廃人だけどモテモテ勇者なオレ参上プラスアルファ

ザノ・夕ナ

文字の大きさ
37 / 62
魔街に現れた男、田中大

レプリカ宝具:クサナギノカタナ

しおりを挟む
 おらっち、田中大。
 一人称は〝おらっち〟。
 顔がデカい。五頭身。
 坊主頭で、ヲタクやってます。坊主でなんか運動家っぽいって思われるかもだけど運動ニガテっす。
 身長は平均的。女子のほうの平均だけど。当然おらっちは男だ、知り尽くしてんだそんなの。女じゃねえ。
 体重は平均的。男子のほうの平均だけど。
 はっきりいって、おらっち、クズだよ。だってさ、好きな子と、強制結婚したいって思ってるから。
 おらっちは〝タナカ〟っていうありふれた名前だけど、学年で田中なのはおらっちひとり。意外と少ないんだ、おらっちの周りではの話だけど。
 おらっち、大の爆乳好きでね。最低Uカップは欲しいね、彼女。結婚もして子どもにそのオッパイ吸わせてあげたい。
 Uカップある噂ある子、ひとりだけならいた、おらっちの高校に。その子は顔もかわいくてね……。
 それにしても、毎日が、退屈だ。恋人が欲しい。抱き合いながらダンスしたい。アワビ食いてえ。栗と栗鼠食いてえ。巨峰の房食いてえ、吸いつきてえ、ベロベロ舐めまわしてえ……エトセトラ。
 おらっちは高校卒業後、就職したんだ。町工場、そしてブラック企業の。
 おらっち、きっと学校で一番モテなかった。おらっちは、高校中退して定時制高校に入ってそこも中退して、今度は別の定時制高校入って卒業。その後、就職したわけだ。過酷な経験だったよ。べつに金持ちでもないのに、貧乏といわれて当然の家なのに何度も、学校にはいった。でも低学歴。
 無職で金に困るおらっち。ゲームやってた。カップヌードル食した後にスイーツをデザートとして引き続いてたのしもうとしていた。
 なんか割れた音がしたぞ。
 ゲーム、続けたいが、放置。
(んん? ……あれって……チクショウ……)
 無職しだして数日後のある日、おらっちの家にドロボーが来た。そのドロボーに見覚えがある。
「何も盗んでなんかない」
「嘘だろ!」
「クソ」
「おいっ! 同じ学校だっただろっ! 小中と! ……仲間に入れてくれ」
「……いいぞ、その代わり、今回の盗みを許せ」
 おらっち、強盗犯の仲間に加わった。
 おらっちが仲間入りした強盗犯グループのリーダーは、おらっちの中学校でもっとも悪いやつだった。何度も犯してきたんだとおらっちは聞いた、昔から。
「今日やりにいくのは宝の山だぜ」と、強盗犯グループの副リーダーは言った。
 今日おらっちたちが盗みにいくのは宝の山だそうで。
 数時間経って、夜になった。
 奇襲予定の屋敷は、誰もいないようで、誰かいる感じ。デカい屋敷だ。どんな人が何人いるのだろうか。娘のオッパイはデカいのか。
 おらっち、刀みたいなの、盗んだ。
 すげえ、なんか感じるよ、すげえってものを。
 おらっちたちは、逃げた。
 いつものように基地に帰った。
「タナカダイ、何盗んだ」
「刀だ」
「なんだよそれ」
「いいだろ? なんかセクシーな曲線美っていうか♡! ……抜いちまおう♡」
 おらっち、抜刀寸前。
「斬るなよ」
「それ、クサナギノカタナだ」と、強盗犯グループのリーダーはいった。
「クサナギノカタナって、あの!」
「でもレプリカだろ。熱田神宮にモノホンのがあると聞いてるから」
 おらっち、抜刀。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
 紫色の炎が音を立て、おらっちを包んだ。でもおらっちはヤケドしたわけではない。おらっち、〝おらっち〟よりも〝オラッチ〟という感覚、オレ様系になった感じ。でもおらっちって感じのままだ、しっくりこないんだ、おらっちが、オレ様系なんてさ……。
「おい、こいつどうなったんだ! タナカダイ!」
「おいおい! もえるぞ!」
「どうすんだ! タナカ!」
 意識が意味わからなくなった。まあ、もとから意味わからない感じだが。抜刀直後、特に意味不明なんだ。
 おらっちの周りには、女の子? でもおらっちの所属した強盗犯グループに女はひとりもいない。しかも、その女の子たちは、綺麗……♡!
「寝てるとこ襲いかかってんじゃねえぞ!」
「そうよ、急に抜いてくるなんて……乱れてるわね」
「しかもアタイらの体触ってんじゃねえぞ!」
「ごめん!」
「あやまって済むと思うな! 犯罪者!」
 おらっち、なんか、危なそうな雰囲気の街にいる。こんなとこ、知らない。どこだ。もしかして、異世界転移か。
 でも怖いよ、逃げよう、この女の子たちから、そして、この街から。
 逃げ場はどこだ……。今は路地裏……。
 おらっち、とりあえず公衆トイレにはいった。そして、放尿。
 放尿後、出口近くにある、鏡でおらっちの顔を見たが、呪われた男の顔みたいになっている。ゲス顔の。顔芸っていわれるだろうって程度の。そういえば、さっきの女の子たちも、なんかすごく不吉そうなオーラがあった。ひとりは貧乳で毛の色は緑。もうひとりは爆乳で毛の色はピンク。そうだ、あの子、Uカップはありそう……だが、おらっちがあの子を落とそうとしたところで、殺されるかもだ……ってぐらいの怖い系の女の子だ、でも美形なので、許容範囲だ、恋愛の。
