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一章
子供苦手なんだけど?
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前話飛ばした方に。
隠れていた子供たちを見つけたよ。
まだ残酷場面あります。
--------------------------
子供たちは足を傷めてるし、魔物に吹き飛ばされて肋骨が折れた、悪党に顔やお腹を殴られたとかで動かすのも抱き上げるのも難儀しそう。
が、その前に清潔にしないと怪我が化膿したり危険だ。
さすがにボロボロの子供を目の前に俺の隠し事は些細なことだ。
「シャート、後で説明するから今は聞かないでな」
「うんー?」
まずは全員〈洗浄〉した。
意識がある子たちはびっくりした。
「おー、ジェイル、すご~い」
シャートは使えないのか?
シャートと意識のない男の子と幼児に口をこじ開けポーションを飲ませて、意識のある子には自分で飲んでもらった。
傷はほとんど治ったけど骨折や深い傷は完治しない。
子供を保護する可能性は考えてたけど、保護の後、食事や着替えまで考慮してなかった。シャートは兵糧にしている乾パンみたいなの与えるつもりらしい。
シャートが子供達に意識を向けている間にスマホで衣料品、医療用コルセット、傷薬、果汁100%ジュース、軽食をポチポチ。
この世界の下着は男は下履き、女はドロワーズ?らしいのでそれっぽいレギンスとカボチャパンツを買った。
靴はショートブーツ、サイズ適当だから中敷で調整だな。
ついでにゴツゴツした地面に直で座ってるので絨毯っぽいシートを買った。ビニールシートはさすがにまずい。
「シャート、ちょっと手伝って」
絨毯を収納から取り出して見せる。
「えー・・・なんでそんなの持ってるんー」
今買ったんだけど、説明は後で。
女の子も着替えさせようにも自分で出来ない程度に傷んでて怯えてるのでオッさんたちで手伝う。ノーロリータノータッチだけどお世話がいるから仕方ないよ。
怪我の状態をチェックして固定が必要な子はサポーターと木材で。
胸部はコルセットタイプで、樹脂が木材になってるけど軽めだから良いかな。無いよりマシ。
女の子には前開きワンピースに着替えさせて、男の子もロングめの前開きシャツにゆったりした半ズボン。
「なんで子供服持ってるんだよーすご~」
気になるよな?分かるよ。俺もシャートが出してたら引く。
多少元気を取り戻した子供、メイ、ディエゴ、ジャン、ユングにコップにブドウジュースを入れて飲ませる。
「「「おいしー」」」
喉が渇いていたのかおかわりしたよ。
「えーワイン!!」
「酒じゃないよ」
うるさいのでシャートにも渡すと普通に美味しそうに飲んでる。
「お酒じゃない!けど美味しいねぇ」
大人は果汁ジュース持ち歩かないんだよな。でも水に忌避感あるみたいだし仕方ないだろ。
「あのね。どうしてここにいたか、ちょっと聞いても大丈夫かなー?」
子供たちがビクッとなったけど、情報確認しないとだ。シャートが優しく聞き出す。
みんなポルドスで攫われて、悪いおじさんたちに馬車に乗せられて、途中で大きい犬みたいなのに襲われて子供を一人捨てて気を逸らして進んで、次はもっと大きい巨人みたいなのに襲われて、おじさんたちが逃げ出したり子供を巨人に投げたりしたって。
結局馬車が倒れて、おじさんたちが戦ってる間にここに逃げ込んだそうだ。
胸糞野郎どもだ。子供の数は最初は十人だったそうだ。今は六人・・・。
「あのお兄ちゃんが魔法で助けてくれたんだよー」
貴族の子が、魔道具の結界で半日くらいやり過ごしていたらしい。物凄い精神力だな。目を覚ましたら誉めよう。
お腹が空いてるようなので、さっきポチったサンドイッチを出す。ちゃんと大きい葉っぱで巻かれてるのすごい。
