浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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天才じゃないなら覚えて損はない

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今日のおにぎりは定番と本日限定のものがありまして…
「えっ?何?玄米?」
「玄米なんですけども、ちょっと一工夫してました、よければお試しください」
やけに自信があるようなので、そういうときは期待でしかし、そう考えているのもつかの間、混んできたので急いで受け取り、空いている席を探す。
汁物はあら汁、旬の野菜がたっぷりと使われ、香りだけでわかる、これは絶対に美味しいと。
(あああああ)
一口でわかる濃厚な海鮮の…
(これは寿司屋さんで出るレベルなのでは…)
最近どんどん美味しくなっているような気がするが、それはおそらく気のせいではないを
「ブログに載っていたから来てみたけども美味しいわよね」
「近所なら通うのに」
基本の炊き出しは無料だが、一般のお客さんはワンコインより安い金額を負担してもらっている。
そこに反対意見が出るかな?と思ったが。
「ありがたい、ありがたい」
近所で働く人たちは昼御飯の命綱にしていあ。
(ちゃんと栄養バランスを守っているから、おかわりも出来る)
カロリーと塩分もきっちりしてるよ。
さて、この玄米のおにぎりではあるが…
パク
(具は卵?)
卵おにぎりかな?と思っていた。
(あれ?でもなんか白身の部分が違うような)
もぐもぐしながら、旨い、えっ?何これ?よくわからんがすごい。
「気づきましたか?」
テーブルを拭きながら笑顔で聞いてきた。
「いや、よくわからない、でも美味しいよ」
「これはですね、玄米ってちょっとかたいから、合わせるのは柔らかい方がいいかなって思ってて、最初はまんま卵だったんですけどもね」
「で、これは何なの?」
「豆腐ですね、卵の黄身を味付けして、白身の部分は豆腐ソースを焼いたものにしたものを挟んでて、実は前にですね、納豆用に豆腐というのを作ったことがあって、別に豆腐にこだわっているわけではないんですがね、乳製品、チーズが高価でなんで代用品探して、色々と作ってみたら、豆腐が手に入りやすいから、豆腐なんですが、まあ、今日はこの味に落ち着きましたけども、時間があれば、改良しますので、次にもご期待ください」

もふもふもふも…
イツモは蘆根にマッサージされている。
「んでだんだん気持ちよくなると、爪が出ちゃう」
「僕がマッサージしても爪出ませんよ」
「まあ、俺は長いことマッサージしているから、油断しているんだろうな」
それだけではおそらくはないようです。
「自分にマッサージはきちんとしているか?」
「してますが」
「これな、難しいんだよな、自分の体の疲れって自分ではわかりにくいから」
「それはありませすね」
「俺もまだまだなんだよな」
「えっ?」
「疲れているときに自分のマッサージをすると、そのまま眠くなるんでな」
いや、それはまだまだとかじゃないのでは?
「イツモじゃないけども眠くなるんだよ」
ああ、それは…
「それは先輩のマッサージの腕が優れているということなのではありませんか?」
「そうか?でもさ、こういうのコントロールしないと、その場で寝落ちは危ないだろう」
「確かにそうですが」
「だろ?そこら辺が今の課題なんだよ、誰かにやってもらうのとは違う、マッサージをしていくものの宿命かもしれないが、手とか痛くはなってないよな?」
「はい、同じところ使うなを守ってます」
「これ、本当に守らないと、壊すからな」
「そういうのはごめんですし、同じところを使って、不具合がでる怖さは、他の人見て知ってますから」
ハサミ使いすぎてバネ指になった同僚がいる。
「洗いすぎて指が荒れるとかもあるし、練習とかでそうなっちゃうと、取得までにやめることも多いから、極力そういうの減らしたやり方で、なおかつうまくやりたいんだよな」
「先輩ってこの辺はどこで覚えたんです?」
「それこそマッサージ方面だな、先生たちのお客さんたちっていうのは、それこそ訳ありのお客さんが多くて、そういうのを見ていると、いかに負担を少なくやっていくかっていうのが、天才じゃないなら覚えて損はないやり方なんじゃないかなって思うんだよ」
「そこは僕も賛成ですね、もうそれをこなしていくのが当たり前、苦労とかから逃げるなとか言われるのは辛いですし」
「いろんなやり方はあるとは思うが、そういうのは人がついていかないから」
「ついていきたくないですよ、もう」
前の職場みたいなやり方はごめんだと思っている、先輩である蘆根はそういうことをやってなかったので、浜薔薇を選んだというのもある。
そこに電話が来た。
蘆根側だけではわからないので、わかりやすいように全体が見やすいようにしようか。
「とうとう…来てしまったか」
普通に洗っていたはずなのに、枕カバーが臭いました。
そんな自分に愕然とし。
「ど、どうすれば」
そして慌て出した、これはどうやって、いや、それよりも何が起きてて、相談はどこにすればいいのか。
そこで蘆根に連絡した。
「どうしましたか?」
「非常に言いにくいのですが、頭皮がく、気になったのでどうすればいいでしょうか?」
「それでしたら、ご自宅でもできますが」
「いえ、お金は払いますから、洗ってください、そしてもう二度と起きないように洗い方も教えてください」
なんとしてもこれは終わらせなければ、そんな気持ちが自分にはないと思っていた勇気に火をつけた。

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