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淡い希望
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アンケートを取るのは難航した。
「書いてはもらってはいるんだけどもね」
キャンピングカーでKCJの職員が一人苦悩していた。
そこにイツモが現れて、背中を登るが、落ち込みすぎて何も言わない。
「イツモ様、今、ちょっとそっとしておいてください」
そういってもう一人の職員がイツモを落とした。
「悩んでますね」
「だな」
「珈琲でも差し入れに持っていきましょうか?」
傑は心配をしている。
「う~ん、ある程度ヒントになるようなことを先に考えていった方がいいんじゃないか?」
「ヒントですか?」
「何て言うのかな、全部何とかしたいで上手く頭が回っていない感じかな」
「あ~それは見えますね」
「広い視野がやっぱりないと、見えなくなっているってあるじゃん」
「それはそうか…」
「傑としてはどうなんだ?」
「僕ですか?こういうことはじめてだけども、大変なのは見えてますから、何とかしたいなっては思いますが、それこそそこで終わってしまう、職員さんと同じところで、先が出てこない」
「先ってなんだ?」
「う~ん、なんでしょうね。やりたいことがあるとして、それがお金がないから出来ない、いや、お金よりもアイディアかな、これ、本当に答え知っている人いるなら聞きたいぐらいですよ」
「そういうのは意地はらず聞きたいよな」
「本当にそうですね、僕はまだ答えを必ず出さなければならない立場ではありませんけども、やらなければならないっていう使命に今なっちゃっているから、あまりあの状態続くと」
「体壊すな」
「そう思いますよ」
「気分転換したいところがすごい見えるんだ、髪もいつもよりペースが早かった、もうちょっと伸ばしてから切るような人が、この店でさ、お客さんってすっきりとか、気分転換求める場合あるじゃん?」
「ありますというか、耳掃除はほとんどそれではないですかね」
「その力を借りたがっているように見えた、あれ、本当に何とかしないと、耳掃除しすぎて傷だらけになるとかやりかねないぞ」
浜薔薇では耳かきは計画的にお願いしております。
「先輩は逆に何が足りないと思ってますか?」
「何がか、う~ん、例えばだけどもさ、満足できるマッサージって何が違うと思う?」
「なんでしょ?それこそさっきのスッキリ!気分転換!ですかね」
「そう、まあ、な、俺の腕がもっとあればとは思うが」
「アホなこと言ってるんじゃないよ」
「すいません」
タモツに叱られた。
(叱られるところ始めてみたかも)
「急いて腕を身に付けようとするな」
「はーい」
この話題だけは何度も叱られているようである。
「えっ?」
「なんかさ、自分が無力だって感じることはねえ?」
「こいつはそういうときこそ、熱心にやりすぎるんでな、体壊すまでやるから先に止めねえと」
やりすぎるのが蘆根のいいところ、しかしやりすぎてしまうのと蘆根の悪いところである。
「そういうときは基本からだ」
「はい、ちょっと研いでくるわ」
「わかりました」
蘆根は砥石の準備をした。
カミソリではなく、料理用の刃物を研ぎ直す。
困ったときは原点に立ち返る、それこそ平常心を取り戻すまで何度でも何度でも。
前に心が戻らなくて、何かとげるものはないか?とハサミを研いでみたら、見事に刃が合わなくなり、タモツに怒られたことがある。
この地域にはもうハサミを研げる人がいないので、遠方に送って一週間ぐらいの日時を用意した。
(あ~久しぶりにやった気がする)
自分でもわかっていた、職員さんは焦っていた、その苦悩がわかったので、自分も何か…と考えていったら、陥ってしまったというやつだ。
お客さんの中に【み】から始まって…
(こんな時傑なら、ささっと見つけて)
後輩への期待はすごいが、さっき本人が難しいっていうのは言ってたでしょ。
耳掃除やマッサージで元気を出してもらう、それは心がけている。
(しかし、すげぇな、あの人たち)
職員さん達は本当によくやってくれている。
「予算は限りはありますが、できるだけやりたい」
その熱意は伝わってきた。
そこにズン!と背中が重くなる。
「イツモ!」
この温かさ、正体はすぐにわかった。
「全く、危ないでしょうが」
