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一位にしてあげようかな。
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朝、ヶ崎 傑(がさき たける)が浜薔薇に来ると。
「あれ?ショーケースどうしたんですか?」
いわゆるレジには浜薔薇で取り扱っている、化粧品やシャンプーおすすめの品物が並んでいるのだが、何も入ってなかった。
「売れたぞ」
「えっ?あれ、本当だ」
売り上げの確認を見ると、傑が帰った後に全部売れたらしい。
「どういうことです?」
「昨日もマッサージが夜、予約はいってたんで、店開けていると、駐車場で屋台出てるじゃん?」
「はい、昨日は故郷のラーメンとかでしたね」
「そこに来たお酒を飲んでいらっしゃるお客さんがやってきて…」
カラン
「いらっしゃいませ、マッサージでしょうか?」
「ごめんね、蘆根さん」
一人は浜薔薇に来ているお客さん、もう一人ははじめてらしく店内を見回していた。
「そこでラーメン食べていたんだけども、どうしても浜薔薇みたいって、この人取引先の人なんでさ」
それでごめんねらしい。
「そうなんですか、お酒も飲まれているようなので、今度は飲まれてないときにお店にお越しくださればいいかと思いますよ」
「兄ちゃん」
兄ちゃんは蘆根のことらしい。
「これも売ってるの?」
ショーケースの中にある化粧品やシャンプー類を指差して、そのまま客はしゃがみこんだ。
「はい、販売してますよ」
「ふ~ん、売れてるの?」
「そうですね、地域で上の方ですかね」
「へっ、そんなに、じゃあ、ラーメンおいしかったし、一位にしてあげようかな、これ全部くれる?お金これで、足りる?」
財布を出した。
「足りますが、よろしいので?」
「あああ、いいよ!」
「蘆根さん、タクシーも呼んで、このままホテルにつれていくから」
同行者の方が焦っている。
「それでは準備をしてまいりますが、まずはお客様、当店自慢のお水をどうぞ」
そういってマッサージ前に飲んでもらっている水、地域のわき水をコップでご馳走する。
「なんだこりゃ、旨いな」
「はい、この地域の名物のひとつですよ」
「旨い、旨い、おかわり」
「はい、お持ちします」
同行者は思った、なんだ蘆根さんの酔っぱらいの扱いはと。その同行者は知らないが、蘆根は結婚式などのイベントを行うホテルに勤めていたため、そういう場所にいる酔っぱらいのあしらいはある程度以上に上手く、これがあるので、式がある日などは蘆根さんシフト組んでと言われたりした。
「遠方から来た親戚とか、本当に飲むんだよ、そのホテルにそのまま泊まったりするから、飲むしかないって感じで来るわけだし、本当ね、蘆根さんはありがたいよ」
なんでやめたんだよと当時思われていたが、やめた後も戻ってこないかなと思われていたり、現在は蘆根を直接知らないスタッフに向けて、前にこういう人がいたんだと話される始末である。
グガ~
酔っぱらいは水を飲んだらそのまま寝てしまった。
「タクシーはちょっと遅くなるそうなんで、ちょうど良かったかもしれません」
「本当にごめん」
「いえ、むしろこれ酔っぱらった状態でお買い上げして大丈夫なんでしょうか?」
「あっ、そこは大丈夫、この方けっこうそうなんだよ、ケース買いをしてしまう、さすがにこういうところでははじめてだけどもね」
いつもはケーキとかお菓子類らしいので。
「ごめん、一応は秘書さんに連絡するから」
そういって浜薔薇の外に出て連絡をしている、その間に蘆根はショーケースの化粧品やシャンプーなどを全部袋に入れ。
「あっ、そうか」
時間があったので、傑が前に作っていた商品の説明をプリントアウト。
「差し入れにするんだったら、1つ1つ袋にいれた方がいいだろうな」
そして浜薔薇のチラシもと。
「連絡ついたよ、額としてそれなら問題ないって」
結構な額だと蘆根は思うのだが、社長はいつものことですからと、品物と、金額を教えた後にいった。
「まあ、こんなことを言うのはなんだけども、一代で大きくしたからね」
「ああ、なるほど、それなら差し入れとかは欠かせませんからね、うちのはおそらく差し入れたら評判いいと思いますね、全部小分けの袋に入れて、うちのチラシもつけさせてだきましたので」
「ok.ok!」
社長が目覚めた。
「あれ、タクシーが来たんじゃないの?」
「今、来ると…」
「来たかもしれませんから、ドアを開けてくれれば」
すると、遠くから車のライトが見え、街灯に車体が照らされるとタクシーである。
「すいません、こちらです」
同行者がタクシーの前に手を振り、入り口に横付けされる。
「荷物の方はお車までお持ちします」
「兄ちゃん、名前は?」
「蘆根 宇迦(ろこん うか)と申します、こちらの店を預からせてもらっています」
「へぇ」