「これなぁに?」
「パンと卵と野菜」
「野菜やっ」
「僕もヤダッ」
子供はいいよ?仕方ないから。
「お前食わなくて良くない?」
子供と一緒に騒ぐシャートを思わずアイアンクローしちゃう。
「パン柔らか~い」
「おいし~」
「お兄ちゃん!美味しいよ」
怖い目にあったのに俺に気を遣える良い子たち。
「ジェイル、これ美味しい!バッグにまだ色々入ってるの?」
「全部後でな」
ドットたちは無事?敵と相対して倒してすぐこっちに来るってシャートに〈伝心鳥〉が飛んできた。
二人が来てくれるならかなり助かるな。
それでランガたちと合流できるのが一番だけど、子供たちが安定したらだけど、街道までおんぶで運ぶしかないのか。
「シャート、こっちの子達は大丈夫なのか?」
「男の子は魔力の使い過ぎと気を張っていたから気が緩んで寝てる、おチビちゃんは泣き疲れかなぁ?」
二人はかなり見た目が良いからか商売的に手を出されずに怪我も逃げた時に枝とかでついた傷くらい。
お兄ちゃんが妹を必死に守って、さらに他の子供たちもなんとか守ったんだろう。自分たちだけで良いってタイプだったら他の子は見捨ててたはずだ。
二人とも柔らかそうな金髪。今は手入れが出来てないからくすんでるけど、普段は綺麗なんだろう。
お兄ちゃんの目は一瞬しか見てないけど碧だった。
泣き疲れてかくちゃくちゃな顔をしていた妹も今は穏やかだ。
「ねえねぇ、シャートちゃん、これから私たちどうなるのか?」
「おうち帰りたいよー」
安心したからか今度は帰れない状況に泣き出しちゃった。
シャート、自分のこと「シャートちゃん」って教えたのか?ちょっとキモイぞ。
___________________
現場直行、調査組
ドット シャート ヴァロ ジェイル
馬車組 御者二人
ランガ ヤン ドレイク クレイバー
保護した子
メイ ディエゴ ジャン ユング
貴族の少年、幼児
隠れていた子供たちを見つけたよ。
まだ残酷場面あります。
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子供たちは足を傷めてるし、魔物に吹き飛ばされて肋骨が折れた、悪党に顔やお腹を殴られたとかで動かすのも抱き上げるのも難儀しそう。
が、その前に清潔にしないと怪我が化膿したり危険だ。
さすがにボロボロの子供を目の前に俺の隠し事は些細なことだ。
「シャート、後で説明するから今は聞かないでな」
「うんー?」
まずは全員〈洗浄〉した。
意識がある子たちはびっくりした。
「おー、ジェイル、すご~い」
シャートは使えないのか?
シャートと意識のない男の子と幼児に口をこじ開けポーションを飲ませて、意識のある子には自分で飲んでもらった。
傷はほとんど治ったけど骨折や深い傷は完治しない。
子供を保護する可能性は考えてたけど、保護の後、食事や着替えまで考慮してなかった。シャートは兵糧にしている乾パンみたいなの与えるつもりらしい。
シャートが子供達に意識を向けている間にスマホで衣料品、医療用コルセット、傷薬、果汁100%ジュース、軽食をポチポチ。
この世界の下着は男は下履き、女はドロワーズ?らしいのでそれっぽいレギンスとカボチャパンツを買った。
靴はショートブーツ、サイズ適当だから中敷で調整だな。
ついでにゴツゴツした地面に直で座ってるので絨毯っぽいシートを買った。ビニールシートはさすがにまずい。
「シャート、ちょっと手伝って」
絨毯を収納から取り出して見せる。
「えー・・・なんでそんなの持ってるんー」
今買ったんだけど、説明は後で。
女の子も着替えさせようにも自分で出来ない程度に傷んでて怯えてるのでオッさんたちで手伝う。ノーロリータノータッチだけどお世話がいるから仕方ないよ。
