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蕎麦処 枇杷の葉
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「いつならいいですか?」
蘆根宇迦という人間は、決めたらこう!と突っ走るタイプなので、すごいタイのマッサージがあるのならば、すぐに行かなければという気持ちになった。
(こういうときだと仕事がさらに早くなるんだよな)
お得なマッサージコースというのにいきなり変えて、新規顧客を受け入れるのと、数をこなすことを一気に解決した。
「クイックっていったから、物足りないかなって思ってたんだけども」
カクン
昂る緊張を、10分ほどで体に負担なく取り除き。お客さんを深い、深い眠りに落としていく。
「はっ!」
「終わりましたよ」
「えっ、まだこんな時間?」
「そうです、クイックマッサージはこういうときにしかやらないのですが、効果は抜群ですよ」
浜薔薇で新規顧客を受け入れたということは、あっという間に広がったのだが…
「なんで休みじゃないんだ!」
「ちくしょ!」
すぐに対応できないのは社会人の悲しさと言うやつだ。
マッサージの予約時間ちょっと前に店に行く。
昼間だと言うのに、まるで夜中のような、森を訪れたような気分になる。
BGMにはたまにフクロウの鳴き声が入った。
これは期待できる。
蘆根の顔がにやけた。
「じゃあ、先生お願いします」
向こうの国から来た人らしく、モーとかクワームは聞き取れたが意味はわからない。
着替えをして、広いところでストレッチなのだが、うつ伏せになり、足を4の字にされて、そこを上から押される。
そして足を変えて、もう一回。
(これは来るな)
これと蘆根は肘の内側を50度に作られて、そこを一度押されてから伸ばされた。
(あ~これ、効く効く)
そしてナムナックとか、ジェブとか、イジャイは聞き取れた。
「何て言ったの?」
「お腹減ってる?、喉痛い?呼吸大事」
思い当たる点はマッサージされたら、お腹が減った。
喉はあれか、電話をひたすら受けたからいつもよりしゃべって、そこから呼吸かなと思った。
「飯ぐらいは奢ってやるよ」
そしてその後、カイムが二人に食事を奢ると、蕎麦屋に行った。
「お二人は学生時代の友人なんですよね?」
「そうだな、付き合いも大分長くなったな、最近は会えているやつも少なくなっているけども、基本的にあの時の奴等とは仲いいぞ」
「おすすめでいいか?」
「いいぜ、お前は俺より旨いものを知ってる」
「お前がこだわらないだけだ、それでいいですか?」
「何を注文しようとしているのかしら?」
「天麩羅蕎麦ですね」
「天婦羅別盛りだな、旨そう」
「ここの店主は天婦羅、精進揚げが上手くてな」
「あ~いいですね、それ」
意外とカイムの依頼人は食いしん坊なようだ。
「気に入ると思いますよ」
「でもここにこういうお蕎麦屋さんがあるの知りませんでした」
この店は蕎麦処 「枇杷の葉」
そこで三人分を頼むだが、運ばれてくる器からこだわりが見えるし、これは旨いやつだ。
「今日は蕎麦だが、肉料理も旨くてな、冬はここで鍋をつつきたくなる」
「俺呼ばれたことないけども」
「えっ、お前は店あるじゃん、だから一回持っていっただろう鳥鍋の」
「あっ、あれはここの店か」
「その節はありがとうございます、これからもご贔屓に」
それではいただきましょう。
蕎麦をすすり、天婦羅をパリと食べる音がする。
修行したものしか出せない調理技術で、蕎麦と天婦羅は人を高みにつれていく。
「それでは食器をお下げいたします、お客様がた、まだお腹に余裕があるのでしたら、蕎麦大福はいかがですか?」
「おっ、いいな、それ」
「私は一個だけなら」
蕎麦湯と共にいただきましょう、そして食べながら。
「ここの店って、蕎麦つゆ旨いな」
「だろ?」
「鰹だけじゃないですよね、あの深み」
「やっぱり不思議には思ってくれたようですね、つれてきた甲斐があった」
「味の秘密ってなんですか?」
「なんだと思います?」
「カイムさんって意地悪なところありますよね」
「それは心外、答えは店名にもあるでしょ?枇杷の葉ですよ」
「枇杷の葉?刻んでいるわけでも」
「わかった!出汁とかえしと枇杷の葉の茶ですか」
「正解」
「千葉だっけ、びわの蕎麦はあったよな」
「そうそう、ここは蕎麦つゆに枇杷の葉茶を多少加えているそうだ、それでさっぱりと口の中に残るのさ」
「ふぁ~」
「眠そうだな」
「ああ、マッサージされたからな、ちょっと眠いんだよな、俺も結構自分にマッサージをしていたんだけども、やっぱりプロは見抜いたか」
背中から、余計なものを流すようなアプローチ。
触られて、体温が低くなっているのを見ると、温められる。
「帰りはタクシーで帰るんだろ」
「そっ」
空港からのタクシー便が浜薔薇の地域にまで走る、それは空港利用客以外も使えたために予約した。
普段ならば車窓を楽しみにするのだが、そのまま後部座席でぐっすり寝てしまい。
「お客さん、浜薔薇につきましたよ」
「ありがとうございます」
タクシーから降りると、家の前にイツモがチョンと待っていた。
「なんだ待っていたのか」
そうして抱っこしながら、家の鍵をあける。
「イツモ、お前から洗剤の匂いがするんだが…」
ええ、やってしまいました。
でもあれです、故意ではありません、これは事故です。
ポタポタと液体の洗剤がこぼれ、洗濯物が全部受け止めていたために、床は汚れてはないが。
「ボトルの半分洗剤って、何回か洗わないとダメじゃないか?これ」
