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モブと全方向嫉妬
しおりを挟むさて、今回の侵攻を手引きしたのが第一王妃だ。これはすでに拘束されている。
元王太子のアルカンジェロが北の民族の居住区だった場所に送られた際、テオ直属の暗部の人に「見張れ」と指示を出していた甲斐があった。ついでにセルビア国境の長城を壊して第一王妃に情報を流させたのも俺。見事に食いついて「馬鹿なの…?」と呟いたのは内緒だ。
ついでにヴィットーリオ第二王子も見張らせていたが、これはシロ。
さすがにママに言われて王族としてあるまじき行動をすることはなかったらしい。前科もあるしね?
そのヴィットーリオ殿下に交渉会議の後に呼び止められ、今、何故かお茶をしてます。帰りたいです。
天気の話から、元気だったかとか、白い軍服が似合ってるとか、まあ色々。軍服は登城するたびに俺の服を仕立てたがるテオ対策だ。そのせいでいまだに軍属という副作用がある。
モジモジ、チラチラ……何が言いたいんだろうね?って思ってたら爆弾が落とされる。
元聖女候補ルミナが行方不明。
故郷の村に帰された主人公が姿を消した、と。
あー…。俺としては、小説でいい感じになってた幼馴染みと結婚とかしてくれてたら良かったんだけどなあ。頭痛のタネだ。
同席していたテオもそれは初めて聞く話だったようで、調査をすることになった。
話題も尽き、じゃあカムイ様と赤竜様のお世話がありますので、と席を立つ。
何か言いたげにチラチラ俺を見ていたが、知らんそんなの。お前にルクレツィアはやらん。もう《弟》候補じゃないんだから《聖女》は要らんだろ。
っていうか、アルカンジェロが廃嫡されたからこいつが王太子?……ないわー。こいつが王になったらテオと家族連れてどっかに引っ越そう。
長い長い廊下を歩いて帰る。
途中で何故かテオが俺の腕を引いて部屋に入る。ん?と思ったらコーナーに追い詰められてキスされていた。
「……ん…っ………んん…………???」
これダメだ。ちょっ……まって、待て待て待て。これ、夜にするキスだろ!?他所のお宅で、昼間っからするやつじゃないよね!?
背けようとした顔を両手で固定されて、噛み付くように貪られる。逃げ惑う舌を絡めとられて、上顎を舐め取られて、もっと深くと角度を変えられる度にカチッと歯が当たる。押し返そうとした手もびくともしない。クッソ、体格差!!
ゾワゾワした快楽に膝が笑う。力が抜けてぐんにゃりした俺の体をテオが抱きとめたくらいで漸く唇が解放された。
「ちょ……もう………なに?なにしてんの…」
「…ヴィットーリオがお前を見ていた」
知らんがな。
恥ずかしくなってキスで濡れた唇を拭う。
「あいつの『見てた』は、「俺何にもしてないよ娘さんと交際させて?」って言うやつだろ?だが許さん。ルクレツィアはあいつには嫁に出さない」
「…………(はぁ…)」
なんだよその溜息!?なに全方向に嫉妬してんの旦那!?監禁予備軍かよサイコパスかよばっちこい引きこもり万歳。
っていうか………
「ちょ…テオ?当たってる。やめようよ?シャレになんない…」
テオの足が俺の足の間に割り込んで、太腿でグイグイ俺の股間を押してるんだけど!?どこでそんな悪い事覚えたよ!?切なげに名前を呼んでもダメ!ダメなもんはダメ!噛むな噛むな耳を噛むな!
「もー…わかった。わかったから。家に帰ろう?」
「……夜まで待てん」
ひい。耳噛みながら喋るな!拗らせた旦那はめんどくさい。……可愛いけど。
足に力が入らないし、そこからはテオに横抱きにして馬車まで運んでもらった。拗ねた旦那の機嫌取りも兼ねて。バカップル?いいんだよ結婚してんだから。
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