器用に背中からイツモを剥がした。
「お前が子猫の時に、いきなりくわえられて現れたあの日を思い出すよ」
両親はすでに橋を渡り、同時期に生れた姉妹はケットシーではない。
「変なもんだな、最初は猫だと思っていたからな」
猫ではなくケットシーだったために、猫アレルギーの心配がない、なので色々な人が来る客商売でも問題なく家族になれた。
「ケットシーはオスの三毛猫よりはいるので」
割合としてはオスの三毛猫が一匹いると5匹ぐらいはいるよ!らしい。
「まだまだ謎が多いので、研究者のかた、ぜひともご協力していただければと思ってます」
落ち込んでいるときでも、宣伝を忘れない、さすがKCJの職員である。
ピタリ
「ん?どうした?今のお気に入りのコートはあっちだぞ」
今回の秋冬に着ていたコートの裏地がイツモはお気に入りで、ハンガーにかけておくと飛び付くので、コートを脱いだら、裏地をみせるような形でおいておくが、何故かそっちには行かない、蘆根の元に来てる。
「なんだ、寒いのか?」
そういってイツモを撫でる。
「本当にお前はいい子だよ、イタズラとかもっと手がかかる子だと思っていたのに、そういうの全然ないんだもんな」
そういってごろんと寝て、イツモがお腹の上に載った。
「あいつに連絡したくなったわ」
元カノです、財布握らせると本当に上手い。
「俺がな、悪かったからな、本当さ、もっとさ、…あ~ダメだ、そういうの言う度胸ねえわ、イツモ、お前とは気兼ねなく話せるけども、やっぱり人は、親しくなると、言葉選ぶようになるもんだな」
嫌いになって別れたというよりは、すれ違ってしまった。
「やだね、景気悪いって、もっと良かったら、そこまで仕事を追いかけなくても、あいつと一緒にいられたんだろうな」
そこまでいうと、イツモが何でか飛んで顔に乗ってきた。
「イツモ!」
口の中に毛が入ってきた。
「なんだよ、急に、ビックリするだろ?」
猫、いや、ケットシーとの生活は発見することがとても多いが。
(あれ、もしかして心配されてる?)
あまりこんなことをしないイツモを見て、そう思ってしまった。
「ああ、これは本当に何とかしないとな、後で俺も話をしに行こうかな」
何人かで話せば答えが見つかるかもしれない。
そんな淡い希望を蘆根は持った。
「書いてはもらってはいるんだけどもね」
キャンピングカーでKCJの職員が一人苦悩していた。
そこにイツモが現れて、背中を登るが、落ち込みすぎて何も言わない。
「イツモ様、今、ちょっとそっとしておいてください」
そういってもう一人の職員がイツモを落とした。
「悩んでますね」
「だな」
「珈琲でも差し入れに持っていきましょうか?」
傑は心配をしている。
「う~ん、ある程度ヒントになるようなことを先に考えていった方がいいんじゃないか?」
「ヒントですか?」
「何て言うのかな、全部何とかしたいで上手く頭が回っていない感じかな」
「あ~それは見えますね」
「広い視野がやっぱりないと、見えなくなっているってあるじゃん」
「それはそうか…」
「傑としてはどうなんだ?」
「僕ですか?こういうことはじめてだけども、大変なのは見えてますから、何とかしたいなっては思いますが、それこそそこで終わってしまう、職員さんと同じところで、先が出てこない」
「先ってなんだ?」
「う~ん、なんでしょうね。やりたいことがあるとして、それがお金がないから出来ない、いや、お金よりもアイディアかな、これ、本当に答え知っている人いるなら聞きたいぐらいですよ」
「そういうのは意地はらず聞きたいよな」
「本当にそうですね、僕はまだ答えを必ず出さなければならない立場ではありませんけども、やらなければならないっていう使命に今なっちゃっているから、あまりあの状態続くと」
「体壊すな」
「そう思いますよ」
「気分転換したいところがすごい見えるんだ、髪もいつもよりペースが早かった、もうちょっと伸ばしてから切るような人が、この店でさ、お客さんってすっきりとか、気分転換求める場合あるじゃん?」
「ありますというか、耳掃除はほとんどそれではないですかね」
「その力を借りたがっているように見えた、あれ、本当に何とかしないと、耳掃除しすぎて傷だらけになるとかやりかねないぞ」
浜薔薇では耳かきは計画的にお願いしております。
「先輩は逆に何が足りないと思ってますか?」
