浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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あなたは夕方まで起きない

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ベストフレンドの湯に行くと、脱衣所にポスター。
『疲れをさらに取るなら、湯上がりにボディクリーム塗ってみよう』
と体にどうやって塗るか書いてある。
そして持ち帰れるように冊子が置いてあった。
浜薔薇監修のクリームの塗り方とあり、クリームは手持ちのものでいいよって書いているのが、良心的ではないか。
「だけどやっぱりもち肌伝説が売れるんですよね」
この公衆浴場の代表の棚機(たなばた)さんはそういいます。
「あのもち肌伝説あります?」
とか。
「あの、浜薔薇ってところで使っているクリームってあります?」
浜薔薇がいいっていうものは間違いないという感じである。
「こちらとしては、もち肌伝説を最初に試してもらってから、好みに移ればいいんじゃないかなって」
クリームの柔らかさや伸び、やはり浜薔薇が選ぶだけあって、使いやすいのであるが。
「私はちょっと薫りがほしくて」
他のアイテムに切り替えるタイミングとしては、自分の体にきちんと塗れるようになって、それ+αを求めるからである。
「私の場合は香水の代わりなんで」
他社のメーカーさんで、天然香料を使ったボディクリーム、これもオシャレ番頭に問い合わせて、サンプルもらってから変えたものである。
「後は、暑い時期なんでもち肌系よりサラサラにしたい人とか多いですね」
男性に多い。
「海に遊びに行った後とか、ベタベタするから、サラサラにしたいってやつですね」
そこでサラサラが便利ってことで。
「日焼け止めとか、そっちもサラサラにしたいとか、直射日光浴びるから、暑さが気にならないやつとかそういうのが売れますね」
一本千円ぐらいの価格で、塗ったらそこから涼しい、熱がそこから抜けるタイプのものが売れるようだ。
「そんなのあるんですか?」
「あるよ、町で使うより、アウトドア、野外だけどもね」
塗りが厚くなりますが効果はあります。
「町用だと、塗っていることがわからないようにするけども、これは本当に塗ってます、守ってますってわかるから」
フェイスペイントかな?を想像してください。
この愛好家を部族といいます。
「最初は通称が公式になって、たまにフェスとかやってますからね」
太鼓を叩き、何かに捧げている集まりがあります。
「酒を飲むために理由をつけているだけです」
すべては美味しいお酒を飲むため!

『ここは浜薔薇の耳掃除です』


「どーも、蘆根さん」
ネズミ交換所の葵岡さんがやってきた。
「イツモ様は?」
「イツモ!」
呼ぶと、なに?とイツモがやってくる。
「それでは失礼して」
「おはようございます」
「おっ、傑、今な、イツモにだな」
ブラン
葵岡はペンダントを出して、それを振り子にしてイツモに見せている。
「あなたは、夕方まで起きない、夕方まで起きない」
スヤァ
イツモはそのまま眠り始めた。
「えええ、なんですか?」
「びっくりしたろ?」
「びっくりしましたよ、なんですか?」
「ああ、ビックリしちゃいますよね、ケットシーが病院行くときって、先に催眠術をかけるんですよ」
「催眠術!」
「そうです、ケットシーって頭がいいので、病院に行くっていうと、姿を現さなかったり、大変なのですが」
それがなんとかならないかと、KCに勤めていた医師が考えた。
ある時、ケットシーと遊んでいた子供が、催眠術をかけて、ケットシーがリラックスしているのを見た。
「これだ」
そんなことを真面目にやっている医師の姿を見て、変人と称されたのだが。
「出来た」
そこから何年かしたとき、医師はケットシーに催眠術をかけて、検診に活用する方法を確立。
「これ、喧嘩中とか興奮してないときにじゃないとかからないんですよね」
それでもこの方法は画期的であり、高額な医療機器を破壊されなくても良いので、色々な職員が取得している。
「私はBクラスのケットシー催眠の資格持ってますから、先にこうして催眠術をかけておいてから、あっ来ましたね」
KCJの社用車が駐車場に入ってきた。
「ではイツモ様をまずケースに」
「帰ってきたら、ケーキ用意してあるからな」
「でもあんまり催眠術かけられた状態だと、検査とか注射されているとか覚えてないみたいなんですよね」
注射器見ても、院内を覗いても、ん?これなに?ぐらいの顔をするぐらいである。
「よく、騙したな、よくも騙したな顔するとか、獣医に行くと暴れるとかもないんです」
ケットシーが本気で暴れたら、怪我どころでは済まないのでこのシステム。
「すいません、お迎えに来ました」
本来ならば家族が付き添いになるが。
「申し訳ありませんが、蘆根さんはご遠慮ください」
他のケットシーにマッサージしてくれよと、集まられ、蘆根がそうか、マッサージをするかとマッサージしたら。
「イツモ様がお怒りになるので」
これがKCJにいるケットシーとイツモが仲が悪い一番の理由である。
「野々村さんはイツモ様をベットに、おさげちゃん、イツモ様がもしも目覚めたときのために、付き添ってあげてね」
職員の野々村さんと、おさげシャークのちーちゃんが、不測の事態に備えて付き添い。
「それじゃあ、血圧から」
検査が始まっていった。

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