結局二回洗いました。この機会に捨てる服を大分抜いて二回、まあ、これもいい機会だと思うとしようか。
蘆根宇迦という人間は、決めたらこう!と突っ走るタイプなので、すごいタイのマッサージがあるのならば、すぐに行かなければという気持ちになった。
(こういうときだと仕事がさらに早くなるんだよな)
お得なマッサージコースというのにいきなり変えて、新規顧客を受け入れるのと、数をこなすことを一気に解決した。
「クイックっていったから、物足りないかなって思ってたんだけども」
カクン
昂る緊張を、10分ほどで体に負担なく取り除き。お客さんを深い、深い眠りに落としていく。
「はっ!」
「終わりましたよ」
「えっ、まだこんな時間?」
「そうです、クイックマッサージはこういうときにしかやらないのですが、効果は抜群ですよ」
浜薔薇で新規顧客を受け入れたということは、あっという間に広がったのだが…
「なんで休みじゃないんだ!」
「ちくしょ!」
すぐに対応できないのは社会人の悲しさと言うやつだ。
マッサージの予約時間ちょっと前に店に行く。
昼間だと言うのに、まるで夜中のような、森を訪れたような気分になる。
BGMにはたまにフクロウの鳴き声が入った。
これは期待できる。
蘆根の顔がにやけた。
「じゃあ、先生お願いします」
向こうの国から来た人らしく、モーとかクワームは聞き取れたが意味はわからない。
着替えをして、広いところでストレッチなのだが、うつ伏せになり、足を4の字にされて、そこを上から押される。
そして足を変えて、もう一回。
(これは来るな)
これと蘆根は肘の内側を50度に作られて、そこを一度押されてから伸ばされた。
(あ~これ、効く効く)
そしてナムナックとか、ジェブとか、イジャイは聞き取れた。
「何て言ったの?」
「お腹減ってる?、喉痛い?呼吸大事」
思い当たる点はマッサージされたら、お腹が減った。
喉はあれか、電話をひたすら受けたからいつもよりしゃべって、そこから呼吸かなと思った。
「飯ぐらいは奢ってやるよ」
そしてその後、カイムが二人に食事を奢ると、蕎麦屋に行った。
「お二人は学生時代の友人なんですよね?」
「そうだな、付き合いも大分長くなったな、最近は会えているやつも少なくなっているけども、基本的にあの時の奴等とは仲いいぞ」
「おすすめでいいか?」
「いいぜ、お前は俺より旨いものを知ってる」
「お前がこだわらないだけだ、それでいいですか?」
「何を注文しようとしているのかしら?」
「天麩羅蕎麦ですね」
「天婦羅別盛りだな、旨そう」
「ここの店主は天婦羅、精進揚げが上手くてな」
「あ~いいですね、それ」
意外とカイムの依頼人は食いしん坊なようだ。
「気に入ると思いますよ」
「でもここにこういうお蕎麦屋さんがあるの知りませんでした」
この店は蕎麦処 「枇杷の葉」
そこで三人分を頼むだが、運ばれてくる器からこだわりが見えるし、これは旨いやつだ。
「今日は蕎麦だが、肉料理も旨くてな、冬はここで鍋をつつきたくなる」
「俺呼ばれたことないけども」
「えっ、お前は店あるじゃん、だから一回持っていっただろう鳥鍋の」
「あっ、あれはここの店か」
「その節はありがとうございます、これからもご贔屓に」
それではいただきましょう。
蕎麦をすすり、天婦羅をパリと食べる音がする。
修行したものしか出せない調理技術で、蕎麦と天婦羅は人を高みにつれていく。
「それでは食器をお下げいたします、お客様がた、まだお腹に余裕があるのでしたら、蕎麦大福はいかがですか?」
「おっ、いいな、それ」
「私は一個だけなら」
蕎麦湯と共にいただきましょう、そして食べながら。
「ここの店って、蕎麦つゆ旨いな」
「だろ?」
「鰹だけじゃないですよね、あの深み」
「やっぱり不思議には思ってくれたようですね、つれてきた甲斐があった」
「味の秘密ってなんですか?」
「なんだと思います?」
「カイムさんって意地悪なところありますよね」
「それは心外、答えは店名にもあるでしょ?枇杷の葉ですよ」
「枇杷の葉?刻んでいるわけでも」
「わかった!出汁とかえしと枇杷の葉の茶ですか」
「正解」
「千葉だっけ、びわの蕎麦はあったよな」
「そうそう、ここは蕎麦つゆに枇杷の葉茶を多少加えているそうだ、それでさっぱりと口の中に残るのさ」
「ふぁ~」
「眠そうだな」
「ああ、マッサージされたからな、ちょっと眠いんだよな、俺も結構自分にマッサージをしていたんだけども、やっぱりプロは見抜いたか」
背中から、余計なものを流すようなアプローチ。
触られて、体温が低くなっているのを見ると、温められる。
「帰りはタクシーで帰るんだろ」
「そっ」
空港からのタクシー便が浜薔薇の地域にまで走る、それは空港利用客以外も使えたために予約した。
普段ならば車窓を楽しみにするのだが、そのまま後部座席でぐっすり寝てしまい。
「お客さん、浜薔薇につきましたよ」
「ありがとうございます」
タクシーから降りると、家の前にイツモがチョンと待っていた。
「なんだ待っていたのか」
そうして抱っこしながら、家の鍵をあける。
「イツモ、お前から洗剤の匂いがするんだが…」
ええ、やってしまいました。
でもあれです、故意ではありません、これは事故です。
ポタポタと液体の洗剤がこぼれ、洗濯物が全部受け止めていたために、床は汚れてはないが。
「ボトルの半分洗剤って、何回か洗わないとダメじゃないか?これ」
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