40 / 121
本編
ルイスさんと一緒
しおりを挟む「じゃあマリアちゃん、気をつけていってきてね」
「ねぇエミリーさん。私1人で行ってきたらダメ?」
「あら、どうして? ルイスと行くの嫌?」
「…………イヤ、ジャ、ナイ、デス。イッテキマス」
1人でいいよ。むしろ1人がいい! そう思ったけど結局強くは言えず、2人で行くことになった。
その2人っていうのが、私と、ルイスさん。
……なんでこうなった。
あのあと……ルドルフがいなくなったギルド内は、騒ぎをききつけてやってきたギルマスの一声によって平常に戻り、図らずも周囲の注目を浴びてしまったため、個室に入り話の続きをすることになった。
そこで改めて、依頼を受諾、場所を聞いて早速向かうことになったんだけど……
想定外のことが起きた。 なんと、ルイスさんがついて行くと言い出した。
正直、ついてこられると困る。ちょっとじゃなくてだいぶ困る。
断ろうとはしたんだけど、ルイスさんには「なんで断るんだ」と睨まれ、エミリーさんには「性格こんなんでも意外と強いから。対魔物には慣れてないとはいえ、街の外周辺の魔物の相手くらいなら役に立つと思うわ~」と惚気だかフォローできてないフォローなのかわからない発言をされ、終いにはギルマスまで、「用人棒として連れていけ」と言われてしまい……そこまで言われても断れるほど、日本人をやめていなかったようで。結局一緒に行く羽目に。
「はぁ……」
ルイスさん……悪い人じゃないんだろうけど…… すごい見てくるんだよね。上から下まで観察されてる感が半端ないんだよ。私何かした?いや、なにかするほど接点ないし。
「マリア」
「は、はいっ!? ななな、何ですかぁっ!?」
隣を歩くルイスさんを横目で見ながらそんなことを考えていたから、急に名前呼ばれたことに驚きすぎて、声が裏返った挙句、どもってしまった。
「なにどもってんだよ。 スライムは倒したことあるのか?」
「あ、はい。普通のなら……」
「剣か?魔法か?」
「えっと、一応両方……」
「剣持ってねぇけどいいのかよ」
「あ、それは借りた魔法鞄の中に入ってます(っていう設定でホントは無限収納の中)」
「そっか。 特殊個体を倒したこと、もしくは見たことは?」
「ないですね~」
「普通のスライムの核は見つけれるのかよ」
「それも教えて貰って訓練したから、大丈夫です。色がちょっとだけ違うんですよね」
よく見ないとわからないほど微妙な色だから 戦いながら探すのめんどくさくて、鑑定で場所見つけちゃうんだけどね。それでも一応できるようになっといて損はないかなって思って、目視でも確認はできるように頑張っといたんだよね。
「特殊個体はさらにわかりづらい上に深いところにあるらしい」
「あ、それ、エミリーさんも言ってました。深すぎて、剣も魔法もなかなか届かないって」
「ああ。そうらしいな」
「ところでルイスさんって、魔法使えるんでしたっけ?」
「水と風。魔力は少ないけどな」
「どれくらいの威力の放てます?」
「どっちも、中級は1発が限界だな。初級なら5発くらいだな」
誰でも彼でも鑑定してるわけじゃないから、ルイスさんが魔法を使えるとは知らなかった。
ロイさんも意外と、魔法使えるんだよね~
「それだと魔力枯渇されたら“私が”帰り困るんで、使わないつもりでお願いしますね」
ルイスさん支えながら歩くとか無理だし。私に魔力枯渇なんてないからルイスさんの魔法の出番はまぁまずないでしょ。
171
お気に入りに追加
7,912
あなたにおすすめの小説

異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!

転生幼女の怠惰なため息
(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉
ファンタジー
ひとり残業中のアラフォー、清水 紗代(しみず さよ)。異世界の神のゴタゴタに巻き込まれ、アッという間に死亡…( ºωº )チーン…
紗世を幼い頃から見守ってきた座敷わらしズがガチギレ⁉💢
座敷わらしズが異世界の神を脅し…ε=o(´ロ`||)ゴホゴホッ説得して異世界での幼女生活スタートっ!!
もう何番煎じかわからない異世界幼女転生のご都合主義なお話です。
全くの初心者となりますので、よろしくお願いします。
作者は極度のとうふメンタルとなっております…

野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
滅びる異世界に転生したけど、幼女は楽しく旅をする!
白夢
ファンタジー
何もしないでいいから、世界の終わりを見届けてほしい。
そう言われて、異世界に転生することになった。
でも、どうせ転生したなら、この異世界が滅びる前に観光しよう。
どうせ滅びる世界なら、思いっきり楽しもう。
だからわたしは旅に出た。
これは一人の幼女と小さな幻獣の、
世界なんて救わないつもりの放浪記。
〜〜〜
ご訪問ありがとうございます。
可愛い女の子が頼れる相棒と美しい世界で旅をする、幸せなファンタジーを目指しました。
ファンタジー小説大賞エントリー作品です。気に入っていただけましたら、ぜひご投票をお願いします。
お気に入り、ご感想、応援などいただければ、とても喜びます。よろしくお願いします!
23/01/08 表紙画像を変更しました

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

流石に異世界でもこのチートはやばくない?
裏おきな
ファンタジー
片桐蓮《かたぎりれん》40歳独身駄目サラリーマンが趣味のリサイクルとレストアの資材集めに解体業者の資材置き場に行ったらまさかの異世界転移してしまった!そこに現れたのが守護神獣になっていた昔飼っていた犬のラクス。
異世界転移で手に入れた無限鍛冶
のチート能力で異世界を生きて行く事になった!
この作品は約1年半前に初めて「なろう」で書いた物を加筆修正して上げていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる