空間魔法って実は凄いんです

真理亜

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不毛な争い2

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「皆さん、暗くなってきたんで、今日はこの辺で野営にしましょうか?」

『賛成!』

 私はいつも通りメンバー全員と馬車を亜空間に引っ張り込んだ。 

「さぁさぁ♪ いらっしゃいませ~♪ レストラン『セリカ』の開店ですよ~♪ 和洋中イタスペロシフラなんでもござれ~♪」

 なんかやけにセリカさんのテンションが高いな...変なもんでも食ったか?

「これこれこれ! 野営の概念をぶっ壊す熱々な料理の数々! ホント堪らんよぁ!」

「これが楽しみで冒険をしてるみたいなとこありますからね! 本当に美味しそうです!」

「えへへへ~♪ どんどん称えたまえ~♪」

 お三方の高いテンションに若干引き気味なフローラさんだが、並べられた料理を目の前にすると少し笑顔になった。

「本当にこれ凄いですよね...本物のレストランに来たみたい...」

 うん、最初はみんなそんな感じになるよね。大丈夫、すぐ慣れるから。

「じゃじゃじゃ~ん♪ 見てくださ~い♪ 私もカリナさんを見習ってキングサイズのベッドを収納しといたんですよ~♪」

 夕食も終わり、さぁ後は寝るだけってなった頃に、なにやらドヤ顔したセリカさんが特大のベッドを収納から引っ張り出してきた。どうでもいいけどドヤ顔がとってもウザイんですけど...

「ささっ! カリナさん! 今夜はこのフカフカなベッドで一緒に寝ましょうね~♪」

「おいっ! ズルいぞセリカ!」

「抜け駆けは許しませんよ!」

 なんかお三方で盛り上がってるところ申し訳ないんだけど、

「結構です。自分のありますんで。フローラさん、一緒に寝ましょうか?」

 私は自分のベッドを収納から引っ張り出してフローラさんを誘った。

「ちょっと! ちょっと! カリナさん! それは無いんじゃですか!? あんまりの仕打ちですよっ!」

「そうだぞ! フローラばっかりえこひいきすんなっ!」

「私だって一緒に寝たいですよっ!」

「え、え~と...わ、私でいいいんでしょうか...」

 フローラさんはまたなんやかやと騒ぎ出したお三方を気にしてるみたいだけど、

「放っときゃいいんですよ。さぁ寝ましょ?」

 あんまりうるさいんで、お三方を別の空間に隔離した。これでゆっくり眠れる。

「えっ!? き、消えた!?」

「フローラさん、こっちです。見てください」

 私はお三方を隔離した空間をフローラさんに見せた。うるさいんで音は消してる。中ではお三方がまだぎゃあぎゃあ騒いでるようだ。

「ね? これで安心したでしょ?」

「え、えぇ、そうですね...」

 フローラさんがなんか達観したような顔してんだけど。まぁいいか。

 お休みなさい。
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