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一章
大急ぎなので
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中に戻るとお酒で幸せ気分じゃなくてお通夜だった。
だから言ったのに。
「俺はもう元の俺には戻れないんだ」
「神の酒を飲んでしまった。俺はもう死ぬのか」
地球人生きてるから大丈夫だよ。
「ドット、ランガ、ちょっと良いか?」
俺は冒険者ギルドで入手した地図を広げた。
なんと言うか大雑把な地図だ。伊能さんはいない世界線辛い。
「なんだ?」
「何がいるかはわからないけど、この辺りに危険なのがいる気がする。野盗?の逃走路なら野盗も誘拐された子供も全滅するかも?」
距離的に何言ってるんだって顔するよな?
こっから半日くらいって普通は距離的に生物反応なんか察知できるわけ無いんだよ。
ドレイクたちもポカンと地図を覗く。
「おい、シャート。お前この距離で探知出来るか?」
「無理ー」
デスヨネー。俺も正直なんでやねんって思ってるよ。
半日っていうのは、今の俺たちの移動速度を勝手にスマートウォッチが計算して出してるから普通なら一日とかの距離だと思う。
「ジェイル、自分の察知能力に自信があるんだな?」
俺っていうかスマートウォッチの能力なんだけど、こいつの性能は神様からもらったスキルによるものだから、正確なはず。
「んー?ロック鳥が襲ってくる前に攻撃の準備ができる程度には?」
銃構えただけだけど。
ロック鳥はかなり上空から直滑降してきたりするから察知した時にはもう目前にいたりするらしいから、それなりにすごいはず。
俺以外が難しい顔して真剣に考え込んでる。
「とりあえず、カナンとポルドスに連絡入れてみるねー」
シャートが紙に伝言を書いて、「伝心鳥」と唱えると光る鳥になって飛んでいった。
おお~、なんかカッコいいぞ。
〈伝心鳥〉は鳥と飛ばしたい場所をイメージして紙に魔力を込めると言うと発動するんだって。
便利だと思ったら、宛先の事を知らないと飛ばせないし、込める魔力量で飛べる距離が決まってるから魔力が少ないと近距離までだそうだ。
「さて、今以上にスピードを上げるのは馬がもたない。馬車班と調査班に分かれるぞ」
あー・・・。やっぱそうなるかぁ。
「ジェイルには案内をして貰うから調査班な」
まさか全力疾走ってやつですかね?
バイク出していいかな。百キロ前後なら二時間かからないくらいで着くんで。
「とりあえず俺ともう一人で先に見に行くって事でいいかな」
大型バイクだから二人乗りもイケる!サイドカーを創造魔法で付けるのもありだけど。
「「良いわけあるか!!」」
ぴえん。
結果、ドット、シャートとヴァロで先行で向かって調査することに。
馬車組は二頭立てを四頭立てにして馬車一台はマジックバッグに収納してスピードアップするらしい。
緊急依頼なのにゆっくり(倍速だけど)だとは思ってた。
現地でいろい動いてるから応援的な感じで、子供たち保護後の役割の方を期待されていて、一応ポルドスからカナンルートもカナン側からの道中にもし子供見つけたら頼むって感じなんだと。
で、急ぎとなったら付与魔法で全力疾走なわけで。
せめて馬だろうって思ったら馬に全力疾走は可哀想って。俺も可哀想だよ?
そんなわけで準備をして、出発だ。
「がんばー、ポルドスで魚奢っちゃるから」
「ポルドスのオネエチャンとこ行こうなぁ!」
オネエチャンはいいんだって。お色気お姉さん好きだけど、本や動画でいいんだ。
適当な言葉に見送られて、シャートに〈瞬足〉魔法をかけてもらってダッシュだ。
俺インドア、文化系。ランニングやマラソンをする人はドMなのかと思っている走りたくない、なんなら散歩も嫌いなタイプだよ。
ジムだって行かないのに。
ビジュアル系イケメンが全力疾走してるの見たことある?いやライブで十曲とか動き回ったりコール煽ったり体力あるのか?
とにかく俺は運動が嫌い系オッさんなんだよー!!
涙がちょちょぎれながら、ドットたちに急き立てられ走る。
「シャート、反応が見つかったらすぐ言えよ」
「ん~?僕も察知は十五レールだって知ってるでしょ!!」
「俺は五十リューラだっつうの」
レールがキロでリューラがメートル。
俺が今回示したのは約百レール・・・。
街道沿いの端を爆走中。途中で水分補給と栄養補給を入れつつ、明け方には現地に着く予定だろうって。
スパルタすぎる。
Bランクパーティ、体力お化けだ。
夜通し走ってるとキツネとか出たけど、今はあんな小物に構っていられないとスルーした。
今は若い体だけど、徹夜で全力疾走ってオッさん死ぬから。
休憩毎に意地でもタバコ一本は吸うと言い張ってたら、ドットが「どんだけだよ」って呆れた。
シャートもヴァロも吸ってるよ!!
水分補給で皮袋に入れた水(元ペットボトル水)を飲んでたら、
「それも美味いワインかぁ?」
って、迫られたので皮袋を渡すと中が水と知って三人とも震えた。
「腹壊さねぇか?」
「水不味くない?」
腐った水でも飲んだのか?
