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【王太子視点】
しおりを挟むようやく謹慎が解けた。父上は何故わかってくださらないのか。私は悪くない。私の言うことをきかない叔父上やあの侍従が悪いのだと。
久しぶりの学園は、誰も彼もが腫れ物に触るように私を遠巻きに見ていた。ロゼマリアさえ挨拶にこない。あの根暗女、復学したというのは知っているのだ。早く挨拶に来て、這いつくばって許しを乞えば良いものを。
「そういえば私も、みんなヘンなんですぅ。無視されてるっていうかぁ…」
ランチタイムにウルルも目に涙を溜めて訴えてきた。可哀想に!きっと根暗女が手を回したに決まっている!私は淑女科へ行き、ロゼマリアを呼び出した。だが帰ってきた答えは
「あの…ご存知ありませんでしたか?ロゼマリア様は経営科に転向なさいました」
………は?経営?何を考えている、あの根暗女!?王太子妃が経営を覚えてなんになる!?女は大人しく着飾って茶会を開き、閨で股を開いていればいいのだ。ハッ、あんな醜女が着飾ったところで道化にしかならんがな。
私は側近とウルルを連れて経営科の棟へ急ぐ。……そういえば、ベアムートはどうした?まだ傷が癒えないのか?神殿での回復が困難だったのか?クソ、あの侍従め、少し脅そうとしただけのベアムートにあんな怪我を負わせるとは…!私の侍従になったらきつい罰を与えてやらねば。
経営科の受付に行くと、あからさまに嫌そうな顔をされた。なんだこの小間使いは!お前たちは黙って私の言うことを聞いていれば良いのだ!
ああ、やはりうまくいかない。いつからだ?……そう、やはりあの根暗女がいなくなってからだ。あの女は根暗で陰険だが、根回しだけは上手かった。泣いて縋ればまた使ってやらないこともない。
経営科の小間使いが無礼にも「この時間なら多分あっちの四阿で食事されてますよ」と指で指し示す。案内もできないとは、躾のなってない小間使いめ!
苛々と、森のように手入れのされていない庭を進む。
古ぼけて蔦の這った四阿に座っているのは根暗女だ。あの特徴的な赤い髪、間違いない!
「おい!ロゼマリア!」
振り向いた女は ーーー 女神のように美しかった。
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