異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)

ひなた

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本編

ルイスさんと一緒

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「じゃあマリアちゃん、気をつけていってきてね」

「ねぇエミリーさん。私1人で行ってきたらダメ?」

「あら、どうして? ルイスと行くの嫌?」

「…………イヤ、ジャ、ナイ、デス。イッテキマス」

1人でいいよ。むしろ1人がいい! そう思ったけど結局強くは言えず、2人で行くことになった。
その2人っていうのが、私と、ルイスさん。

……なんでこうなった。


あのあと……ルドルフがいなくなったギルド内は、騒ぎをききつけてやってきたギルマスの一声によって平常に戻り、図らずも周囲の注目を浴びてしまったため、個室に入り話の続きをすることになった。

そこで改めて、依頼を受諾、場所を聞いて早速向かうことになったんだけど……
想定外のことが起きた。 なんと、ルイスさんがついて行くと言い出した。

正直、ついてこられると困る。ちょっとじゃなくてだいぶ困る。

断ろうとはしたんだけど、ルイスさんには「なんで断るんだ」と睨まれ、エミリーさんには「性格こんなんでも意外と強いから。対魔物には慣れてないとはいえ、街の外周辺の魔物の相手くらいなら役に立つと思うわ~」と惚気だかフォローできてないフォローなのかわからない発言をされ、終いにはギルマスまで、「用人棒として連れていけ」と言われてしまい……そこまで言われても断れるほど、日本人をやめていなかったようで。結局一緒に行く羽目に。


「はぁ……」

ルイスさん……悪い人じゃないんだろうけど…… すごい見てくるんだよね。上から下まで観察されてる感が半端ないんだよ。私何かした?いや、なにかするほど接点ないし。


「マリア」

「は、はいっ!? ななな、何ですかぁっ!?」

隣を歩くルイスさんを横目で見ながらそんなことを考えていたから、急に名前呼ばれたことに驚きすぎて、声が裏返った挙句、どもってしまった。


「なにどもってんだよ。 スライムは倒したことあるのか?」

「あ、はい。普通のなら……」

「剣か?魔法か?」

「えっと、一応両方……」

「剣持ってねぇけどいいのかよ」

「あ、それは借りた魔法鞄マジックバックの中に入ってます(っていう設定でホントは無限収納の中)」

「そっか。 特殊個体を倒したこと、もしくは見たことは?」

「ないですね~」

「普通のスライムの核は見つけれるのかよ」

「それも教えて貰って訓練したから、大丈夫です。色がちょっとだけ違うんですよね」

よく見ないとわからないほど微妙な色だから 戦いながら探すのめんどくさくて、鑑定で場所見つけちゃうんだけどね。それでも一応できるようになっといて損はないかなって思って、目視でも確認はできるように頑張っといたんだよね。


「特殊個体はさらにわかりづらい上に深いところにあるらしい」

「あ、それ、エミリーさんも言ってました。深すぎて、剣も魔法もなかなか届かないって」

「ああ。そうらしいな」

「ところでルイスさんって、魔法使えるんでしたっけ?」

「水と風。魔力は少ないけどな」

「どれくらいの威力の放てます?」

「どっちも、中級は1発が限界だな。初級なら5発くらいだな」

誰でも彼でも鑑定してるわけじゃないから、ルイスさんが魔法を使えるとは知らなかった。

ロイさんも意外と、魔法使えるんだよね~

「それだと魔力枯渇されたら“私が”帰り困るんで、使わないつもりでお願いしますね」

ルイスさん支えながら歩くとか無理だし。私に魔力枯渇なんてないからルイスさんの魔法の出番はまぁまずないでしょ。
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