怪我の状態をチェックして固定が必要な子はサポーターと木材で。
胸部はコルセットタイプで、樹脂が木材になってるけど軽めだから良いかな。無いよりマシ。
女の子には前開きワンピースに着替えさせて、男の子もロングめの前開きシャツにゆったりした半ズボン。
「なんで子供服持ってるんだよーすご~」
気になるよな?分かるよ。俺もシャートが出してたら引く。
多少元気を取り戻した子供、メイ、ディエゴ、ジャン、ユングにコップにブドウジュースを入れて飲ませる。
「「「おいしー」」」
喉が渇いていたのかおかわりしたよ。
「えーワイン!!」
「酒じゃないよ」
うるさいのでシャートにも渡すと普通に美味しそうに飲んでる。
「お酒じゃない!けど美味しいねぇ」
大人は果汁ジュース持ち歩かないんだよな。でも水に忌避感あるみたいだし仕方ないだろ。
「あのね。どうしてここにいたか、ちょっと聞いても大丈夫かなー?」
子供たちがビクッとなったけど、情報確認しないとだ。シャートが優しく聞き出す。
みんなポルドスで攫われて、悪いおじさんたちに馬車に乗せられて、途中で大きい犬みたいなのに襲われて子供を一人捨てて気を逸らして進んで、次はもっと大きい巨人みたいなのに襲われて、おじさんたちが逃げ出したり子供を巨人に投げたりしたって。
結局馬車が倒れて、おじさんたちが戦ってる間にここに逃げ込んだそうだ。
胸糞野郎どもだ。子供の数は最初は十人だったそうだ。今は六人・・・。
「あのお兄ちゃんが魔法で助けてくれたんだよー」
貴族の子が、魔道具の結界で半日くらいやり過ごしていたらしい。物凄い精神力だな。目を覚ましたら誉めよう。
お腹が空いてるようなので、さっきポチったサンドイッチを出す。ちゃんと大きい葉っぱで巻かれてるのすごい。
「これなぁに?」
「パンと卵と野菜」
「野菜やっ」
「僕もヤダッ」
子供はいいよ?仕方ないから。
「お前食わなくて良くない?」
子供と一緒に騒ぐシャートを思わずアイアンクローしちゃう。
「パン柔らか~い」
「おいし~」
「お兄ちゃん!美味しいよ」
怖い目にあったのに俺に気を遣える良い子たち。
「ジェイル、これ美味しい!バッグにまだ色々入ってるの?」
「全部後でな」
ドットたちは無事?敵と相対して倒してすぐこっちに来るってシャートに〈伝心鳥〉が飛んできた。
二人が来てくれるならかなり助かるな。
それでランガたちと合流できるのが一番だけど、子供たちが安定したらだけど、街道までおんぶで運ぶしかないのか。
「シャート、こっちの子達は大丈夫なのか?」
「男の子は魔力の使い過ぎと気を張っていたから気が緩んで寝てる、おチビちゃんは泣き疲れかなぁ?」
二人はかなり見た目が良いからか商売的に手を出されずに怪我も逃げた時に枝とかでついた傷くらい。
お兄ちゃんが妹を必死に守って、さらに他の子供たちもなんとか守ったんだろう。自分たちだけで良いってタイプだったら他の子は見捨ててたはずだ。
二人とも柔らかそうな金髪。今は手入れが出来てないからくすんでるけど、普段は綺麗なんだろう。
お兄ちゃんの目は一瞬しか見てないけど碧だった。
泣き疲れてかくちゃくちゃな顔をしていた妹も今は穏やかだ。
「ねえねぇ、シャートちゃん、これから私たちどうなるのか?」
「おうち帰りたいよー」
安心したからか今度は帰れない状況に泣き出しちゃった。
シャート、自分のこと「シャートちゃん」って教えたのか?ちょっとキモイぞ。
___________________
現場直行、調査組
ドット シャート ヴァロ ジェイル
馬車組 御者二人
ランガ ヤン ドレイク クレイバー
保護した子
メイ ディエゴ ジャン ユング
貴族の少年、幼児
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