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本場のKCでも採用されている。
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「しばらく頼むぞ」
「わかった」
友人からの紹介されたお客さんのことである。
「あのマッサージされた後、眠りが、それでも短時間で起きたけども、全然いいから」
一歩間違えれば不健康自慢に近い。
でもこうやっておとなしくマッサージを受けてくれる、こういうのを気を付けてください、注意やアドバイスを素直に聞いてくれるのは、さすが皆無のお客さんといったところか。
(ここまでになると、自力でなんとかするは不可能に近いからな)
「くっ」
「痛いですか」
「ちょっと痛かった」
伸ばしても痛いようだ。
「でもさ、浜薔薇さんもそうだけども、皆無さんには大変お世話になったよ、私だけではたぶん乗りきれ、いやまだ全部終わっているわけではないけどもさ、本当に怒濤だったよ」
トラブルというか、アクシデントというのはいきなりやってくるものである。
「今回は問題起こした人間なんだけどもね、いるじゃん、自分以外のことは全然考えない人とかさ、あれで参っちゃったのよね」
話し合いではまとまらなかった。
「逆に皆無さんで止まるかな、とか今は様子見ている方なんだけどもさ、これでさ、止まったら、止まったらで腹が立つんだよ、自分からトラブルとか起こしておいて、こちらがいうだけでは無理で、皆無さんに相談するまでにどのぐらい時間がかかっているんだと」
ボカしてはいるが、本当はこういう話、愚痴も言いたかったらしい。
「本当さ、浜薔薇さんも腕いいよね、看板あげているところ、みんな腕がよかったら、なんかあって、よくわからないで探してもハズレなんて引かなくてもいいのに…」
「本当にそうですよね、それだったら俺、マッサージとか習う先生とか、探すの大変じゃなかったかもしれない」
「え~そうなの?」
「腕のいい先生に習うと、やっぱり違うんですよ、自分の殻が割れるというか、独学は壁に気づくのに時間がかかるところがある」
「わかる、時間があればいいんだけども、毎日コツコツやっていくタイプじゃないとそれって、大人になると特にできないよね」
「そうなんですよね」
そういう二人は、毎日コツコツできる方だと思うのだが、彼らからすると、いやいや上には上がいるものだよっていう話のようだ。
「時間ないなら、探すことにこだわった方がいいんだけどもね、でもそれ無駄っていうよね」
「言われました、休みの日に先生たちに習いにいったりしてどうするの?って」
「いった人、今は何しているの?」
「何しているんでしょ?そういえば話聞かないかもしれませんね、本当、何しているんだろう」
「意外とそういう判断ってあてにならないものだよ、自分の感覚でたぶん役に立たないって思っているけども、浜薔薇さんの物差しはどこだった?」
「物差し?あ~ええっと、お客さんからの満足度ですかね、すごい人たちってすごいって言われるだけのことをしているんですよ、マッサージだったら、お客さんみたいによく眠れたとかそういう感じで喜ぶというか、信頼が厚いんですよ、こうなったら、あそこに行こう!みたいな、マッサージ方面の腕がいい人たちは、アスリートが通っていると目安かな、でも俺が好みなのは、あいつはもうダメだとか周囲に言われても、そこからやり直して復活を遂げる時のサポートをするような先生ですね」
「それは…ドキュメントにもなりそう」
「なっている人もいるんじゃないかな、ただその場合はポジティブに考えることから始めるようですが」
「私とは全く違う!」
「心の持ちよう、全部じゃないけども、土壇場でそれが効いたりすると」
素人のそれ、気のせいとか弱いせいだとか、そういう言葉とも違うようです。
「店をやってますから、教わることが少なくなりましたけどもね、でも機会があれば、先生たちSNSとかやってくれないものかなとは思います」
「あったら面白そうだけどもさ」
「そしたら習いまくりですけどもね」
「私がいうのもなんだけども、あんまり無茶しちゃダメだよ」
「そうします」
今はほぼ練習を兼ねてはイツモのマッサージをしています。
「ケットシーマッサージの第一人者でもあるからな」
こちらはKCJ。
一度マッサージされたケットシーは、蘆根を見ると駆け寄ってくる始末。
「しかも喧嘩してたのに、やめて蘆根さんのところに行くんだよ」
さっきまでのことも忘れるぐらいである。
「イツモ様がいると、威嚇するから、他のケットシーにはそうできないけどもね」
KCJ内ではケットシーの争いには公式ルールがある。
「それこそ、チョージューギガ、スモーですね」
台から落ちたら負けて終わらせるというやつだ。
「そうじゃないと最後まで行くというか、流血沙汰になるで」
元々何でもありの喧嘩をしてきたケットシー、それこそ熊とも戦うぐらいであるから、こんなルールじゃ物足りないと思いきや。
「はい、終わり」
この台から自分では落ちないと思っているので、意外と落ちると落ち込むし、物言いがつかないものらしい。
「この制度を導入してからは血気盛んなケットシーも納得するようになりました、我々もケットシー同士の争いは望んではおりませんから、いい落としどころを見つけたのではないかと思っています」
KCJケットシースモールールは、本場のKCでも採用されている。
「わかった」
友人からの紹介されたお客さんのことである。
「あのマッサージされた後、眠りが、それでも短時間で起きたけども、全然いいから」
一歩間違えれば不健康自慢に近い。
でもこうやっておとなしくマッサージを受けてくれる、こういうのを気を付けてください、注意やアドバイスを素直に聞いてくれるのは、さすが皆無のお客さんといったところか。
(ここまでになると、自力でなんとかするは不可能に近いからな)
「くっ」
「痛いですか」
「ちょっと痛かった」
伸ばしても痛いようだ。
「でもさ、浜薔薇さんもそうだけども、皆無さんには大変お世話になったよ、私だけではたぶん乗りきれ、いやまだ全部終わっているわけではないけどもさ、本当に怒濤だったよ」
トラブルというか、アクシデントというのはいきなりやってくるものである。
「今回は問題起こした人間なんだけどもね、いるじゃん、自分以外のことは全然考えない人とかさ、あれで参っちゃったのよね」
話し合いではまとまらなかった。
「逆に皆無さんで止まるかな、とか今は様子見ている方なんだけどもさ、これでさ、止まったら、止まったらで腹が立つんだよ、自分からトラブルとか起こしておいて、こちらがいうだけでは無理で、皆無さんに相談するまでにどのぐらい時間がかかっているんだと」
ボカしてはいるが、本当はこういう話、愚痴も言いたかったらしい。
「本当さ、浜薔薇さんも腕いいよね、看板あげているところ、みんな腕がよかったら、なんかあって、よくわからないで探してもハズレなんて引かなくてもいいのに…」
「本当にそうですよね、それだったら俺、マッサージとか習う先生とか、探すの大変じゃなかったかもしれない」
「え~そうなの?」
「腕のいい先生に習うと、やっぱり違うんですよ、自分の殻が割れるというか、独学は壁に気づくのに時間がかかるところがある」
「わかる、時間があればいいんだけども、毎日コツコツやっていくタイプじゃないとそれって、大人になると特にできないよね」
「そうなんですよね」
そういう二人は、毎日コツコツできる方だと思うのだが、彼らからすると、いやいや上には上がいるものだよっていう話のようだ。
「時間ないなら、探すことにこだわった方がいいんだけどもね、でもそれ無駄っていうよね」
「言われました、休みの日に先生たちに習いにいったりしてどうするの?って」
「いった人、今は何しているの?」
「何しているんでしょ?そういえば話聞かないかもしれませんね、本当、何しているんだろう」
「意外とそういう判断ってあてにならないものだよ、自分の感覚でたぶん役に立たないって思っているけども、浜薔薇さんの物差しはどこだった?」
「物差し?あ~ええっと、お客さんからの満足度ですかね、すごい人たちってすごいって言われるだけのことをしているんですよ、マッサージだったら、お客さんみたいによく眠れたとかそういう感じで喜ぶというか、信頼が厚いんですよ、こうなったら、あそこに行こう!みたいな、マッサージ方面の腕がいい人たちは、アスリートが通っていると目安かな、でも俺が好みなのは、あいつはもうダメだとか周囲に言われても、そこからやり直して復活を遂げる時のサポートをするような先生ですね」
「それは…ドキュメントにもなりそう」
「なっている人もいるんじゃないかな、ただその場合はポジティブに考えることから始めるようですが」
「私とは全く違う!」
「心の持ちよう、全部じゃないけども、土壇場でそれが効いたりすると」
素人のそれ、気のせいとか弱いせいだとか、そういう言葉とも違うようです。
「店をやってますから、教わることが少なくなりましたけどもね、でも機会があれば、先生たちSNSとかやってくれないものかなとは思います」
「あったら面白そうだけどもさ」
「そしたら習いまくりですけどもね」
「私がいうのもなんだけども、あんまり無茶しちゃダメだよ」
「そうします」
今はほぼ練習を兼ねてはイツモのマッサージをしています。
「ケットシーマッサージの第一人者でもあるからな」
こちらはKCJ。
一度マッサージされたケットシーは、蘆根を見ると駆け寄ってくる始末。
「しかも喧嘩してたのに、やめて蘆根さんのところに行くんだよ」
さっきまでのことも忘れるぐらいである。
「イツモ様がいると、威嚇するから、他のケットシーにはそうできないけどもね」
KCJ内ではケットシーの争いには公式ルールがある。
「それこそ、チョージューギガ、スモーですね」
台から落ちたら負けて終わらせるというやつだ。
「そうじゃないと最後まで行くというか、流血沙汰になるで」
元々何でもありの喧嘩をしてきたケットシー、それこそ熊とも戦うぐらいであるから、こんなルールじゃ物足りないと思いきや。
「はい、終わり」
この台から自分では落ちないと思っているので、意外と落ちると落ち込むし、物言いがつかないものらしい。
「この制度を導入してからは血気盛んなケットシーも納得するようになりました、我々もケットシー同士の争いは望んではおりませんから、いい落としどころを見つけたのではないかと思っています」
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