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経緯
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時は少し遡る。
カリナの姿を追い求めて王都の上空を旋回していたステラは、ちょっと疲れたので王都の中で一番高い建物である教会の屋根の上でしばし休憩していた。
その時、冒険者ギルドを出てどこぞへと向かうアスカとラウムの姿が目に入った。二人に合流しようと思ったステラは、疲れた翼を叱咤して飛び続けた。
「クエッ!」
二人の真上に達した辺りでステラは一声鳴いた。
「おう、ステラか! どうだ!? カリナは見付かったか!?」
「クエ...」
ステラは首を横に振った。
「私達は馬車のレンタル業者の所に行く予定です! ステラさんもご一緒しませんか!?」
「クエッ!」
大きく頷いたステラは、お先にとばかりに飛んで行った。
◇◇◇
その頃、ようやく泣き止んだセリカは、
「こうしちゃいられない! カリナさんを探さないと!」
涙を拭って立ち上がった。
カリナの部屋を出てリビングに向かうと、ルキノが一人っきりで所在無げにしていた。
「あれ? ルキノちゃん一人ですか? ママは?」
「なんかねぇ、お出掛けするって出て行ったよ」
ルキノはさっきのやり取りをセリカにも説明した。セリカはカリナが泣いていたと聞いた辺りから、また涙が止まらなくなった。
「せ、セリカお姉ちゃん!? だ、大丈夫!?」
ルキノが心配そうに問い掛ける。
「だ、大丈夫です...ルキノちゃん、ベビーシッターの方はすぐ来られるんですよね?」
「うん、ママはそう言ってたよ」
「すいません。私も出掛けて来ますので、もうちょっと一人でお留守番していて下さいね?」
「うん、分かった」
セリカはパーティーホームを出て、やはりまずはアスカとラウムと同様に冒険者ギルドへと向かった。
◇◇◇
「そうですか...来ていませんか...」
ギルドの受付嬢に聞いてみたセリカは落胆した。その様子を見ていた受付嬢は、
「あの、なにかあったんですか? 先程もアスカさんが同じことを聞いて来ましたけど? 差し支えなければ話してみませんか?」
そう、この人はアスカが聞いた人とたまたま同じ人だったのだ。ちょっとだけ悩んだ末、セリカは正直に話すことにした。恥だとか言ってる場合じゃないからだ。
「そうだったんですね...まぁパーティーメンバー同士で意見が対立するのは良くあることですが...セリカさん、もし良かったら尋ね人の広告を出してみませんか?」
「尋ね人?」
「はい、この人を探していますっていうヤツです。情報提供者には謝礼を出しますと書いておけば、情報が集まるかも知れませんよ? その広告をギルドネットワークに情報公開すればより効果的です」
「なるほど...世界中にあるギルドならではのやり方ですね...是非お願いします!」
「ではこちらにどうぞ。似顔絵が得意な職員を紹介しますんで」
カリナの尋ね人広告が出回ったのはこういった経緯であった。
カリナの姿を追い求めて王都の上空を旋回していたステラは、ちょっと疲れたので王都の中で一番高い建物である教会の屋根の上でしばし休憩していた。
その時、冒険者ギルドを出てどこぞへと向かうアスカとラウムの姿が目に入った。二人に合流しようと思ったステラは、疲れた翼を叱咤して飛び続けた。
「クエッ!」
二人の真上に達した辺りでステラは一声鳴いた。
「おう、ステラか! どうだ!? カリナは見付かったか!?」
「クエ...」
ステラは首を横に振った。
「私達は馬車のレンタル業者の所に行く予定です! ステラさんもご一緒しませんか!?」
「クエッ!」
大きく頷いたステラは、お先にとばかりに飛んで行った。
◇◇◇
その頃、ようやく泣き止んだセリカは、
「こうしちゃいられない! カリナさんを探さないと!」
涙を拭って立ち上がった。
カリナの部屋を出てリビングに向かうと、ルキノが一人っきりで所在無げにしていた。
「あれ? ルキノちゃん一人ですか? ママは?」
「なんかねぇ、お出掛けするって出て行ったよ」
ルキノはさっきのやり取りをセリカにも説明した。セリカはカリナが泣いていたと聞いた辺りから、また涙が止まらなくなった。
「せ、セリカお姉ちゃん!? だ、大丈夫!?」
ルキノが心配そうに問い掛ける。
「だ、大丈夫です...ルキノちゃん、ベビーシッターの方はすぐ来られるんですよね?」
「うん、ママはそう言ってたよ」
「すいません。私も出掛けて来ますので、もうちょっと一人でお留守番していて下さいね?」
「うん、分かった」
セリカはパーティーホームを出て、やはりまずはアスカとラウムと同様に冒険者ギルドへと向かった。
◇◇◇
「そうですか...来ていませんか...」
ギルドの受付嬢に聞いてみたセリカは落胆した。その様子を見ていた受付嬢は、
「あの、なにかあったんですか? 先程もアスカさんが同じことを聞いて来ましたけど? 差し支えなければ話してみませんか?」
そう、この人はアスカが聞いた人とたまたま同じ人だったのだ。ちょっとだけ悩んだ末、セリカは正直に話すことにした。恥だとか言ってる場合じゃないからだ。
「そうだったんですね...まぁパーティーメンバー同士で意見が対立するのは良くあることですが...セリカさん、もし良かったら尋ね人の広告を出してみませんか?」
「尋ね人?」
「はい、この人を探していますっていうヤツです。情報提供者には謝礼を出しますと書いておけば、情報が集まるかも知れませんよ? その広告をギルドネットワークに情報公開すればより効果的です」
「なるほど...世界中にあるギルドならではのやり方ですね...是非お願いします!」
「ではこちらにどうぞ。似顔絵が得意な職員を紹介しますんで」
カリナの尋ね人広告が出回ったのはこういった経緯であった。
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