異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ！ のんびり冒険者 (仮)

本編

どう倒すか、それが問題。

スライム大量発生してるって平原に向かいながら、私はある問題と向き合っていた。


それは、スライムたちをどう倒すか、だ。


1人で行って帰ってくる気満々だったから特に何も考えず、ゴブリンのとき同様、魔法で楽勝とか思ってたけど、ルイスさんがいたらそうもいかないわけで。


どう倒すか、それが問題で。
……剣で倒していってもいいけど、数次第だよなぁ……。あまりにも多いようなら、それなりに魔法も必要になってくるわけで。

うーん……火魔法は使えない設定にしてるからマズいし…… 雷落として核どころか本体ごとちりぢりにしちゃうのもありとか思ってたけど火魔法使えない設定になってる以上、無理だし。同じ理由で氷も無理。
………となると、水、風、土のどれか……。

うーん……スライムって水属性の魔物だっけ？

｢ルイスさん、スライムって水属性ですか？｣

｢水か火の属性なことが多いな。魔物にしては珍しく、基本の4属性とその上位の雷と氷の属性を持った個体もそれなりの数発見されてるな。土や風に雷と氷もいなくはないけど数は多くないがな。水属性の0.5割くらいは進化して氷属性になると言われているが実際のとこどうだかはわからないな。今から行くところには水属性ばかりと聞いているぞ｣

｢水属性か……｣

魔物にも魔法適正があって、だいたいこの魔物にはこの属性(1つだったり2つだったり、それも種類によって異なる)と決まっているらしい。
それに該当しない……つまり、1つしか持たない種が2つ持ってるとかそもそも属性がちがうとか、そういうもののことを変異種と呼ぶ。
たいして特殊個体は、本来の性質とはあまりにもちがう個体のことを言う。特殊個体は、まるで検討のつかない性質を持っているのが常で、例え低ランクでも厄介なのだという。

それでもさすがに、スライムは特殊個体とはいえ、そこまで厄介扱いではないらしく、数次第では低ランク、多くてもDランクまでに回されるとのこと。

今回は、そのちょうど中間……言ってしまえば中途半端な量だったために、受注者がいなかったようだ。


ただし、伝説級の扱いでＳランク認定されている魔物(ドラゴンとかフェンリルとか)に関しては、上記に該当しないらしい。稀まれにAランクの魔物にも該当しない種がいるらしいが詳しくは知らない。


｢お前は何が使えるんだっけ？｣

｢水と風と土ですね｣

｢火があればよかったんだけどな……こればっかりは仕方ないか｣

ホントは使えるんだけどね。火魔法。使えないって設定にしてるだけで。


｢とりあえず剣でそれぞれ倒していって、数次第で私は魔法に切り替える、って感じでいいですかね？｣

｢は？｣

｢……あれ、ダメですか？｣

悪い提案じゃないと思うんだけどな。

｢俺は、手伝わねぇぞ｣

｢……へっ？｣

……今、なんつった？？