「何がか、う~ん、例えばだけどもさ、満足できるマッサージって何が違うと思う?」
「なんでしょ?それこそさっきのスッキリ!気分転換!ですかね」
「そう、まあ、な、俺の腕がもっとあればとは思うが」
「アホなこと言ってるんじゃないよ」
「すいません」
タモツに叱られた。
(叱られるところ始めてみたかも)
「急いて腕を身に付けようとするな」
「はーい」
この話題だけは何度も叱られているようである。
「えっ?」
「なんかさ、自分が無力だって感じることはねえ?」
「こいつはそういうときこそ、熱心にやりすぎるんでな、体壊すまでやるから先に止めねえと」
やりすぎるのが蘆根のいいところ、しかしやりすぎてしまうのと蘆根の悪いところである。
「そういうときは基本からだ」
「はい、ちょっと研いでくるわ」
「わかりました」
蘆根は砥石の準備をした。
カミソリではなく、料理用の刃物を研ぎ直す。
困ったときは原点に立ち返る、それこそ平常心を取り戻すまで何度でも何度でも。
前に心が戻らなくて、何かとげるものはないか?とハサミを研いでみたら、見事に刃が合わなくなり、タモツに怒られたことがある。
この地域にはもうハサミを研げる人がいないので、遠方に送って一週間ぐらいの日時を用意した。
(あ~久しぶりにやった気がする)
自分でもわかっていた、職員さんは焦っていた、その苦悩がわかったので、自分も何か…と考えていったら、陥ってしまったというやつだ。
お客さんの中に【み】から始まって…
(こんな時傑なら、ささっと見つけて)
後輩への期待はすごいが、さっき本人が難しいっていうのは言ってたでしょ。
耳掃除やマッサージで元気を出してもらう、それは心がけている。
(しかし、すげぇな、あの人たち)
職員さん達は本当によくやってくれている。
「予算は限りはありますが、できるだけやりたい」
その熱意は伝わってきた。
そこにズン!と背中が重くなる。
「イツモ!」
この温かさ、正体はすぐにわかった。
「全く、危ないでしょうが」
器用に背中からイツモを剥がした。
「お前が子猫の時に、いきなりくわえられて現れたあの日を思い出すよ」
両親はすでに橋を渡り、同時期に生れた姉妹はケットシーではない。
「変なもんだな、最初は猫だと思っていたからな」
猫ではなくケットシーだったために、猫アレルギーの心配がない、なので色々な人が来る客商売でも問題なく家族になれた。
「ケットシーはオスの三毛猫よりはいるので」
割合としてはオスの三毛猫が一匹いると5匹ぐらいはいるよ!らしい。
「まだまだ謎が多いので、研究者のかた、ぜひともご協力していただければと思ってます」
落ち込んでいるときでも、宣伝を忘れない、さすがKCJの職員である。
ピタリ
「ん?どうした?今のお気に入りのコートはあっちだぞ」
今回の秋冬に着ていたコートの裏地がイツモはお気に入りで、ハンガーにかけておくと飛び付くので、コートを脱いだら、裏地をみせるような形でおいておくが、何故かそっちには行かない、蘆根の元に来てる。
「なんだ、寒いのか?」
そういってイツモを撫でる。
「本当にお前はいい子だよ、イタズラとかもっと手がかかる子だと思っていたのに、そういうの全然ないんだもんな」
そういってごろんと寝て、イツモがお腹の上に載った。
「あいつに連絡したくなったわ」
元カノです、財布握らせると本当に上手い。
「俺がな、悪かったからな、本当さ、もっとさ、…あ~ダメだ、そういうの言う度胸ねえわ、イツモ、お前とは気兼ねなく話せるけども、やっぱり人は、親しくなると、言葉選ぶようになるもんだな」
嫌いになって別れたというよりは、すれ違ってしまった。
「やだね、景気悪いって、もっと良かったら、そこまで仕事を追いかけなくても、あいつと一緒にいられたんだろうな」
そこまでいうと、イツモが何でか飛んで顔に乗ってきた。
「イツモ!」
口の中に毛が入ってきた。
「なんだよ、急に、ビックリするだろ?」
猫、いや、ケットシーとの生活は発見することがとても多いが。
(あれ、もしかして心配されてる?)
あまりこんなことをしないイツモを見て、そう思ってしまった。
「ああ、これは本当に何とかしないとな、後で俺も話をしに行こうかな」
何人かで話せば答えが見つかるかもしれない。
そんな淡い希望を蘆根は持った。
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