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鳥胡麻中華蕎麦
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蘆根はいつもは普通だが、ハサミや耳かきなどを持つと変わる。
(ハンドル握ると豹変するとかはよくあるけども)
最近は特にそれがわかりやすくなった。
「ハサミを使って、髪をさっぱりさせていいんだな、耳かきで気持ちよくしていいんだなっていうのをようやく許されたような気分だ」
「えっ?」
「やっとわかるようになったか」
「え?え?」
「まだまだ俺はヒヨっこなんで、ご指導やアドバイスをよろしくお願いします」
そういって蘆根はタモツに頭を下げた。
ファ~とイツモはあくびをする。
「イツモ!」
傑が呼ぶとこっちは見てくれるが立ち上がらない。
「マッサージの練習したいんだけどもな」
そっぽを向いた。
「ダメか」
とため息をつくと、足に何かが。
イツモである。
傑の足に体を擦り付けてきた。
「ちょっと嬉しいって思ったんだけども…」
毛がもっさりとついている。
「ちゃんとブラッシングするよ!」
そういって言い聞かせた後に、ブラッシングを始める。
(こういうのってなんていうんだっけ)
借りてきた猫のようにおとなしい。
眠いことと、傑は信頼おけると知っているので、イツモはそのまま爆睡した。
「本当に我が道を行くよね」
それは傑には苦手なことである。
前の職場は上手くやらなくちゃという気持ちがあったので、丁寧な対応に勤めていたが、そこにいろんなものを押し付けられたりするようになってしまった。
「そういえば聞いたか?」
「なんです?」
「前のお前の職場移転、ええっとあそこの家賃高いから」
「ああ、それは、じゃあ、移転というより実質閉店ですね」
移転先をみる限り。
「だろうな」
「あそこは家賃が高い地域で、インテリアにもこだわってましたからね」
「シャンデリアとかあったな」
「僕も自分の店をとか考えていたから、インテリアは見に行ったことはありますが、あのお店では内装が高くつくんだなって」
「もしも自分で店持ってたら、どんなのにしてたんだ?」
「そうですね」
そういってアウトレットのページを見はじめて。
「僕が見たときはここまでアウトレットとか中古の売り出しは多くなかったのに、やめる人多いんでしょうか」
「そりゃあそうだろ、コンビニも何件か、ほらこの間野菜を買いにいったけども、あの並びにあっただろう?」
「ありましたね」
「あそこも閉店するってよ、ポスター貼ったから、中に入ったら、品物が本当になくてよ、でもなんか半額だったから」
「えっ?半額?」
「そうそう」
「それは後で覗きに行きます」
「おう!あっ、その時何個かラーメンとか買ってきたんだけども、食べるか?」
「いいですね」
「前にさ、お客さんでラーメン好きな人いただろう?」
「いました、いました」
「あの人から、このコラボは新作出たら買えって言われてて、あったもんだから、試してみようぜ」
いわゆる名店のコラボ、そのコンビニ限定のものなのですが。
「あれ、この店知ってますよ」
「やっぱりすごいのか」
「でも、初代って書いてますね」
三代続いているラーメン屋さんで、現在は三代目が継いでいる。
「こってり系が好きならここみたいな感じですけども、鳥胡麻中華蕎麦なんですか?初代って」
「とりあえず食べてみようぜ」
お湯をいれるとそれだけで薫る。
「これは旨いぞ」
「間違いないですね」
「三代目のお店って、普通に行っても食べれないんだろ?」
「そうです、間違いなく一時間とか待ちますし」
「そういう時間わからないと並べないんだよな」
(先輩の場合、業務用の教育動画とか見ながら待ってそう)
正解!