 強盗犯グループのメンバーになったんだし……誘おう、か? ……。
 おらっち、またさっきの場所にいった。
 さっきの女の子たち、いたぞ、よかった。
「あの」
「アァッ?」
「ごめんなさい!」
 やっぱり怖くて逃げるおらっち。
 どうしよう、どう逃げるんだ。怖いよー。
 もうあの子たちのことはあきらめよう。でもさ、なんか、寝てるとき襲っただとか、急に抜いたとか……。もしかして、おらっち、強盗後に酔っ払ってて、女の子を襲ったのかもな……変なところにもきちまって……おらっち、記憶力悪いし……強盗後、ほとんど記憶ない。そういえば、叫んだな……でもあれは酔っぱらいの馬鹿騒ぎか……?
 駅だ。駅弁大会したい……。さっきの子たちと一緒に……無理か……そんな関係にはなれないさ。
 駅で、おらっちは金支払わずに電車の旅する方法を知っている。強盗犯グループのやつらから教わった。使わなくなった、定期券を、駅員に見せて通る。これで通れた。つまり、騙しているのだ。しかし……おらっち、それで止められてダッシュで逃げたんだよな、昨日の昼。
 どうしよう、おらっち、もう逃げ場ない。狙われすぎている、いろんなとこから……。……モテてるわけではないが。
 おらっちはとりあえず服を売って切符代を手にする。
 列車に乗った。
 これからおらっちは、どうなるのだろうか。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました

鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」 そう言ったのは、王太子アレス。 そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。 外交も財政も軍備も―― すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。 けれど功績はすべて王太子のもの。 感謝も敬意も、ただの一度もない。 そして迎えた舞踏会の夜。 「便利だったが、飾りには向かん」 公開婚約破棄。 それならば、とレイナは微笑む。 「では業務も終了でよろしいですね?」 王太子が望んだ通り、 彼女は“確認”をやめた。 保証を外し、責任を返し、 そして最後に―― 「ご確認を」と差し出した書類に、 彼は何も読まずに署名した。 国は契約で成り立っている。 確認しない者に、王の資格はない。 働きたくない公爵令嬢と、 責任を理解しなかった王太子。 静かな契約ざまぁ劇、開幕。 ---

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる

まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」 父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。 清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。 なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。 学校では誰もが憧れる高嶺の花。 家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。 しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。 「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」 秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。 彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。 「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」 これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。 完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。 『著者より』 もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。 https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

[完結]7回も人生やってたら無双になるって

紅月
恋愛
「またですか」 アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。 驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。 だけど今回は違う。 強力な仲間が居る。 アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。

処理中です...