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ある意味予定調和

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「へぇ~ ここがフローラさんの勤めている居酒屋ですか~ 中々雰囲気の良いお店ですね~」

 店内を見回しながらステラさんが興味深そうにしている。フローラさんは開店の準備を始めた。

「それじゃあフローラさん、私は亜空間に潜んでますんで。後で賄いをお願いしますね?」

「はい、分かりました」

「ええっ!? カリナさんは店の中で見張らないんですか!?」

 ステラさんがビックリしている。

「私、お酒とタバコの匂いが嫌いなんで。ステラさんはどうします?」

「私はもちろん店の中で見張りますよ。どっちの匂いも平気なんで」

「そうですか。ステラさん、念のために聞いておきますが、お酒を飲みたいからって理由じゃないですよね?」

「あ、当たり前じゃないですか~...い、イヤだなぁもぅ... し、仕事中にお酒なんか飲みませんよ~」

 ステラさんの目が泳ぎ捲っている。バレバレじゃんか...

「ハァ...全くもう...程々にして下さいよね...」

「だ、だからぁ~...の、飲みませんって~」

「はいはい...」

 私は話半分に聞いていた。

「フローラさん、昼間のストーカー男の様子だと、恐らく店に姿を見せるようなことはないと思いますが、もし来たとしても普通に接して下さいね? 私達がしっかり見張ってますから安心して下さい」

「分かりました。よろしくお願いします」


◇◇◇


 やがて居酒屋の開店時間になった。評判の店だけあって、客の入りは相変わらず好調のようだ。

 開店してから程なく、店内には客の姿が多くなって来た。フローラさんも忙しそうにしている。ステラさんはといえばカウンターの一席に陣取り、美味しそうにお酒を飲みながらツマミを突いていた。

 やっぱり飲みたかっただけじゃんか...私は亜空間でため息を吐いていた。

「カリナさん、どこですか?」

 やがて休憩時間になったのか、フローラさんが裏に引っ込んで来た。

「ここです」 

 私は亜空間から顔を出す。

「お待たせしました。賄いです」

「ご馳走になります。今日は肉料理ですね」

「はい、牛丼になります」

「美味しそうですね。頂きます」

「どうぞどうぞ」

 うん、やっぱりこの店の料理は美味しい。

「ちなみにステラさんはどんな感じです?」

「え~とその...すっかり出来上がっていると言いますか...」

「やっぱり...」

 だから言わんこっちゃない...

「あの人は放っておきましょう。私がしっかり見張ってますから」

「はい、引き続きよろしくお願いします」

「お任せ下さい」

 私は牛丼を頬張りながら応えた。

 

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