浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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ダンジョンにまで気を使わせていいんですか?

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熱中症になってからでは遅いのです…
炊き出しを振る舞っている浜薔薇駐車場では真夏の対策を行うことになりました。
「わき水が無料で振る舞われるのはすごいな」
「こちらで氷を作り、アイスコーヒーも作りました、いかがですか?」
「東司、私買ってきますね」
「俺のぶんも頼むわ」
この辺にはわき水も多いが、浜薔薇のためでしたらと、一般には公開されていない、昔は酒蔵で管理されていたものなんで。
「水道水には戻れないわ」
と言う人もいるぐらいおいしい水である。
ごく
「どうしですか?」
「焙煎にまだ改良の余地があるし、これならいっそのこと水だしコーヒーにしたらいいのに」
「あっ、そうですね、その方法もありましたね」
というわけで今、浜薔薇出張所キャンピングカーの冷蔵庫では、水出しコーヒーを試しているところである。
「ここら辺も昔からコーヒーは飲んでいたんでしょ?」
「商業が発展しているところはそういったものがあちらこちらから来るからな」
「昔はどうやって飲んでいたんですか?ね」
なんて疑問だ。
「ああ、それならうちの爺さんがさ、あのごりごりって、ええっと薬研ってわかる?薬をすりつぶすやつ、あれとか、乳鉢でやっているところもみたことはあるけども…やっぱりすり鉢なんかがちょうどいいなって、それで怒られているのを見たことはある」
その爺さんは郷土の研究もしたので。
「そういう資料館に寄贈されているから、その時のやり方も残っているんじゃないかな、変なところマメだったからさ、ああ、そうだ、その時、この辺には喫茶店とか食堂とかたくさんあったんだよ、その人気メニューとかも書き付けていたんで、たまにここでそういうの復刻するじゃん?この間、波里さんのところでランキングで一位取った、カスターニャのカレー、あれの記述を読んだことがあるけども、実際には食べたことがなかったんだけどもね、書いていることはあっていると思うよ」
「という貴重な証言をいただきまして」
さすがは出張所、平和だからこういったことにフットワークが軽い。
郷土の資料が保管されている地域の博物館のようなところ、会館を訪れた。
『存続のために寄付と署名をお願いしています』
などと一文を見たら、ささっと管理部門に調査を入れてほしいと頼んだ後に。
入館料がわりにそれぞれ千円入れると。
「あ、ありがとうございます、館長です、なんでも見ていってください、解説案内もしますよ」
良客が来たと歓迎された。
「浜薔薇でこちらのお話を聞いたので、これお土産なんですけども、みなさんで召し上がってください」
KCJの職員は円滑なコミュニケーションのために手土産は徹底しております。
「ありがたくちょうだいいたします」
そこにだ…
サァァァァァァァァ
風が室内に吹いた、換気で窓を開けていたのかと思ったが、それではない。
草と土の香りがする風だ。
「なんだこれは!」
館長が叫んだ、何しろ目の前には林が広がっている。
『ようこそ、みなさま、長らくお待ちしておりました』
「長らくってことは、俺らは招かれたのかな」
「えっ?誰?」
「このダンジョンですね、館長見覚えは?」
「えっ?え?あ~この辺が民家がなかった頃によくにているな、うん、たぶんそうだ」
「歴史があるものを飾っているから、そこを軸にしてダンジョンを作ったかな」
「でも弱々しいですね」
『ダンジョン化は賭けでした、私たちにはこれ一度切りの力しかありません、現在の私たちの主人には私たちを守る力がありませんし』
「すまなかった、バイトをもう一つ増やすよ」
「そういう問題じゃないかと」
『あなた方に私たちを任せてもいいものか、試させていただきたい』
「入場料は取るのかな?」
「主人以外のお二人は、値しないとわかった段階で養分になっていただきたい」
「ダメだよ、そんなことしちゃ!」
ザワザワザワ
ここで複数の意識が意思を決定した。
『…わかりました、養分にはいたしません』
「もうギリギリかとでしょ?」
答えるも大変そうかのが見えてとれたので。
「じゃあ、俺らの持ち物で使えそうなもので何とかするか」
「在庫処分も兼ねましょう」
「3つづつ出そう」
「あ~葵岡さん呼べば良かったな」
「たぶん全部だしてもいいとかいいそう」
それで候補のアイテムを六つ出した。

1  蛇の瞳と呼ばれる鉱物

2 アマノウズメブランドご愛顧ありがとうございます記念ペーパーナイフ

3 うますぎる茶葉

「うますぎる茶葉ってなんですか」
「中毒性があってな、旨いことは旨いんだが…」
「じゃあ、私ですね」

4 ドラゴンオイル
70% ドラゴン 30%妖精達が厳選した季節のハーブを使いました。

5夏至を観測するための長針と短針

6 最近填まって油そば(コンビニ限定)

「さっ、どれだ!」
サイコロを投げると。

5 夏至を観測するための長針と短針

「一番危ないの選びましたね」
「これもまたサイコロの意思だな」
「あの大丈夫なのかい?それ」
「使用法誤らなければ!」
「これでいいか?」
『どちらにせよ、時間が残されていません』
その場で長針と短針をセットする。
「24時間もすればあなたも立派なダンジョンです」
『ありがとうございます、頼りない館長を支えるために立派なダンジョンになってみせます』
「じゃあ、館長」
「なんだい?」
「KCJがこの資料の管理責任を一時的に預かります」
「そうだな、君たちなら」
「その間に館長らしく、身なりをきちんと整えてもらいます」
「へっ?」
これから浜薔薇に行くってことだよ。
風が吹くと古い室内に戻る。
「あっ、蘆根さん、波里です、お一人これからお願いしたいんですが?はい、スタイリングから全部、ブレゼンのためにあちらこちらから行政にも掛け合ってもらわなきゃいけないので、さっぱりした感じでお願いします」
「どういうこと?」
「そのままです」
KCJは支援するが、代表は館長なので、そのために忙しくなるというやつだ。
「ダンジョンにまで気を使わせていいんですか?」
「それを言われると弱い」
家族がいない館長にとってはこの研究が人生そのものだった。
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