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異世界郷土料理 30年トレントで燻したサマーチーズ
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髪が長くはなってきたが…
(もう少し我慢しようか)
今月というか、最近は金銭が心もとない。
だからなんとく浜薔薇も迂回気味になっていたが。
『KCJの食料支援』
場所は浜薔薇の駐車場にてとあった。
今まで行ってた店なので、すごくいきづらかったのだが、空腹を一食満たすためならば…と、いや、どうにでもなれだろう、これ。
「すいません!」
「はーい」
キャンピングカーに『KCJ浜薔薇出張所』とあり、なんかキッチンカーも停まっていた。
「その、あの~」
食料食料のポスターを指差すと。
「とりあえず三日分お渡ししますが、あっ、どうぞ中の方にお話もお聞きしますし、関係各所に連絡もいたします」
「えっ?そんなことまでしてくれるんですか?」
「そうですね、他の方からお聞きししたら、地域の情報をうちが詳しく持っていた方が何もかもスムーズになるんじゃないかと」
名札には『KCJ Kiyosi Hazato』とある。
「同じ地域でも知らないことって多いみたいなんですよ、うちはもう百年ぐらいはここで活動していくって決まっているので」
「百年?」
「そう百年」
「気が長い話だな」
「あ~すいません」
もう一人の職員が奥から顔をだし。
「せっかくなんでなんか?つまんでいきません?パイとかあるんですよ、ミートパイ、これと紅茶、甘いやつとか飲みません?」
「いいんですか?」
「あっ、どうぞ、これ、調理を勉強している子が作ったんですよ」
学費が高いので、バイト先を探していたら、KCJの支部(キャンピングカーではない)の所長が、それなら食料支援の仕事してみる?炊き出しとかもそうなんだけどもといったら決まった。
「その子、調理だけじゃなくて、うちでバイトすると、栄養の資格とれる学校に進学もいけるし、、そのまま就職すると奨学金うちで払うコースなんで、ずっと長いこと働いてくれるのかなって」
「羨ましい」
自分にはそういうのがない。
「はい、ミートパイお待ちどう!紅茶はこれなんだけども、今日は茶葉がよく出てるんで!」
「キッチンカーあると、紅茶出せるんですよ」
「やっぱりゴールデンルールじゃないと、あっ、どうぞ、どうぞ、お食べになって」
久しぶりの肉の味はうまかった。
「気に入ってもらって良かった、あの子はベーグルも旨いんだよ」
ここら辺では売ってないタイプの、遠方の郷土料理をメインに作ってもらっているが。
(30年トレントウッドで燻した、サマーチーズ食べたい)
波里はそう思ったが、それは遠方というか、異世界郷土料理とかだから、後、サマーチーズの旬は夏っぽいけども、冬だから!
「あっ、自炊できる環境ですか?」
「…お恥ずかしいですが」
「じゃあ、常温で食べれるセットとかお渡しして、お風呂とか着替え、良ければ洗濯、今着ているもの以外でもご自宅に洗濯物がたまっておられるのでしたら、後で持っていただければ乾燥機つきの洗濯機お貸ししますし、その間に食事も出しますから、なんなら」
「なんでそんなにお優しいのですか?」
裏があるのですか?の丁寧な言い回しである。
「うち、公益の団体なんで」
「えっ?」
「公益の団体って公益のために、社会問題とか解決のために存在しているんですけども」
「??」
「ええっとですね、民間企業というわけでは我々はなくて、本部は海外にあって、そこそケットシーという、簡単にいうと長生きする猫の種類と共に成長してきた団体で」
「ケットシー?」
「百年ぐらいはいきる猫、オスの三毛猫が一匹の割合だと、3~5匹ぐらいケットシーが生まれます、普通の猫より野生でも長生きなんで、よく猫は家につくっていうじゃないですか、ケットシーは家よりも広い、村につくとかそんな感じなんで、それで熊とか猪とかが村に侵入して来なかったんですよ、そういう歴史があるんで、共存共栄がうちの団体のポリシーですね」
「へぇ」
「浜薔薇にはそのケットシーがいて、ケットシーがいると、うちの団体が登録とかみんなやっているんですよ、この辺は登録されているケットシーがいたという歴史がないから、あまり馴染みがないかもしれません」
そういって簡単なパンフを持ってきた。
「ケットシーは基本的に栄える所に住みたがるといいますか、まあ、そこは猫と一緒かもしれません」
快適に弱い。
「うちの団体はケットシーの登録や飼い主がお亡くなりなった場合の保護とかもしているので、下手すると飼い主よりも長く生きますから」