「運転手さん、荷物がありますから、トランク使わせてもらってよろしいですか?」
そこでトランクをあけてもらい、品物をいれる。
「本日はご来店ありがとうございました、またのお越しをお待ちしております」
「そうだな、また来る!」
そういってタクシーは走り出した。
「ってことがあってな」
「酔っぱらいって全部買った…」
「ああ」
するとそこに電話が。
「はいはい、浜薔薇ですが」
「あっ、蘆根さん昨日はどうも、なんかね、社長が、昨日買ったもの配ったら、足りなくなっちゃったとかで、同じぐらい揃えられる?」
「聞いてみます」
傑は巻き込まれるように蘆根に尋ねられた。
「今から営業さんに連絡するから、折り返しかけるといってください」
「わかった」
そのまま傑は納品してる営業さんに電話、まず営業さんが驚いていた。
「商品と現金をその場で引き換えなので」
だいたい月末の掛け売り、待ってもらって支払いと思いください。
「今日販売すると今日の売上を営業所に入れられると思いますが?」
そういうと売上がほしい営業は、腰をあげて。
「昼までには浜薔薇に持ってこれるといってますが、そのお客さんって今はどこにいるんですか?」
「あっ、泊まっているホテル」
「じゃあ、そこまで届けてもらう方がいいでしょう」
そういう方向で話をまとめた。
「助かったぜ、俺じゃそこまで頭回らなかった」
「まあ、急でしたからね、あまりうちは化粧品とかの販売は力は入れてはおりませんが、とれる販売実績はとりますし」
「そういえば営業に行ってもらったけども」
「営業さんも売上ほしいのと、これで新規の開拓に繋がれば、まあ、うちでみんなやるっていうのも正解の1つでしょうが、お店ありますからね、チャンスをあげれる、それもまたうちの価値の1つと言うことで」
こういうところが傑がいわゆるヶ崎のオヤジさん似なところと言われるわけである。
「あっ、サンプルも昨日いろいろと入れておいたが良かったよな?」
「そこは構いませんよ、さすがにここまで買ったのなら、サンプルだけ残してもしょうがありませんし」
サンプルは販売成績が良かったりするといただける量が増えたりします。
「後、こういうので廃盤になったのをKCJとかで購入していたりするからな」
支援物資として有効活用させていただいております。
「特にシャンプーとコンディショナーの三回ぐらい使えるミニボトル方面で、お値段安かったりすると買ってますね」
いろんな人がお風呂を借りに来るので、共用ではなくこういう形にした方がいいこともあるし。
「しばらくお風呂に入ってないと、一度洗うぐらいじゃ落ちないので…」
というリアルな理由もある。
「あれ?ショーケースどうしたんですか?」
いわゆるレジには浜薔薇で取り扱っている、化粧品やシャンプーおすすめの品物が並んでいるのだが、何も入ってなかった。
「売れたぞ」
「えっ?あれ、本当だ」
売り上げの確認を見ると、傑が帰った後に全部売れたらしい。
「どういうことです?」
「昨日もマッサージが夜、予約はいってたんで、店開けていると、駐車場で屋台出てるじゃん?」
「はい、昨日は故郷のラーメンとかでしたね」
「そこに来たお酒を飲んでいらっしゃるお客さんがやってきて…」
カラン
「いらっしゃいませ、マッサージでしょうか?」
「ごめんね、蘆根さん」
一人は浜薔薇に来ているお客さん、もう一人ははじめてらしく店内を見回していた。
「そこでラーメン食べていたんだけども、どうしても浜薔薇みたいって、この人取引先の人なんでさ」
それでごめんねらしい。
「そうなんですか、お酒も飲まれているようなので、今度は飲まれてないときにお店にお越しくださればいいかと思いますよ」
「兄ちゃん」
兄ちゃんは蘆根のことらしい。
「これも売ってるの?」
ショーケースの中にある化粧品やシャンプー類を指差して、そのまま客はしゃがみこんだ。
「はい、販売してますよ」
「ふ~ん、売れてるの?」
「そうですね、地域で上の方ですかね」
「へっ、そんなに、じゃあ、ラーメンおいしかったし、一位にしてあげようかな、これ全部くれる?お金これで、足りる?」
財布を出した。
「足りますが、よろしいので?」
「あああ、いいよ!」
「蘆根さん、タクシーも呼んで、このままホテルにつれていくから」
同行者の方が焦っている。
「それでは準備をしてまいりますが、まずはお客様、当店自慢のお水をどうぞ」
そういってマッサージ前に飲んでもらっている水、地域のわき水をコップでご馳走する。
「なんだこりゃ、旨いな」
「はい、この地域の名物のひとつですよ」
「旨い、旨い、おかわり」
「はい、お持ちします」
同行者は思った、なんだ蘆根さんの酔っぱらいの扱いはと。その同行者は知らないが、蘆根は結婚式などのイベントを行うホテルに勤めていたため、そういう場所にいる酔っぱらいのあしらいはある程度以上に上手く、これがあるので、式がある日などは蘆根さんシフト組んでと言われたりした。
