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1章
誰とも付き合わないってどういう事だよ?
しおりを挟む夜。寝る前にベッドでゴロゴロしながら茜とメッセージのやり取りをしていた。
茜は演劇部を辞めてから毎日のように連絡をしてくるようになった。そして遊びにも誘って来たし、何かと俺と過ごしたがった。
部活辞める理由の一つに俺と遊ぶってのが入ってたのは本当だったみたいだな。可愛いやつめ。
俺も茜の事は好きだから結構楽しんでたりもする。
『秋山はもう寝るか?』
『もうちょいしたら寝る』
『今日はゲームやらないんだな』
『平日にやると徹夜になっちまうから控えてる』
『偉いな。休みになったら一緒にやろう』
そんなたわいない会話がほとんどで、俺は返さない事もあったけど、茜は必ず返事を返して来た。
こういうとこでも性格が出るよなー。
あ、ちょーっとだけ犬飼の事聞いてみっかな?
『茜さ、犬飼とはどうなったんだ?』
ここで少し間が空いた。
ありゃ?聞いちゃまずかったか?
すぐに既読にはなったけど、いつものようにすぐ返事が来なかった。
そして少ししてから返事が来た。
『ちゃんと話し合って友達になった』
ん?犬飼の言う通り茜がフッたって事でいいのか?
『友達?付き合わねぇの?』
『付き合わない』
『嫌いになったのか?』
『なってない。俺はもう誰とも付き合わない』
えっ!?そう言う事!?
てかメッセージじゃ面倒くせぇな!
俺は何も言わずに茜に電話を掛ける。
しばらくしてから出てくれた。
「おい、誰とも付き合わないってどういう事だよ?」
『……そのままの意味だよ。俺に恋愛は早いと感じたんだ』
「あのさ、桃山と別れたのは何で?あん時茜泣きじゃくってたから詳しく聞けなかったけどよ」
『俺の浮気のせいだろうな。俺が湊にフラれたんだ。俺も湊とは別れる気でいたけど、いざ別れるとなったら……辛くて泣いてしまった。あの時はすまなかった』
「いやいや、んな事ぁいいんだよ。結局桃山は茜を許せなかったって事か?」
『そうだろうな。ほら、あいつ過去に付き合ってた人に浮気された事があるだろ?トラウトか何かになってるんじゃないか?』
「だとしてもよ~!あんなに仲良かったじゃんっ」
『もういいんだよ。俺が悪かったんだ』
「じゃあさ!犬飼は?茜は犬飼の事も好きなんだろ?桃山と別れたなら犬飼と付き合えばいいじゃん」
『それは出来ない。犬飼の事は好きだけど、俺は付き合いたいとは思わない』
「えー!マジかよぉ?」
『それよりも俺は秋山と過ごしたいんだ。一緒にいてとても楽しい。秋山が誰かと付き合う事になったらちゃんと気を使うから、それまでは一緒に遊んでくれよ。頼む』
「誰かと付き合っても茜とは遊ぶけどよ。てか俺もしばらくは誰とも付き合う気はねぇよ。ふーん。じゃあお互い一人もんって事で楽しくやるか!」
『ああ、そうしよう♪』
まさかの犬飼とも付き合わない発言に驚きつつも、俺は茜の気持ちを大切にしようと、これ以上その話題を続けるのはやめた。
きっと茜には茜なりの考えがあって出した結論だ。もし本当に苦しんで悩んでたなら俺に言ってくると思うんだ。
俺はそん時にちゃんと話聞いてやりゃいいやって思って、その後も茜と楽しく電話をしてから眠りに落ちた。
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