「それは大変だ」
「猫のように見えて、違いますからね、生物的に、もっとケットシーを知ってもらいたいっていうのもありますから」
「波里、話ずれている」
「ゴメーン」
KCJのもう一人紅茶党、東司燭(とうじ そく)から止めが入った。
「とりあえず、KC、ええっと本部の方ですね、本部の方では長いこと食料支援は行ってきたんですよ、それこそ私たちが生まれる前からです、国内にもできて、台風とか地震とかあるたびに支援はしてきたんですが、もっと身近な問題に目を向けるべきだと、こういう地域の食料支援とかしてますね」
「まあ、浜薔薇の方でも協力的なのがありたいですね、だってほら、ハサミ渡されてカットしてとか、耳かきしてと私たちが言われても、蘆根さんには叶わないでしょ」
「そりゃあ、そうですね、だって蘆根さんですもん」
そこで笑った。
「よろしければお風呂入った後、そちらに蘆根さんに頼んでカットしてもらいますか?」
「いいんですか?」
「ええ、そうしましょ!」
そういって燭が浜薔薇に向かった。
「最近は特にこういう食料支援とか、お風呂とか多いんですよ」
「やっぱり景気が」
「そうなんでしょうが、我々はそこを理由に諦めたくはないんですよね、確かにいろんな問題はありますが、そういうのを解決するためにこういう仕事選んでいるんで」
KCJの出張所を任せられるには資格がある。
まずは人を見抜く公正さと何かあった際の矛を持つ職員が必ずいること。
浜薔薇出張所は、公正さの方が波里の浄玻璃の瞳、矛は東司が担当する。
しかしだいたい選ばれるのは、異世界にいきなり転移しても諦めずに帰ってくること、または適応した経験があることなどの職員であった、これは出張先は今までとは違う環境文化であることは間違いないため、それをストレスに思わないで、むしろ健康になるぐらいの人間性がなければ、出張所を繁栄させることはできないからというものである。
(浜薔薇のこの辺は、昔は商業地域だから、他の地域から来ましたっていっても、特に何も言われないし)
ありがたいことに支援の活動にも協力的なので、KCJからもいい土地柄だと誉められていた。
(もう少し我慢しようか)
今月というか、最近は金銭が心もとない。
だからなんとく浜薔薇も迂回気味になっていたが。
『KCJの食料支援』
場所は浜薔薇の駐車場にてとあった。
今まで行ってた店なので、すごくいきづらかったのだが、空腹を一食満たすためならば…と、いや、どうにでもなれだろう、これ。
「すいません!」
「はーい」
キャンピングカーに『KCJ浜薔薇出張所』とあり、なんかキッチンカーも停まっていた。
「その、あの~」
食料食料のポスターを指差すと。
「とりあえず三日分お渡ししますが、あっ、どうぞ中の方にお話もお聞きしますし、関係各所に連絡もいたします」
「えっ?そんなことまでしてくれるんですか?」
「そうですね、他の方からお聞きししたら、地域の情報をうちが詳しく持っていた方が何もかもスムーズになるんじゃないかと」
名札には『KCJ Kiyosi Hazato』とある。
「同じ地域でも知らないことって多いみたいなんですよ、うちはもう百年ぐらいはここで活動していくって決まっているので」
「百年?」
「そう百年」
「気が長い話だな」
「あ~すいません」
もう一人の職員が奥から顔をだし。
「せっかくなんでなんか?つまんでいきません?パイとかあるんですよ、ミートパイ、これと紅茶、甘いやつとか飲みません?」
「いいんですか?」
「あっ、どうぞ、これ、調理を勉強している子が作ったんですよ」
学費が高いので、バイト先を探していたら、KCJの支部(キャンピングカーではない)の所長が、それなら食料支援の仕事してみる?炊き出しとかもそうなんだけどもといったら決まった。
「その子、調理だけじゃなくて、うちでバイトすると、栄養の資格とれる学校に進学もいけるし、、そのまま就職すると奨学金うちで払うコースなんで、ずっと長いこと働いてくれるのかなって」
「羨ましい」
自分にはそういうのがない。
「はい、ミートパイお待ちどう!紅茶はこれなんだけども、今日は茶葉がよく出てるんで!」
「キッチンカーあると、紅茶出せるんですよ」
「やっぱりゴールデンルールじゃないと、あっ、どうぞ、どうぞ、お食べになって」
久しぶりの肉の味はうまかった。
「気に入ってもらって良かった、あの子はベーグルも旨いんだよ」
ここら辺では売ってないタイプの、遠方の郷土料理をメインに作ってもらっているが。
(30年トレントウッドで燻した、サマーチーズ食べたい)
波里はそう思ったが、それは遠方というか、異世界郷土料理とかだから、後、サマーチーズの旬は夏っぽいけども、冬だから!
