空間魔法って実は凄いんです

真理亜

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自己紹介

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「あの...その耳ってもしかして...」

「あぁ、私は虎の獣人なんだ」

 猫じゃなくて虎だったよ! 言われてみれば耳が虎縞模様になってるかも。まぁでも猫科なのは間違いないよね。

「そうなんですね」

「あんまり驚かないんだな?」

「まぁ仲間に鳥の獣人が居ますからね...って、そう言えばステラさんは大丈夫か!?」

 私は慌てて前方に目を向けた。

「お~い! カリナさ~ん! こっちは片付きましたよ~!」

 ステラさんが手を振っている。良かった。無事に済んだみたいだね。私も手を振って応える。

「こっちも片付きましたよ~!」

「アレが君の仲間か?」

「えぇ、そうです。オークの群れに前後を挟撃されましてね。私と彼女が打って出た所だったんです」

「そうだったのか。獲物を横取りしてしまって申し訳ない」

「いえいえ、お気に無さらず。寧ろ助かったくらいです。ラウムさん、お強いんですね?」

「一人で行動しているからな。このぐらい戦えないと話にならないさ」

「お一人なんですか...」

 ちょっと意外だった。これだけ強い人なら引く手数多だろうに。

「あれ!? カリナさん、その方は!?」

 ステラさんが戻って来た。 

「冒険者のラウムさんです。猫...じゃなかった虎の獣人の方です。オークの群れは彼女が倒してくれました。ラウムさん、こちらはステラさんと言ってさっき話した鳥の獣人の方です」

「よろしく」

「こちらこそ」

 お二人が握手を交わす。

「君達は二人組なのか?」

「いえ、もう一人居ます」

 私は亜空間から馬車ごとセリカさんを引っ張り出した。いきなり出現した馬車にラウムさんが目を丸くする。

「オークの群れに襲われる前に、私が亜空間へ避難させておいたんです。セリカさん、音は聞こえなかったけど状況は確認できていましたよね?」

「は、はい! そちらの女性の方、物凄く強かったです!」

「ラウムさん、こちらはセリカさんです。私と同じ空間魔法使いなんですよ。セリカさん、こちらはラウムさん。虎の獣人の方です」

「初めまして! 虎の獣人さんだったんですね! だからあんな大きな剣を振り回しても平気なんですね!」

「えっ!? あ、あぁ、まぁ...」

 勢い良く握手するセリカさんに、ラウムさんは若干退き気味になっている。

「さて、自己紹介が終わった所でセリカさん、解体をお願いしますね?」

「畏まり~!」

「私もお手伝いします」

 セリカさんとカリナさんが離れて行った。

「この獲物は私が解体していいのか?」

 ラウムさんがオークの亡き骸を指差す。

「えぇ、もちろんです。ラウムさんの獲物ですからご遠慮なく。ただし私は手伝いませんけど」 

「そ、そうか...」

 うん、解体は無理なんで。

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