空間魔法って実は凄いんです

真理亜

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豹変

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「ということはつまり、これからはフローラさんが襲われる危険性は減ったっていうことになりますね」

「えぇ、そうだと思います」

「良かったです。気丈なのかそんな様子は一切見せないけど、きっと不安もストレスも溜まってることでしょうからね」

「そうですね」

 そんな話をしていたら、フローラさんが戻って来た。

「受付無事終わりました」

「お疲れ様でした。ではステラさん」

「了解です」

 その後、ステラさんが依頼を無事受注してギルドを出た。


◇◇◇


「これからどうします?」

「ちょっと早いですがお昼にしましょうか?」

「いいですね!」

「なに食べます?」

「パスタなんかどうです?」

「いいですね!」

 ということで私達はパスタ屋さんに向かった。

「あれ? フローラさん、あそこに居るのって...」

 私が指差す先に男が一人でテーブル席に着いていた。

「あれは...フランツ様ですね...」

 やっぱりストーカー男で間違ってなかったか。なんか見る影もなく痩せ細っているんで、一瞬別人かと思ったよ。

「誰なんですか?」

 当然、見たことがないので知らないステラさんに説明する。

「アイツが! カリナさん、殺りますか!?」

「いやいや、ちょっと落ち着いて下さいよ。向こうはこっちに気付いてないみたいなんで」

 そう、なんだか目は虚ろで心ここにあらずと言った感じなんだよね。少なくとも、ストーカー行為のためにこの店に来ているって感じはしない。単なる偶然っぽい。

「しかし...」

「気にせず食事を摂ることにしましょう。向こうが気付いてなにか仕掛けて来たって、こっちは二人居るんだから怖くありませんよ」

「...分かりました...」

 武闘派であるステラさんは不承不承と言った感じで従った。フローラさんもちょっと気にしている様子はあるが、表面上は何事もなかったかのようにしている。本当に大した気丈さだと思う。

 結局、ストーカー男のフランツは私達に気付くことなく、黙々と食事を終えて店を後にした。

「行っちゃいましたね...」

「なんだったんでしょうね...」

「やっぱり出くわしたのは単なる偶然だったみたいですね」

 私達が食事を終えて外に出ても、これまでのような輩共に囲まれることもなかった。

「なんか逆に拍子抜けしちゃいますね」

 私は苦笑しながらそう言った。フローラさんも苦笑している。

「フローラさん、もうお店に向かいますか?」

「そうですね。ちょっと早いですがそうしましょうか」

 私達はフローラさんが勤める居酒屋へと向かった。

 
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