「あっ、自炊できる環境ですか?」
「…お恥ずかしいですが」
「じゃあ、常温で食べれるセットとかお渡しして、お風呂とか着替え、良ければ洗濯、今着ているもの以外でもご自宅に洗濯物がたまっておられるのでしたら、後で持っていただければ乾燥機つきの洗濯機お貸ししますし、その間に食事も出しますから、なんなら」
「なんでそんなにお優しいのですか?」
裏があるのですか?の丁寧な言い回しである。
「うち、公益の団体なんで」
「えっ?」
「公益の団体って公益のために、社会問題とか解決のために存在しているんですけども」
「??」
「ええっとですね、民間企業というわけでは我々はなくて、本部は海外にあって、そこそケットシーという、簡単にいうと長生きする猫の種類と共に成長してきた団体で」
「ケットシー?」
「百年ぐらいはいきる猫、オスの三毛猫が一匹の割合だと、3~5匹ぐらいケットシーが生まれます、普通の猫より野生でも長生きなんで、よく猫は家につくっていうじゃないですか、ケットシーは家よりも広い、村につくとかそんな感じなんで、それで熊とか猪とかが村に侵入して来なかったんですよ、そういう歴史があるんで、共存共栄がうちの団体のポリシーですね」
「へぇ」
「浜薔薇にはそのケットシーがいて、ケットシーがいると、うちの団体が登録とかみんなやっているんですよ、この辺は登録されているケットシーがいたという歴史がないから、あまり馴染みがないかもしれません」
そういって簡単なパンフを持ってきた。
「ケットシーは基本的に栄える所に住みたがるといいますか、まあ、そこは猫と一緒かもしれません」
快適に弱い。
「うちの団体はケットシーの登録や飼い主がお亡くなりなった場合の保護とかもしているので、下手すると飼い主よりも長く生きますから」
「それは大変だ」
「猫のように見えて、違いますからね、生物的に、もっとケットシーを知ってもらいたいっていうのもありますから」
「波里、話ずれている」
「ゴメーン」
KCJのもう一人紅茶党、東司燭(とうじ そく)から止めが入った。
「とりあえず、KC、ええっと本部の方ですね、本部の方では長いこと食料支援は行ってきたんですよ、それこそ私たちが生まれる前からです、国内にもできて、台風とか地震とかあるたびに支援はしてきたんですが、もっと身近な問題に目を向けるべきだと、こういう地域の食料支援とかしてますね」
「まあ、浜薔薇の方でも協力的なのがありたいですね、だってほら、ハサミ渡されてカットしてとか、耳かきしてと私たちが言われても、蘆根さんには叶わないでしょ」
「そりゃあ、そうですね、だって蘆根さんですもん」
そこで笑った。
「よろしければお風呂入った後、そちらに蘆根さんに頼んでカットしてもらいますか?」
「いいんですか?」
「ええ、そうしましょ!」
そういって燭が浜薔薇に向かった。
「最近は特にこういう食料支援とか、お風呂とか多いんですよ」
「やっぱり景気が」
「そうなんでしょうが、我々はそこを理由に諦めたくはないんですよね、確かにいろんな問題はありますが、そういうのを解決するためにこういう仕事選んでいるんで」
KCJの出張所を任せられるには資格がある。
まずは人を見抜く公正さと何かあった際の矛を持つ職員が必ずいること。
浜薔薇出張所は、公正さの方が波里の浄玻璃の瞳、矛は東司が担当する。
しかしだいたい選ばれるのは、異世界にいきなり転移しても諦めずに帰ってくること、または適応した経験があることなどの職員であった、これは出張先は今までとは違う環境文化であることは間違いないため、それをストレスに思わないで、むしろ健康になるぐらいの人間性がなければ、出張所を繁栄させることはできないからというものである。
(浜薔薇のこの辺は、昔は商業地域だから、他の地域から来ましたっていっても、特に何も言われないし)
ありがたいことに支援の活動にも協力的なので、KCJからもいい土地柄だと誉められていた。
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