【7人の魔王4】転生したら最弱の村人で、拉致監禁暴行のフルコンボからの略奪婚(物理)されました。

猿轡と解呪

「…………………」

「………」

「……………………」


聞こえないけど多分、お母さんが「ギータにいちゃんがうるさい」的なこと言って、紅葉さんが口に噛ませるものを持ってきた。さるぐつわとかって言うんだっけ？

ギータにいちゃんにさるぐつわ装着。やっと千早が俺の耳から手を離してくれた。


「深紅、胸を掻っ捌くノはユキには辛いかも知れン」

「んー……そうですねえ。魚や猪とは違いますし、身内ですからねえ」

「俺が《可視化》の術をかけル」

「おお。素晴らしい、良い旦那様ですねユキ」


ニコニコ笑い合う。あれ？すっごい仲良し？良いんだけど。……ん？あれ？


「あれっ？千早、もしかして今、音がほとんど聞こえてる？」

「聞こえル」


やっぱり？


「すごいすごい！やったね千早！」

「ユキのおかゲだ」


ぎゅうぎゅう抱きしめてくれるけど、足元でモゴモゴ言ってるギータにいちゃんが気になって気になって…。


「ち…千早……えっと、部屋帰ってから…ね？」

「お…おウ……」


なんだろう…。千早が何故か照れてるから俺もちょっと照れくさい。



「あ～…初々しいですねえ…」

「幸せそうで何よりですが、少々焦ったいですねえ……筆頭眷属としては早く御子を抱きたいのですが」

「孫ですかぁ、良いですねえ」


お母さんと紅葉さんがのほほ～んと俺たちを見てる。気分は授業参観？

《可視化》とか言う魔法を千早がギータにいちゃんに使うと、心臓の上のところに黒い模様が浮き上がった。


「あ、すごい。くっきり見えますね。良かったですねえユキ。これだったら『くぱぁ』ってしなくていいですよ」


くぱあってなに！？


お母さんがツンツン突くとモガモガ言って……あの、あんまり言いたくないけどズボンがテント状態になってたギータにいちゃん。俺が「じゃーやるよー？」って声かけると、すん…って真顔になって萎んでいった。

えっ？差別？

いやいや、これが普通だよね。前世の記憶は高校生で止まってるけど、今の俺の見た目って中学生くらいだよ？その子供に5年間もおっ勃ててやりまくってたアイツがおかしい。よく考えなくてもロリショタぺドの変態じゃん！？


「………ユキ？」






はっ！いかんいかん。集中、集中。