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意外な健啖家
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「あの...ステラさん?」
「...な、なにか?」
「私の顔ばっかり見てないで絶景を楽しんで下さいよ...」
「...わ、私にとってはカリナさんのお顔が絶景ですので...」
「いやそれ意味分かりませんから...」
せっかく窓際の良い席を取ったというのに、肝心のステラさんはテコでも景色を見るものかと言わんばかりに、ずっと私の顔を睨み付けているもんだから、これじゃ恐怖症を克服するどころの話じゃない。
「ほらほら、見て下さいよ。遠くの方に海が見えますよ? 水面がキラキラ光ってとてもキレイですよ?」
「...そうですか...」
「山々の間には大きな川が流れてますね~ どこまで流れて行くんだろう?」
「...そうですか...」
「向こうの方に見えるのはビエンの町かな? 煙が立ってますね~」
「...そうですか...」
「いやぁそれにしても、ここから見ると人がアリンコみたいに小さく見えますね~」
「...そうですか...」
「...ステラさん、さては恐怖症を克服する気無いですね?」
「そ、そんなこと...あ、ほらほら! 食事来ましたよ! 食事! 食べましょう食べましょう!」
上手く誤魔化しやがったな...まぁ実際、湯気を立てて運ばれて来た料理を見ると、食欲が刺激されて来たのでしばらくは食事に集中することにする。
「うっわ...デッカ...」
確かにガイドのお姉さんが言ってた通りだわ...これがカロリー満点のスタミナメニューか...
ちなみに私とステラさんは肉料理、フローラさんは魚料理を頼んだのだが、私の頼んだカツ丼は洗面器みたいなサイズの丼に載って来たし、ステラさんの頼んだステーキは大人の男性の靴サイズの分厚い肉が二枚も載っている。
フローラさんの頼んだ海鮮丼も私のカツ丼と同じサイズの丼に載って来た。
「美味しそうですね~♪ 頂きま~す♪」
「これは食べ応えありそうですね~♪ 頂きま~す♪」
ステラさんってこんな大食いキャラだったかな? 私の中ではそんな印象あんまりなかったけど。もっと意外だったのはフローラさんだ。全く臆することなく海鮮丼に向かって行くその姿に、私は多少引きながらも自分のカツ丼に向かったのだった。
◇◇◇
30分後。
「うぷっ! も、もう無理ぃ~...」
私は敢えなくギブアップしていた。
「カリナさん、大丈夫ですか?」
「無理して食べなくて良いですよ?」
お二人に背中を擦られながら私は涙目になっていた。ちなみにお二人はとっくに完食している。
ステラさんもそうだが、フローラさんの健啖家振りには本当にビックリした。あんな細い体のどこにそんな量入るんだ!?
結局、私が残した分はお二人が分け合って食べてくれた。
「...な、なにか?」
「私の顔ばっかり見てないで絶景を楽しんで下さいよ...」
「...わ、私にとってはカリナさんのお顔が絶景ですので...」
「いやそれ意味分かりませんから...」
せっかく窓際の良い席を取ったというのに、肝心のステラさんはテコでも景色を見るものかと言わんばかりに、ずっと私の顔を睨み付けているもんだから、これじゃ恐怖症を克服するどころの話じゃない。
「ほらほら、見て下さいよ。遠くの方に海が見えますよ? 水面がキラキラ光ってとてもキレイですよ?」
「...そうですか...」
「山々の間には大きな川が流れてますね~ どこまで流れて行くんだろう?」
「...そうですか...」
「向こうの方に見えるのはビエンの町かな? 煙が立ってますね~」
「...そうですか...」
「いやぁそれにしても、ここから見ると人がアリンコみたいに小さく見えますね~」
「...そうですか...」
「...ステラさん、さては恐怖症を克服する気無いですね?」
「そ、そんなこと...あ、ほらほら! 食事来ましたよ! 食事! 食べましょう食べましょう!」
上手く誤魔化しやがったな...まぁ実際、湯気を立てて運ばれて来た料理を見ると、食欲が刺激されて来たのでしばらくは食事に集中することにする。
「うっわ...デッカ...」
確かにガイドのお姉さんが言ってた通りだわ...これがカロリー満点のスタミナメニューか...
ちなみに私とステラさんは肉料理、フローラさんは魚料理を頼んだのだが、私の頼んだカツ丼は洗面器みたいなサイズの丼に載って来たし、ステラさんの頼んだステーキは大人の男性の靴サイズの分厚い肉が二枚も載っている。
フローラさんの頼んだ海鮮丼も私のカツ丼と同じサイズの丼に載って来た。
「美味しそうですね~♪ 頂きま~す♪」
「これは食べ応えありそうですね~♪ 頂きま~す♪」
ステラさんってこんな大食いキャラだったかな? 私の中ではそんな印象あんまりなかったけど。もっと意外だったのはフローラさんだ。全く臆することなく海鮮丼に向かって行くその姿に、私は多少引きながらも自分のカツ丼に向かったのだった。
◇◇◇
30分後。
「うぷっ! も、もう無理ぃ~...」
私は敢えなくギブアップしていた。
「カリナさん、大丈夫ですか?」
「無理して食べなくて良いですよ?」
お二人に背中を擦られながら私は涙目になっていた。ちなみにお二人はとっくに完食している。
ステラさんもそうだが、フローラさんの健啖家振りには本当にビックリした。あんな細い体のどこにそんな量入るんだ!?
結局、私が残した分はお二人が分け合って食べてくれた。
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