いまして、すごい人から、よくわからない人になりました、まあ、浜薔薇の人たちはみんなそうなのかもしれませんが」
良かったね、傑さん、よくわからない人たちの仲間に入ったよ!

「なんだろう、嬉しくないことを言われたような気がする」

このKCJの情報収集担当者は先日耳の調子がおかしかったために、浜薔薇の耳掃除を受けました。
「KCJの医務室いったら、浜薔薇にいったら?って言われまして」
東司の出勤の際に、後ろに載せてもらいました。
「何があった?」
「食事をすると、右耳かな、今までとちょっと響きが違って、自分でも耳掃除をしたんですがね、良くならなくて、医務室で原因の耳垢だけとってもらいました」
それでまるごと浜薔薇でやってもらうことになりまして。
「浜薔薇って出張所できる前から、KCJの福利厚生に選ばれてますけども、遠いですよねって思ってました」
「俺らの前の、職員が、イツモ様のために週に何回か通っていたからな」
その方現在はえらくなってますが、そこで耳掃除、シェービング、マッサージ、温泉の楽しみを覚えた。
「福利厚生を申請した本人が通えなくなったけども、みんなは私のぶんまで浜薔薇をご愛顧ください」
異動の挨拶でさえそれをいれたという。
「蘆根さんだけなら、支部でちょっくら出張はやってくれるけども」
「あれはいつも予約いっぱいになりません?」
「そうなんだよな」
先日も予約いっぱいになった、KCJで準備をしていると、向こうの建物の窓に思わず目を引く黒髪が見えた。
「おお」
美人さんだなと蘆根は思っていたが、すぐにその窓にカーテンがかかった。
みなさんおわかりの通り、あれ、サメだから。
「蘆根さん来てるから、ちーちゃん部屋に呼んだけども油断したわ」
この美髪、蘆根ならばシャンプーしたくなるに違いない、ふぅ、危ない危ない。

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