「遠方から来た親戚とか、本当に飲むんだよ、そのホテルにそのまま泊まったりするから、飲むしかないって感じで来るわけだし、本当ね、蘆根さんはありがたいよ」
なんでやめたんだよと当時思われていたが、やめた後も戻ってこないかなと思われていたり、現在は蘆根を直接知らないスタッフに向けて、前にこういう人がいたんだと話される始末である。
グガ~
酔っぱらいは水を飲んだらそのまま寝てしまった。
「タクシーはちょっと遅くなるそうなんで、ちょうど良かったかもしれません」
「本当にごめん」
「いえ、むしろこれ酔っぱらった状態でお買い上げして大丈夫なんでしょうか?」
「あっ、そこは大丈夫、この方けっこうそうなんだよ、ケース買いをしてしまう、さすがにこういうところでははじめてだけどもね」
いつもはケーキとかお菓子類らしいので。
「ごめん、一応は秘書さんに連絡するから」
そういって浜薔薇の外に出て連絡をしている、その間に蘆根はショーケースの化粧品やシャンプーなどを全部袋に入れ。
「あっ、そうか」
時間があったので、傑が前に作っていた商品の説明をプリントアウト。
「差し入れにするんだったら、1つ1つ袋にいれた方がいいだろうな」
そして浜薔薇のチラシもと。
「連絡ついたよ、額としてそれなら問題ないって」
結構な額だと蘆根は思うのだが、社長はいつものことですからと、品物と、金額を教えた後にいった。
「まあ、こんなことを言うのはなんだけども、一代で大きくしたからね」
「ああ、なるほど、それなら差し入れとかは欠かせませんからね、うちのはおそらく差し入れたら評判いいと思いますね、全部小分けの袋に入れて、うちのチラシもつけさせてだきましたので」
「ok.ok!」
社長が目覚めた。
「あれ、タクシーが来たんじゃないの?」
「今、来ると…」
「来たかもしれませんから、ドアを開けてくれれば」
すると、遠くから車のライトが見え、街灯に車体が照らされるとタクシーである。
「すいません、こちらです」
同行者がタクシーの前に手を振り、入り口に横付けされる。
「荷物の方はお車までお持ちします」
「兄ちゃん、名前は?」
「蘆根 宇迦(ろこん うか)と申します、こちらの店を預からせてもらっています」
「へぇ」
「運転手さん、荷物がありますから、トランク使わせてもらってよろしいですか?」
そこでトランクをあけてもらい、品物をいれる。
「本日はご来店ありがとうございました、またのお越しをお待ちしております」
「そうだな、また来る!」
そういってタクシーは走り出した。
「ってことがあってな」
「酔っぱらいって全部買った…」
「ああ」
するとそこに電話が。
「はいはい、浜薔薇ですが」
「あっ、蘆根さん昨日はどうも、なんかね、社長が、昨日買ったもの配ったら、足りなくなっちゃったとかで、同じぐらい揃えられる?」
「聞いてみます」
傑は巻き込まれるように蘆根に尋ねられた。
「今から営業さんに連絡するから、折り返しかけるといってください」
「わかった」
そのまま傑は納品してる営業さんに電話、まず営業さんが驚いていた。
「商品と現金をその場で引き換えなので」
だいたい月末の掛け売り、待ってもらって支払いと思いください。
「今日販売すると今日の売上を営業所に入れられると思いますが?」
そういうと売上がほしい営業は、腰をあげて。
「昼までには浜薔薇に持ってこれるといってますが、そのお客さんって今はどこにいるんですか?」
「あっ、泊まっているホテル」
「じゃあ、そこまで届けてもらう方がいいでしょう」
そういう方向で話をまとめた。
「助かったぜ、俺じゃそこまで頭回らなかった」
「まあ、急でしたからね、あまりうちは化粧品とかの販売は力は入れてはおりませんが、とれる販売実績はとりますし」
「そういえば営業に行ってもらったけども」
「営業さんも売上ほしいのと、これで新規の開拓に繋がれば、まあ、うちでみんなやるっていうのも正解の1つでしょうが、お店ありますからね、チャンスをあげれる、それもまたうちの価値の1つと言うことで」
こういうところが傑がいわゆるヶ崎のオヤジさん似なところと言われるわけである。
「あっ、サンプルも昨日いろいろと入れておいたが良かったよな?」
「そこは構いませんよ、さすがにここまで買ったのなら、サンプルだけ残してもしょうがありませんし」
サンプルは販売成績が良かったりするといただける量が増えたりします。
「後、こういうので廃盤になったのをKCJとかで購入していたりするからな」
支援物資として有効活用させていただいております。
「特にシャンプーとコンディショナーの三回ぐらい使えるミニボトル方面で、お値段安かったりすると買ってますね」
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