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「ん!? 誰だその男は!?」
やっとマリウスの存在に気付いたのか、ミランダの父親はフルアーマーの兜の隙間から鋭い眼光を放ってマリウスを凝視する。
それだけでマリウスは震え上がった。
「私の婚約者のマリウス殿下よ。実はね...」
ミランダはマリウスを連れて来た経緯を掻い摘んで父親に説明した。
「ほうほう、なるほどなるほど。要するにこの婿殿を鍛え上げてやればいいんだな?」
「まだ婿殿じゃないわよ。あくまでも婿候補ってとこ」
「そうかそうか、それじゃお坊っちゃんっで。なぁ、国王陛下のお墨付きってことはビシビシ鍛えていいんだよな?」
「えぇ、死なない程度にね」
「よっしゃあ! このパパに任せとけ! 腕が鳴るぜぃ!」
「殿下、こちらは私の父でガストンと言います。殿下の教育係です」
「ヨロシクな! お坊っちゃん!」
「よ、ヨロシク...」
マリウスは圧倒されるばかりで機械的に頷くしかなかった。
「それじゃあパパ、後は任せたわね」
「あぁ、任された!」
そう言ってミランダはまたシオンに跨がった。
「ままま待ってくれ! みみみミランダは一緒に居てくれないのか?」
こんな所に一人で置いてきぼりにされては堪らない。マリウスはミランダを食い止めようと必死だった。
「私と一緒に行きたいんですか?」
マリウスはコクコクと激しく首を縦に振った。
「構いませんけどそんなに早死にしたいんですか?」
「へっ!?」
マリウスは思わず間の抜けた声を漏らした。
「だって私が今から行く場所は最前線ですよ? 今の殿下が行ったらきっと半日持ちませんよ? それでもいいなら行きましょうか?」
それを聞いたマリウスはブンブンと激しく今度は首を横に振った。
「でしょう? まぁせいぜい頑張って下さいな。父の扱きに耐えるのは大変でしょうけど。どうかご無事で。シオン、行って頂戴」
「グオッ!」
不穏なセリフを残しながら、ミランダとシオンは空高く舞い上がって行った。その姿を呆然と見詰めているマリウスの肩をポンポンと軽く叩いたガストンは、
「さぁさぁ、それじゃお坊っちゃん。早速トレーニングと行こうか!」
「あ、あの...ど、どうかお手柔らかに...」
「そいつぁ聞けねぇなぁ!」
やおらマリウスの首根っこを引っ掴んだガストンは、ニヤニヤと楽しそうに笑いながら引き摺るようにしてマリウスを連れ立てる。
「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ! お、お助け~!」
マリウスは情けない悲鳴を上げながら連れて行かれた。
そしてこの後めっちゃ扱かれた。
やっとマリウスの存在に気付いたのか、ミランダの父親はフルアーマーの兜の隙間から鋭い眼光を放ってマリウスを凝視する。
それだけでマリウスは震え上がった。
「私の婚約者のマリウス殿下よ。実はね...」
ミランダはマリウスを連れて来た経緯を掻い摘んで父親に説明した。
「ほうほう、なるほどなるほど。要するにこの婿殿を鍛え上げてやればいいんだな?」
「まだ婿殿じゃないわよ。あくまでも婿候補ってとこ」
「そうかそうか、それじゃお坊っちゃんっで。なぁ、国王陛下のお墨付きってことはビシビシ鍛えていいんだよな?」
「えぇ、死なない程度にね」
「よっしゃあ! このパパに任せとけ! 腕が鳴るぜぃ!」
「殿下、こちらは私の父でガストンと言います。殿下の教育係です」
「ヨロシクな! お坊っちゃん!」
「よ、ヨロシク...」
マリウスは圧倒されるばかりで機械的に頷くしかなかった。
「それじゃあパパ、後は任せたわね」
「あぁ、任された!」
そう言ってミランダはまたシオンに跨がった。
「ままま待ってくれ! みみみミランダは一緒に居てくれないのか?」
こんな所に一人で置いてきぼりにされては堪らない。マリウスはミランダを食い止めようと必死だった。
「私と一緒に行きたいんですか?」
マリウスはコクコクと激しく首を縦に振った。
「構いませんけどそんなに早死にしたいんですか?」
「へっ!?」
マリウスは思わず間の抜けた声を漏らした。
「だって私が今から行く場所は最前線ですよ? 今の殿下が行ったらきっと半日持ちませんよ? それでもいいなら行きましょうか?」
それを聞いたマリウスはブンブンと激しく今度は首を横に振った。
「でしょう? まぁせいぜい頑張って下さいな。父の扱きに耐えるのは大変でしょうけど。どうかご無事で。シオン、行って頂戴」
「グオッ!」
不穏なセリフを残しながら、ミランダとシオンは空高く舞い上がって行った。その姿を呆然と見詰めているマリウスの肩をポンポンと軽く叩いたガストンは、
「さぁさぁ、それじゃお坊っちゃん。早速トレーニングと行こうか!」
「あ、あの...ど、どうかお手柔らかに...」
「そいつぁ聞けねぇなぁ!」
やおらマリウスの首根っこを引っ掴んだガストンは、ニヤニヤと楽しそうに笑いながら引き摺るようにしてマリウスを連れ立てる。
「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ! お、お助け~!」
マリウスは情けない悲鳴を上げながら連れて行かれた。
そしてこの後めっちゃ扱かれた。
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