【異世界大量転生2】囲われモブは静かに引きこもりたい

モブと宴1

「兄貴～！飯食わせて～！あー、あと、ねぇと思ってショウユ持ってき……」



「醤油！！」




俺は醤油に飛びついた。一升瓶だ。

おお！麗しの黒い液体！ジャパニーズソウルソイソース！！




「……兄貴、ここはさあ、「ああ！遼くんどうしてここに？」とかさあ、「会いたかったよ～！」とか、そういう場面じゃね？え？なに？オレってショウユより優先順位低い！？」


「あ、醤油の添え物まで気が回らなかった」


「本体はショウユかよ！？」




赤竜が連れてきたのは前世の弟妹たちだった。いつの間に交流を持ったんだ。

赤竜に聞くと、この間遼たちが帰るときにちょっと東の森に立ち寄って、そこから暑っ苦しい友情が始まっているそうだ。遼ってなんでそう濃い友情育むの？ホモなの？だがテオは渡さない。

ほくほくと一升瓶を受け取って。鍋で煮詰めて照り焼きソースでも作っておこうか。



《空間魔法で荷物を持って貰うたのだ。ほれ、我は細々したものは苦手での》




あ、なるほど。




《あとは、この間の夫婦ゲンカのことを教えたらぜひ来たい、と》




えー…。


　

「ま、そのへんは後でゆっくりお義兄さんとOHANASHIすっけどぉ？オレさあ、兄貴を頼むって言ったけどさあ、泣かせるなって言わなかったっけー？」




ええー…。

ルクレツィアは「やっちゃえリョウ兄様！」とか拳を振り上げている。こら、はしたない。






テオ……成仏しろ。