蘆根は待ち時間があまり好きではないために、その間に色々と学習動画を見てしまうタイプだったりします。
(他のお店で動画のチャンネルあると、そういうのチェックしてたりするものな)
ただすぐに影響を受けるタイプではないのだが、時間が経過して、しばらくしてから、傑は気がつく。
(あっ、指の使い方が変わってる)
難易度の高い間違い探しのような変化をするのが蘆根である。
それではラーメンできましたので、お二方お食べください。
『いただきます』
一口食べてから。
「旨い」
「これ、お店でも出してくれればいいのに」
今回の監修は現役を退きましたが、ご存命の初代と、当時実際にその味を知っているお客さん達に実食してもらってから、完成いたしました。
「孫がコラボにあんまり乗り気じゃないもんでよ」
初代の方から提案。
「そりゃあ多少は昔とは違うし、同じならば芸って言うのはないもんだしな、そこはやっぱり旨いラーメンを食べさせてやる、すんごい店を作るって誓ったものの意地よ」
コラボの担当者も、初代のラーメンを食べたことがない人でしたが、久しぶりに作ってみるから、気に入ったらコラボしてくれと挑発的に言われた。
「そういう風にいうところは、とんでもなく美味しいものを作りますからね」
旨いと言わせた後も、予算や品質で打ち合わせを重ねて。
「最初にこれだけはやりたい、ここだけは守りたいっていうのを決めて、その中で今出せる満点を出せたかなと思いますよ」
鳥胡麻中華蕎麦は地域限定販売ですが、ぜひお試しください。
(ハンドル握ると豹変するとかはよくあるけども)
最近は特にそれがわかりやすくなった。
「ハサミを使って、髪をさっぱりさせていいんだな、耳かきで気持ちよくしていいんだなっていうのをようやく許されたような気分だ」
「えっ?」
「やっとわかるようになったか」
「え?え?」
「まだまだ俺はヒヨっこなんで、ご指導やアドバイスをよろしくお願いします」
そういって蘆根はタモツに頭を下げた。
ファ~とイツモはあくびをする。
「イツモ!」
傑が呼ぶとこっちは見てくれるが立ち上がらない。
「マッサージの練習したいんだけどもな」
そっぽを向いた。
「ダメか」
とため息をつくと、足に何かが。
イツモである。
傑の足に体を擦り付けてきた。
「ちょっと嬉しいって思ったんだけども…」
毛がもっさりとついている。
「ちゃんとブラッシングするよ!」
そういって言い聞かせた後に、ブラッシングを始める。
(こういうのってなんていうんだっけ)
借りてきた猫のようにおとなしい。
眠いことと、傑は信頼おけると知っているので、イツモはそのまま爆睡した。
「本当に我が道を行くよね」
それは傑には苦手なことである。
前の職場は上手くやらなくちゃという気持ちがあったので、丁寧な対応に勤めていたが、そこにいろんなものを押し付けられたりするようになってしまった。
「そういえば聞いたか?」
「なんです?」
「前のお前の職場移転、ええっとあそこの家賃高いから」
「ああ、それは、じゃあ、移転というより実質閉店ですね」
移転先をみる限り。
「だろうな」
「あそこは家賃が高い地域で、インテリアにもこだわってましたからね」
「シャンデリアとかあったな」
「僕も自分の店をとか考えていたから、インテリアは見に行ったことはありますが、あのお店では内装が高くつくんだなって」
「もしも自分で店持ってたら、どんなのにしてたんだ?」
「そうですね」
そういってアウトレットのページを見はじめて。
「僕が見たときはここまでアウトレットとか中古の売り出しは多くなかったのに、やめる人多いんでしょうか」
「そりゃあそうだろ、コンビニも何件か、ほらこの間野菜を買いにいったけども、あの並びにあっただろう?」
「ありましたね」
「あそこも閉店するってよ、ポスター貼ったから、中に入ったら、品物が本当になくてよ、でもなんか半額だったから」
「えっ?半額?」
「そうそう」
「それは後で覗きに行きます」
「おう!あっ、その時何個かラーメンとか買ってきたんだけども、食べるか?」
「いいですね」
「前にさ、お客さんでラーメン好きな人いただろう?」
「いました、いました」
「あの人から、このコラボは新作出たら買えって言われてて、あったもんだから、試してみようぜ」
いわゆる名店のコラボ、そのコンビニ限定のものなのですが。
「あれ、この店知ってますよ」
「やっぱりすごいのか」
「でも、初代って書いてますね」
三代続いているラーメン屋さんで、現在は三代目が継いでいる。
「こってり系が好きならここみたいな感じですけども、鳥胡麻中華蕎麦なんですか?初代って」
「とりあえず食べてみようぜ」
お湯をいれるとそれだけで薫る。
「これは旨いぞ」
「間違いないですね」
「三代目のお店って、普通に行っても食べれないんだろ?」
「そうです、間違いなく一時間とか待ちますし」
「そういう時間わからないと並べないんだよな」
(先輩の場合、業務用の教育動画とか見ながら待ってそう)
正解!
蘆根は待ち時間があまり好きではないために、その間に色々と学習動画を見てしまうタイプだったりします。
(他のお店で動画のチャンネルあると、そういうのチェックしてたりするものな)
ただすぐに影響を受けるタイプではないのだが、時間が経過して、しばらくしてから、傑は気がつく。
(あっ、指の使い方が変わってる)
難易度の高い間違い探しのような変化をするのが蘆根である。
それではラーメンできましたので、お二方お食べください。
『いただきます』
一口食べてから。
「旨い」
「これ、お店でも出してくれればいいのに」
今回の監修は現役を退きましたが、ご存命の初代と、当時実際にその味を知っているお客さん達に実食してもらってから、完成いたしました。
「孫がコラボにあんまり乗り気じゃないもんでよ」
初代の方から提案。
「そりゃあ多少は昔とは違うし、同じならば芸って言うのはないもんだしな、そこはやっぱり旨いラーメンを食べさせてやる、すんごい店を作るって誓ったものの意地よ」
コラボの担当者も、初代のラーメンを食べたことがない人でしたが、久しぶりに作ってみるから、気に入ったらコラボしてくれと挑発的に言われた。
「そういう風にいうところは、とんでもなく美味しいものを作りますからね」
旨いと言わせた後も、予算や品質で打ち合わせを重ねて。
「最初にこれだけはやりたい、ここだけは守りたいっていうのを決めて、その中で今出せる満点を出せたかなと思いますよ」
鳥胡麻中華蕎麦は地域限定販売ですが、ぜひお試しください。
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