【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ4th season

pino

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1章 写真ばら撒き事件

あわわ!えーい!

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 勢い良く生徒指導室のドアを開けると、伊織が机にいて、スマホをいじってこちらを見ていた。
 俺に気付くと一瞬驚いた顔をした後に、眉間に皺を寄せて立ち上がり、柴先に近寄って行った。
 またシカトかよっ!


「柴ちゃん、プリントってコレ?俺帰るから」

「あ、待て桐原、少し秋山と話をしてやってくれ」

「…………」

「おう伊織、テメェ俺をシカトするなんて良い度胸してるな。覚悟出来てんだろうな?あ?」

「俺はお前に話なんか無い」

「はぁ!?何だその言い方は!」

「何だよ、また無理矢理ヤられてぇのか?それも柴ちゃんがいる前で?」

「桐原!」

「柴先!こいつぶん殴っていいか!?いいよな!?」

「ダ、ダメだ!なるべく言葉でやり合ってくれ!出来れば穏便にな!」

「穏便になんて出来るかぁ!」


 俺はいつまでも舐めた態度の伊織に歩み寄り、肩を掴んで俺の方を向かせた。すぐにフイッと顔を逸らされたから今度は顎を掴んで無理矢理こっちを向かせた。
 

「俺の性格知ってんだろ?売られた喧嘩は買う。お前が相手ならとことんな!」

「貴哉っ」


 ここで伊織はやっと目を合わせた。そして顎を掴む俺の手を握って俺を抱き寄せた。
 あ!これはマズイだろ!こんなとこ誰かに見られたらまた誤解されるだろ!


「柴先!」

「あわわ!えーい!」


 慌てた柴先はドアの鍵を掛けて、急いで窓に近寄り、カーテンを閉めた。ナイスだぜ柴先!


「お、俺は何も見てない……何も見てない」


 柴先はブツブツ言いながらしゃがんで下を向き耳を塞いでいた。
 うし!さっさと終わらせるか!


「伊織!俺はお前が何と言おうが無理矢理ヤられたなんてそんな嘘言わねぇし、認めねぇからな!だからお前が折れろ!ちゃんと嘘でしたって言え!」

「分かってくれよ貴哉……こうするしかお前を守れねぇんだ」

「そんな訳ねぇだろ!てかそんな事言ったら誰がお前を守るんだよ?俺だろ!だったら俺の言う通りにしろ!」

「……はは、貴哉だぁ」


 伊織は困ったように笑って俺にキスをした。
 本当はこんな事してる場合じゃねぇんだけど、俺も目を閉じて伊織を感じていた。
 やっと元の伊織に戻ってくれたのがすげぇ嬉しくて、ずっとこうしていたいぐらいだった。


「分かった。貴哉の言う通りにする……」

「そうか!それなら一緒に罰を受けようぜ♪おーい!柴先!伊織が白状したぞーって、柴先?」


 柴先はまだうずくまってブツブツ言っていた。
 なんだ?あの人?変わってるのはどっちだよ。


「貴哉、もう少しだけこうさせてて♡柴ちゃんが正気に戻るまで♡」

「んー、まぁいっか!てか俺をシカトした事許してねぇからな」

「ごめんって♡あー貴哉だぁ♡幸せ♡」

「悪いと思ってねぇだろ!」

「思ってるって。俺も辛かったんだからな。大好きな貴哉に冷たくするの……朝も早川といるの見てそのまま奪って逃げたかったよ」

「ばーか!だったらもうシカトするんじゃねぇぞ?分かったか?」

「うん♡大好きだ♡」

「ん。俺も今の伊織が好きだ!」


 さてと、そろそろ戻らねぇと玉ちゃんが怒るな。
 柴先は良く分からねぇから伊織に任せて職員室に戻るか。


「伊織、俺行くな。お互い自宅謹慎頑張ろうぜ」

「ああ。元気でな貴哉」


 最後は笑顔で別れた。
 また伊織の笑った顔が見れて俺はホッとしていた。あいつの笑顔好きなんだよなぁ。
 
 俺はホクホク気分で職員室に戻って伊織が無理矢理した事を撤回すると認めたと伝えて、その後俺は一人で学校を出た。
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