「これは大丈夫」
「嘘だぁ」
俺としては飲み水代わりに皮袋のワインの方が変なんだけど。
三人は切なげに自分たちの皮袋ワインを飲んでる。
いい酒はこんな爆走中に飲んでも味わえないでしょ。
-----------------
現場直行、調査組
ドット シャート ヴァロ ジェイル
馬車組 御者二人
ランガ ヤン ドレイク クレイバー
だから言ったのに。
「俺はもう元の俺には戻れないんだ」
「神の酒を飲んでしまった。俺はもう死ぬのか」
地球人生きてるから大丈夫だよ。
「ドット、ランガ、ちょっと良いか?」
俺は冒険者ギルドで入手した地図を広げた。
なんと言うか大雑把な地図だ。伊能さんはいない世界線辛い。
「なんだ?」
「何がいるかはわからないけど、この辺りに危険なのがいる気がする。野盗?の逃走路なら野盗も誘拐された子供も全滅するかも?」
距離的に何言ってるんだって顔するよな?
こっから半日くらいって普通は距離的に生物反応なんか察知できるわけ無いんだよ。
ドレイクたちもポカンと地図を覗く。
「おい、シャート。お前この距離で探知出来るか?」
「無理ー」
デスヨネー。俺も正直なんでやねんって思ってるよ。
半日っていうのは、今の俺たちの移動速度を勝手にスマートウォッチが計算して出してるから普通なら一日とかの距離だと思う。
「ジェイル、自分の察知能力に自信があるんだな?」
俺っていうかスマートウォッチの能力なんだけど、こいつの性能は神様からもらったスキルによるものだから、正確なはず。
「んー?ロック鳥が襲ってくる前に攻撃の準備ができる程度には?」
銃構えただけだけど。
ロック鳥はかなり上空から直滑降してきたりするから察知した時にはもう目前にいたりするらしいから、それなりにすごいはず。
俺以外が難しい顔して真剣に考え込んでる。
「とりあえず、カナンとポルドスに連絡入れてみるねー」
シャートが紙に伝言を書いて、「伝心鳥」と唱えると光る鳥になって飛んでいった。
おお~、なんかカッコいいぞ。
〈伝心鳥〉は鳥と飛ばしたい場所をイメージして紙に魔力を込めると言うと発動するんだって。
便利だと思ったら、宛先の事を知らないと飛ばせないし、込める魔力量で飛べる距離が決まってるから魔力が少ないと近距離までだそうだ。
「さて、今以上にスピードを上げるのは馬がもたない。馬車班と調査班に分かれるぞ」
あー・・・。やっぱそうなるかぁ。
「ジェイルには案内をして貰うから調査班な」
まさか全力疾走ってやつですかね?
バイク出していいかな。百キロ前後なら二時間かからないくらいで着くんで。
「とりあえず俺ともう一人で先に見に行くって事でいいかな」
大型バイクだから二人乗りもイケる!サイドカーを創造魔法で付けるのもありだけど。
「「良いわけあるか!!」」
ぴえん。
結果、ドット、シャートとヴァロで先行で向かって調査することに。
馬車組は二頭立てを四頭立てにして馬車一台はマジックバッグに収納してスピードアップするらしい。
緊急依頼なのにゆっくり(倍速だけど)だとは思ってた。
現地でいろい動いてるから応援的な感じで、子供たち保護後の役割の方を期待されていて、一応ポルドスからカナンルートもカナン側からの道中にもし子供見つけたら頼むって感じなんだと。
で、急ぎとなったら付与魔法で全力疾走なわけで。
せめて馬だろうって思ったら馬に全力疾走は可哀想って。俺も可哀想だよ?
そんなわけで準備をして、出発だ。
「がんばー、ポルドスで魚奢っちゃるから」
「ポルドスのオネエチャンとこ行こうなぁ!」
オネエチャンはいいんだって。お色気お姉さん好きだけど、本や動画でいいんだ。
適当な言葉に見送られて、シャートに〈瞬足〉魔法をかけてもらってダッシュだ。
俺インドア、文化系。ランニングやマラソンをする人はドMなのかと思っている走りたくない、なんなら散歩も嫌いなタイプだよ。
ジムだって行かないのに。
ビジュアル系イケメンが全力疾走してるの見たことある?いやライブで十曲とか動き回ったりコール煽ったり体力あるのか?
とにかく俺は運動が嫌い系オッさんなんだよー!!
涙がちょちょぎれながら、ドットたちに急き立てられ走る。
「シャート、反応が見つかったらすぐ言えよ」
「ん~?僕も察知は十五レールだって知ってるでしょ!!」
「俺は五十リューラだっつうの」
レールがキロでリューラがメートル。
俺が今回示したのは約百レール・・・。
街道沿いの端を爆走中。途中で水分補給と栄養補給を入れつつ、明け方には現地に着く予定だろうって。
スパルタすぎる。
Bランクパーティ、体力お化けだ。
夜通し走ってるとキツネとか出たけど、今はあんな小物に構っていられないとスルーした。
今は若い体だけど、徹夜で全力疾走ってオッさん死ぬから。
休憩毎に意地でもタバコ一本は吸うと言い張ってたら、ドットが「どんだけだよ」って呆れた。
シャートもヴァロも吸ってるよ!!
水分補給で皮袋に入れた水(元ペットボトル水)を飲んでたら、
「それも美味いワインかぁ?」
って、迫られたので皮袋を渡すと中が水と知って三人とも震えた。
「腹壊さねぇか?」
「水不味くない?」
腐った水でも飲んだのか?
「これは大丈夫」
「嘘だぁ」
俺としては飲み水代わりに皮袋のワインの方が変なんだけど。
三人は切なげに自分たちの皮袋ワインを飲んでる。
いい酒はこんな爆走中に飲んでも味わえないでしょ。
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現場直行、調査組
ドット シャート ヴァロ ジェイル
馬車組 御者二人
ランガ ヤン ドレイク クレイバー
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